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2010 松井秀喜

(2)グラブ新調 守りの原点へ

 今季に新調したグラブは、濃い青色から、新チームカラーを意識した赤茶色のものに。だが、変わったのは色だけではない。

 横幅が1・5センチ狭くなった。「捕球部分の革の量を減らした。しわが寄ってボールを取りにくくなるから」。2年ぶりの守備のための、こだわりだ。左手の入れ方も変えた。過去3年間は、小指の穴に小指と薬指を2本入れ、中指と人さし指もそれぞれ左に一つずらし、人さし指の穴の部分を空けていたが、これを1本ずつ、それぞれの指を本来の場所に入れるように戻した。

 人さし指の部分を空けることで、ボールが入る「ポケット」が広くなり、外野手は飛球が捕りやすいとされる。こういうグラブのはめ方をする選手は他にもいる。だが松井は元々内野手で、「慣れているから」と原点に回帰したわけだ。実は去年から戻していたというが、DHだけで守備はなかった。今季、ようやく訪れた守備機会。その左手の感触は悪くない。

 守備はまだ2試合で、ボールの処理も8度しかないが、「チームが求める時に守れればいい」と、役割は果たせていると感じている。5月2日まで26試合連続で4番で先発。3日からのレッドソックス4連戦で最初の休養日がありそうだが、「試合に出続ける」という課題は十分実行できている。

 昨季は、開幕3戦目で欠場するなど、他の選手に休養を兼ねた指名打者を譲る時は自身が控えに回った。調子と関係なく、ベンチスタートを告げられる日々は精神的に不安定だったが、今季の自分には左翼がある。「余計なことを考えず、毎日普通に準備ができる」。打順の中に自分の居場所がある安心感。たかが2試合、されど2試合なのだ。

 5月に交流戦が始まる。ナ・リーグ本拠地の試合で指名打者のない試合は9試合。3連戦で毎試合続けて守れるかと問うと、少し考えて「やれるという手応えはない」と慎重だ。

 だが、ソーシア監督は、他の選手の疲れも出る今後は、「(松井秀の)守備の重要性が増す」と、機会を増やす方針。週に1、2試合ぐらい守れるようになれば、新しいグラブも、もっと手になじむに違いない。(萱津節)

2010年5月4日  読売新聞)
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