2回目で決勝進出の野洲、延長で美技第84回全国高校サッカー選手権決勝(9日・国立競技場)――3年ぶり2回目の出場で初の決勝に進んだ野洲(滋賀)が、連覇を目指した鹿児島実(鹿児島)を延長戦の末に破り、日本一の座についた。 野洲は23分、DF荒堀が押し込み先制。県予選から9試合無失点だった鹿児島実のゴールをこじ開けた。後半は守勢に回り、同点とされて試合は延長に入ったが、107分に途中出場のFW滝川が、多々良学園(山口)との準決勝に続く決勝ゴールを決めた。 鹿児島実は身体的な強さを武器に優勢に試合を進め、79分には今大会5得点で得点王となったFW迫田のゴールで追いついたが、最後は野洲の華麗なパス回しに屈した。(観衆3万1782人) ◆華麗なパス、時が止まった◆ 決勝点は、まさしく野洲の真骨頂だった。高い個人技と華麗なパスワーク。まるで周りの時間が止まっているように見えた。 延長戦に入って、野洲イレブンは鹿児島実の強いプレッシャーに足が止まり、攻め込まれ続けた。しかし、「必ずチャンスは来ると思っていた」と金本主将。 攻撃をしのいだ3バック左の田中が、右の乾に送ってサイドチェンジ。乾は中央に切れ込むと思わせて、かかとで司令塔のMF平原に渡した。さらに素早く攻め上がってきた中川がスルーパスを受けると、右から折り返す。最後は途中出場のFW滝川がゴールに押し込んだ。「DFの頑張りに応えたかった」。残り3分を切っていた。 昨年の滋賀県新人戦、高校総体予選で、PK負けし、「個人技中心のスタイルでは、通用しない」とささやかれた。それでも、選手は、「見ている人の度肝を抜くような選手を育てたい」と話す山本監督の技術と判断力の速さにこだわる指導を信じてきた。「自分たちは間違っていない」(金本主将)ことを証明する場が今大会だった。 決勝の大舞台。王者に対しても、自らのスタイルを貫いた。準決勝を除く3試合で開始10分までに得点している鹿児島実の攻撃を、中盤をコンパクトにして個人技でボールを奪うことで防ぎ、逆に中盤を支配して決勝まで無失点の相手から先制点を挙げた。 試合後、滝川は、野洲のサッカーについて聞かれて叫んだ。「どこにも、まねでけへん最高のサッカーです」(藤田真則) (2006年1月9日22時13分 読売新聞)
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