(3)テコンドーの会場は大学構内皆さんこんにちは。凍てつく寒さの日々も去り、北京にも柔らかい春の日差しが降り注ぐようになりました。9月に始業式、7月上旬に卒業式を行う中国の大学では、旧正月の長い休みをふるさとで過ごした学生がキャンパスに戻り、華やかな雰囲気に包まれています。 今回お伝えする「テコンドー」のプレ五輪大会も、新学期が始まったばかりの大学構内に新しく完成した体育館で行われました。 巨大な毛沢東のモニュメント2月26日から29日の4日間、北京科技大学体育館でテコンドーのプレ五輪大会が開催され、27の国と地域から128名の選手が参加し、男女各4階級、計8つの金メダルをかけて試合が行われました。 私は、日本のエース・女子67s級の岡本依子選手が出場する28日午後のチケット(40元=約600円)を購入し、会場に向かいました。 北京科技大学は、北京五輪でテコンドーと柔道が、また9月のパラリンピックでは車椅子バスケットと車椅子ラグビーが行われます。日本のお家芸・柔道の会場ということもあり、五輪期間中に足を踏み入れるという日本の方も多いかもしれません。 科技大学は、清華大学、北京大学などが集まる北京市西部の大学エリアに位置し、地下鉄13号線の五道口駅からはタクシーで5分ほどの場所にあります。西門に到着すると、まず巨大な毛沢東のモニュメントが出迎えてくれます。巨大です。迫力です。驚きます。また構内も大変広く、新しく完成した体育館までは、徒歩で10分強かかります。 中国の大学では、中国各地から集まった学生が構内の学生寮で共同生活を送っており、広い構内には校舎、宿舎、銭湯、スーパー、理髪店、食堂、レストランなど生活に最低限必要なもの全てがそろっており、一つの街を形成しています。大学内をゆっくり散策して、日本の大学との違いを感じてみるというのもよいかもしれません。 北京五輪で使用される会場は北京市内に31ありますが、そのうち6会場は大学のキャンパス内に新しく作られました。「なぜ大学内に?」と思われるかもしれませんが、五輪終了後も大学内ならば入学式などの式典や、学生のスポーツイベントなどに幅広く利用できると判断されたようです。たしかに6つの大学は学生数も非常に多いので、今後の利用価値も高そうです。 華麗な足技、初心者にも分かりやすいルール科技大学の体育館は座席数が5000ほどと、ほかの会場に比べそう多くありません。一番安いチケットの座席でも、選手を間近に見られるのでお薦めです。この会場では、昨年11月に柔道のプレ五輪大会が行われており、私は2回目の会場見学でした。 ただ、テコンドーを観戦するのは初めてだったので、ルールもわからないのに楽しめるかな……と少し心配でしたが、初心者でも勝負が分かりやすく、その華麗な足技にひき込まれました。技が決まるたびに会場内には“ばしっ”っという音が響きわたり、迫力があります。 少しルールなどについて説明させてもらうと……、テコンドーは朝鮮半島の伝統的な武術を統合してできたといわれる格闘技で、防具をつけた2人の選手が手と足を使い相手の上半身のみを攻撃します。プレ大会の公式HPによると、3分間3ラウンドで行われ、ノックアウトまたは、総得点で勝敗が決まります。 1988年のソウルオリンピックで公開競技となった後、2000年のシドニー大会から正式競技として採用されました。代表選手数は男女ともに1か国から2人、最大で4人までという制限があるため、韓国以外の国々も金メダルを獲得しています。中国勢も強く、特にシドニー、アテネと2大会連続で金メダルに輝いた女子67キロ級の陳中選手(25)は、「3連覇なるか」と注目が集まっています。今回のプレ大会でも、中国勢は金メダル2、銀メダル4、銅メダル10枚を獲得し、チーム全体のメダル数で首位に輝きました。 中国でのテコンドー人口も多く、私が住んでいる地域のスポーツクラブでも、毎週1回、韓国人のコーチによる有料の教室が開かれています。北京に住む韓国人は在住外国人の中で最も多く、本場の技を伝えるコーチが身近にいることも、競技の普及につながっているようです。 日本でテコンドーといえば、シドニーオリンピック女子67キロ超級で銅メダルを獲得した岡本依子選手(36)が有名ですが、今大会では28日午前に行われた予選リーグ1回戦で、オーストラリアの選手に0−7のストレートで敗れてしまいました。ただ、岡本選手は昨年11月に行われた北京五輪アジア予選で3位に輝くなど、現在も五輪出場が有力視されています。ぜひ、北京で岡本選手が活躍する姿を見たいですね。 水泳飛び込み、テコンドーと、続けてプレ北京五輪の様子をお伝えしました。次回は、北京のグルメについてお伝えしたいと思います。 (2008年3月10日 読売新聞)
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