6戦99安打…大阪桐蔭、猛打で頂点第90回全国高校野球選手権大会(決勝=18日)──鳴りやまない金属音。大阪桐蔭ナインが何度もダイヤモンドを駆け回り、生還していく。その猛打は、集中打で勝ち上がってきた常葉菊川をしても、追う気力すら失ってしまうすさまじさ。今大会で見せた強打の集大成だった。 中軸の一発があった。一回に奥村がバックスクリーンへ満塁アーチ。七回には萩原が大会新の15打点目を右翼への2ランでたたき出した。奥村は「つなぐことだけを考えた」。萩原も「みんなが出塁してくれるから記録を作れた」と仲間を誇った。 下位打線も活発だった。福島康、有山、福島由の7、8、9番で実に7打点。「走者がいる時は、どんな形でもかえさないといけない」と福島康。気概はクリーンアップにも負けていない。 今大会、史上2位の99安打を放った。その強打を実証するデータがある。1試合平均得点10・3点。これは強力打線で初出場初優勝した17年前の9・2点を上回っている。 中田翔(日本ハム)の後を継いだ4番の萩原は「中田さんのように大きいのは打てない」と話す。打球の飛距離にはこだわらず、外野手の間を抜く鋭いライナーを打つよう心がけた。そして、全員がセンター返しを体に染み込ませた。つなぐことを最大の目的とし、この強力打線は出来上がった。 試合中には見せなかった笑顔を浮かべ、奥村は言った。「目指してきた野球ができた最高の試合だった」。スーパースターがいなくても、頂点を極めることは出来る。むしろ、いなかったからこそ、成し得た偉業だった。(南恭士) (2008年8月18日23時56分 読売新聞)
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