駒苫・田中が省エネ完封、剛腕温存“夏バージョン”駒大苫小牧10―0(第88回全国高校野球地方大会=南北海道・19日)――駒大苫小牧の田中に、最もふさわしい形容は「剛腕」。昨夏の甲子園で150キロの直球を投げ込んだ姿は、ファンの目に焼き付いている。だが、今のイメージは少し違う。本人の理想は「1人1球で打ち取ること」。その“ニュー田中”を披露した。 一回、夕張の先頭打者が初球の直球を三塁ファウルフライ。これで、相手の直球狙いを察知した。「厳しいところに投げれば打ち取れる」と直球は制球を重視。さらに、直球と同じ腕の振りを心がけた変化球を多投して打者を誘った。 走者を出したのは、四回の安打と四球の2人だけ。5イニングで52球。三振は追い込んだ時だけに狙い、七つを奪ったが、田中は「打たせて取れたのが良かった」と喜んだ。 省エネ投球は、夏の過酷さを考えて。選抜直前に、当時の3年生の不祥事で出場辞退に追い込まれ、「夏は絶対に甲子園に出る」と誓ったからだ。本格派だけに、力を抑えながら投げるのは難しそうだが、「そんなことないです」と涼しい顔。苦もなく実行してしまうところも、さすがは大物だ。 試合後、投球内容についての淡々とした受け答えは、味方のスクイズや走塁のミスの話になると一変した。「接戦だと流れがいってしまう。反省しないと」と主将らしく厳しい口調。「甲子園へ」の思いは、それだけ強い。(軍地哲雄) (2006年7月19日21時52分 読売新聞)
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