ボールけらぬ 充実合宿グリコーゲン、和太鼓、豪州。8〜9日に行われた日本代表の短期合宿の内容を、キーワードで表したものだ。 集まった選手の多くは、マシンで15分間走をし、呼気の測定を受けた。運動には体内に蓄えた糖質のグリコーゲンと体脂肪が主なエネルギーとなるが、一般的に運動開始直後に多く使われるグリコーゲンは、消費されると疲れのもとになる乳酸が発生する。体脂肪は蓄積量がグリコーゲンよりはるかに多く、最初から高い割合で消費できれば体力温存につながる。呼気の分析で、体脂肪が燃えやすい体質かが分かるという。 「日本は走り勝つしかないから」と岡田監督。体脂肪を消費しやすい体質にするには、ジョギングなどを一定時間続けると効果的とされ、測定結果から選手ごとにメニューが作られる。専門家の講義を聞いたDF内田(鹿島)は「(スタミナ対策は)サッカー選手に必要」と納得していた。 8日夜には、食事会場に和太鼓が響き渡った。岡田監督が、親交のある和太鼓奏者、林英哲さんに演奏を依頼した。空気が震える迫力にFW巻(千葉)は「自然と、太鼓のリズムに乗った。大拍手でした」。監督は「余興」と説明したが、日本の伝統楽器の魅力を世界にアピールする林さんから、日本代表の方向性について何かを感じ取ってほしい思いはあっただろう。 そして、先月のカタール戦で出た課題やオフの過ごし方などがテーマになったミーティングで、指揮官が強調したのが、W杯最終予選の次戦、2月11日の豪州戦(日産ス)の重要性。3戦全勝でA組首位を走る豪州に勝てば、W杯出場がぐっと近づく。FW岡崎(清水)は「(オフは)リラックスするが、しっかりと準備したい」。選手たちにも意図は確実に伝わった。 リーグ戦終了直後に、あえて行われた合宿。たとえボールをけらなくても、充実した1泊2日だった。(軍地哲雄) (2008年12月11日 読売新聞)
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