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滅私奉公でVに感激

張本勲左翼手

◆1976年10月16日 ○5―3広島=広島


張本勲左翼手

 リーグ優勝の瞬間が迫り、ベンチの中で、そっと長嶋監督のそばに近づいた。「最初に監督へさわるのは自分だと決めていた」。試合終了。全員がグラウンドに飛び出す。必死で指揮官を追走した。

 長嶋監督の就任1年目だった前年は、球団史上初の最下位。長嶋を助けてやってくれ――。そんな言葉に背中を押されて同年オフ、日本ハムから加入した。「勝たなければタイトルも意味をなさないチームだった。以前は記録のためにプレーしていたが、巨人で変わった。滅私奉公。本物のプロになれたと思った」

 移籍1年目。通算2500安打、30試合連続安打を達成した際の光景は、記憶の中でかすんでいる。栄冠に輝き、「自分が監督の腰のあたりをつかんで(胴上げの輪に)引き入れた。すべてが報われたと思った」ことだけは、今でも鮮明に覚えている。

2006年4月13日  読売新聞)
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