(下)対「イチロー」 気負わず…松井秀喜(エンゼルス)エンゼルスへの移籍で、野球ファンには楽しみが増えた。イチローが所属するマリナーズと、同じア・リーグ西地区で優勝を争うことになったからだ。 松井が、ひとつ年上のイチローと出会ったのは星稜高(石川)1年生の時にさかのぼる。愛工大名電高(愛知)との練習試合で、その存在を知った。ともに高卒でプロ入りして、セ、パで日本を代表する打者に成長した。その後、2001年にイチローが、2年後には松井が渡米した。2人は、日本人野手が大リーグでも活躍できることを証明する先駆者となった。 「高校1年の時から知ってますから。いろんな時代に接点があったという意味では、何か縁はあるんでしょうね」 日本ではリーグが違ったこともあり、直接対決で雌雄を決するような場面は少なかった。覇権を争ったのは、オリックスが日本一になった1996年の日本シリーズだけで、米国でも同リーグながら地区が違うために対戦も限られていた。実質的な「ライバル」関係となるのは今回が初めてだ。 チームの力関係では、07年から地区3連覇中のエンゼルスが優勢だ。だが、マリナーズも昨年は中盤まで上位争いを演じ、今季は、インディアンス時代の一昨年にア・リーグのサイ・ヤング賞を獲得した左腕、リー(前フィリーズ)、昨年までエンゼルスの1番打者だったフィギンズらを補強、01年以来の優勝を狙える陣容となった。 2人は、お互いの存在をどう考えているのか。 「イチロー対松井、と言われるけど、(投手と打者として)直接やり合うわけではないので」とイチロー。「イチローさんのすごさは同じグラウンドで戦っていて感じるが、僕自身にとっては(あくまでも)マリナーズのトップバッターで、それ以上でも、以下でもない」と松井。実力は認め合いながらも、火花が散るような熱視線は交錯しない。 今季、両チームの直接対決は19試合ある。最初の顔合わせは5月7日だ。初めての出会いから20年の歳月を経て、30代中盤で円熟味を増した松井とイチローが、メジャーで新たな歴史を切り開く。 (2010年3月13日 読売新聞)
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