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「雪辱」のため 我慢の春…松坂大輔(レッドソックス)

 4勝に終わった昨季の雪辱を期すキャンプなのに、まだオープン戦で一度も投げていない。もどかしい日々が続いている。

 最初から歯車が狂ってしまった。キャンプ直前に背中の張りでペースダウン。ようやく治って、練習で力を入れると、今度は首に張りが出てまた足踏み。「進んだり立ち止まったりの繰り返し。多少ストレスを感じている」と表情を曇らせた日もあった。

 17日の練習で少しは気が晴れた。ようやくフリー打撃で打者を相手に投げることができ、「とりあえず、投げられてホッとしている。もう前に進んでいくしかないので、後ろを振り返ることはしない」と話した。

 開幕ローテーション入りは絶望的だ。もっとも、今季は7年連続2ケタ勝利のラッキーが加わり、先発候補は6人になった。他の5人は着々と実戦登板を重ねており、松坂が慌てて仕上げる必要はない。フランコナ監督は「開幕日が何よりも大事だとは思わない。ダイスケには準備だけはしておいてほしい」。先発陣に事故があった時に、すぐに取って代われるように――。求められるのは、そういう役割だ。

 自分自身もそのことは理解している。「序盤に10日間ぐらい遅れた時点で、無理やり合わせていこうとは考えなかった。途中で離脱する方がチームに迷惑がかかる。最初にいなくても、途中から合流して最後まで働く方がチームのためになる」。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のあった昨季は、開幕前に股関節の異変を感じながらも、調整を急いだ。無理がたたって、結局は長期離脱を強いられ、プレーオフでは出番すら回ってこなかった。悔しい思いを繰り返したくない一心が、松坂を自制させている。

 聞けば、背中も首も、まったく投げられないほど痛いわけではないという。これまでなら、無理して投げてしまったかもしれないが、4年目の29歳はこう話す。「慎重にやれ、と言ってくれる球団には感謝したい。その方がプラスになると思う。今までの3年間とは違って、バランスが取れるようになってきたのかな」

 秋に笑顔で終わるために、今はじっと我慢の春だ。それが分かっているから、じたばたはしない。

(おわり、この連載は、萱津節、霜田聖、岡田卓史が担当しました)

2010年3月19日  読売新聞)
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