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協会がドイツW杯を総括

足りないのは…ハードワーク 「奪う」守り 機動力

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ドイツW杯初戦の豪州戦で逆転負けを喫した日本。リポートは、現在のサッカーでは「全選手に徹底的なハードワークが要求される」と総括している=吉岡毅撮影

 日本協会の技術委員会(小野剛委員長)は、機関誌「テクニカルニュース」で、今夏のW杯ドイツ大会の分析リポートを抜粋の形で発表した。6ページの大会総括で、1分け2敗、失点7に終わった日本代表について、「勝った国との差は、『当たり前』の部分の習慣化、徹底にあった」と、甘さを指摘した。(助川武弘)

 リポートでは、日本がなぜ、大会を通じて8試合しかなかった逆転試合のうち2戦の敗者(対豪州、ブラジル)となったのか、個々の試合分析はなされていない。大会全般から「世界」の現状を探るのが趣旨だ。

 ただ、日本については「全員の高い技術、ハードワーク、戦う姿勢というベースをレベルアップする必要がある」と総括。根本的な変革が必要な2点として、〈1〉守備の意識を変える(ボールを奪いに行く)〈2〉技術の認識を変える(質・量ともに)――を挙げた。「守備組織などが洗練される中で、甘さやスキがあったら勝てない、サッカーがさらに進化した大会」という認識から導かれた結論だ。

 大会の特徴として挙げたのが、1998、2002年の過去2大会で主流だったカウンター攻撃による得点の減少だった。

 「ボールを失った瞬間に、相手に速攻をさせない守備をチームとして行っていた。前線も含め全選手に徹底的なハードワークが要求される」と理由を分析。「勝つチームには、何かを免除されるスーパースターはもはや存在しない」とし、ハードワークができる選手が当たり前だとした。

 その中で、ボールを奪いに行く姿勢、緻密(ちみつ)な組織などの特徴を、優勝したイタリアやドイツを例に挙げた。リポートには記されていないが、より自陣に引いての確実な守備を志向した日本との大きな違いだったともいえる。

 その積極的な守備を破る攻撃では、中長距離のシュートへの高い意識など多くの要素が挙げられている。〈1〉カウンター攻撃を生むGKから前線への質の良いボールの供給〈2〉速いテンポでしかも大きくボールを動かす――など6項目が列挙される中で注目されたのは、モビリティー(機動性)。

 「洗練された守備を相手にした場合、人が動かない限りボールも動かせてもらえない」として、アルゼンチンがパス24本をつないで挙げたゴールなどを例に、走りの量と質の重要性を指摘している。

 こうした傾向は、「サッカーは今後一層スピードに乗った競技になる」と語るオシム代表監督の志向とも重なり、リポートも「世界トップレベルの流れが、日本人の特長を生かせる方向に進んでいると言っていい」と締めくくっている。ただ逆に見れば、日本の武器といえる領域を世界の強豪は重要課題としてすでに追求し始めているともいえる。

2006年10月3日  読売新聞)
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