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    スピードスケート

    小平奈緒(こだいら・なお)

    • 女子1000メートルの世界新記録が入ったプレートを手にほほ笑む小平(2017年12月10日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影
      女子1000メートルの世界新記録が入ったプレートを手にほほ笑む小平(2017年12月10日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影

    プロフィル

     1986年5月26日、長野県出身。中学2年で全日本ジュニアのスプリント部門を制し、23歳で臨んだ2010年バンクーバー五輪の女子団体追い抜きで銀メダルに輝く。2014年ソチ五輪は500メートルで5位。30歳で迎えた昨季は女子500メートルで世界の第一人者となり、ワールドカップ(W杯)などで15戦全勝、世界スプリント選手権では日本女子初の総合優勝を飾った。今季のW杯前半戦も500メートルと1000メートルで優勝を重ね、12月には1000メートルで世界記録を更新した。2018年平昌(ピョンチャン)オリンピックスピードスケート日本代表(500、1000、1500メートル)。日本選手団の主将にも選ばれた。相沢病院所属。1メートル65。

    3種目で五輪代表…平昌五輪代表選考会(2017年12月30日)

     スピードスケート・平昌(ピョンチャン)五輪代表選考会第3日(29日・長野市エムウェーブ)――女子1500メートルは、この種目で五輪代表に内定している高木美帆(日体大助手)が1分54秒82の国内最高記録で優勝した。小平奈緒(相沢病院)が2位に入り、五輪出場を確実にした。小平は500メートル、1000メートルでも五輪出場を決めている。男子1500メートルは小田卓朗(開発計画研究所)が1分45秒91の国内最高記録で制し、初の五輪出場を確実にした。

    • 女子1500メートルで2位となった小平奈緒=竹田津敦史撮影
      女子1500メートルで2位となった小平奈緒=竹田津敦史撮影

    ◆スピード手応え「極めたい」

     女子1500メートルの世界トップと滑ることは、小平にとっては格別の喜びだった。「昨夜から、高木(美)選手と滑り、どんなレースが出来るかワクワクしていた」と声を弾ませた。

     短距離では見せない、ゆったりとしたリズム。700メートルまで全体のトップタイムで通過した。「体の中のリズムをしっかり刻んで、思ったよりもスピードが出た」。前半型のスプリンターの強みを生かして2位に入った。

     2010年バンクーバー五輪で5位に入った種目だ。ここ2年間の充実した練習で作り上げた体があるからこそ、主戦場の500メートル、1000メートルに加えて再び挑戦できているが、1500メートルでも代表を狙ったのには理由がある。

     平昌五輪では、この3種目で最初に行われるのが1500メートル。結城匡啓(まさひろ)コーチは、まず会場に慣れた上で、得意の2種目に挑む戦略を立てていた。続く1000メートルと500メートルで最高の結果を得るためだ。

     だが、本人は出場するだけのレースにしようとは思っていない。「滑ることがすごく気持ちよかった。また、もっともっと極めたいという思いが強くなった」と小平。五輪の舞台でも高木美に挑む姿を見せてほしい。(上田真央)

    1000で世界新…W杯(2017年12月10日)

     スピードスケートのワールドカップ(W杯)第4戦最終日が10日、米ユタ州ソルトレークシティーで行われ、女子1000メートルで小平奈緒(相沢病院)が1分12秒09の世界新記録をマークし、優勝した。

     五輪で実施されている個人種目で日本女子が世界記録を樹立するのは史上初。男子を含めると2005年、男子500メートルの加藤条治(博慈会)以来。この種目は今季3勝目で、500メートルを含め通算19勝目。同組で滑った高木美帆(日体大助手)は0秒54秒差で2位に入った。

    • 女子1000メートルを世界新で制し、喜ぶ小平(2017年12月10日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影
      女子1000メートルを世界新で制し、喜ぶ小平(2017年12月10日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影

    狙い通り 高速リンクで

     最後の最後で、小平が心から笑顔になれる瞬間が待っていた。「今日は喜んでいいと思います。皆さんも喜んでくれたらうれしい」

     小平はこのソルトレークシティーでの500メートル1本目でスタートミス、2本目は100メートルの通過が自己最速だったが、カーブが乱れて、狙いにいった世界記録(36秒36)を逃していた。高速リンクでの最終日。世界最速の高い壁を目の当たりにした悔しさをこの日はうまく消化し、力にした。

     200メートルの通過は、直後のカーブで転倒した第3戦より0秒01速いハイスピードでありながら、「内側にエネルギーをためて、自分の考えることだけに集中できた」。カーブは確実に、それでも力強く氷を押し、200メートルから600メートルまでのラップタイムは、前日の500メートルの1周(距離400メートル)よりも速く回った。同じ舞台に立ったのは高木美だったが、後半に強い中長距離のエースも太刀打ちできなかった。

     心を整え、思い描いた滑りができた。だから何度も右拳に力を込め、「ワールドレコード!」と、場内アナウンスが響く時間を味わった。「レースの中でうまくいかなかったな、という発見もできた。世界記録でありながらすごくいい瞬間だった」

     壁の向こうには、次につながる学びがあった。だからこの瞬間は、笑顔になれた。(ソルトレークシティー 上田真央)

    500で15連勝…W杯(2017年12月9日)

    • 女子500メートルで優勝し、同種目15連勝とした小平奈緒(2017年12月9日)=武藤要撮影
      女子500メートルで優勝し、同種目15連勝とした小平奈緒(2017年12月9日)=武藤要撮影

     スピードスケートのワールドカップ(W杯)第4戦第2日が9日、米ユタ州ソルトレークシティーで行われ、女子500メートルの小平奈緒(相沢病院)が36秒54で優勝した。昨季から同種目15連勝。

    日本新 W杯女子500(2017年12月3日)

     スピードスケートのワールドカップ(W杯)第3戦最終日が3日、カナダ・カルガリーで行われ、前日のレースで転倒した小平奈緒(相沢病院)が女子500メートルで、自身が持つ日本記録を0秒22縮める36秒53の日本新をマークし、優勝した。郷亜里砂(イヨテツク)は37秒06で3位に入った。

    小平20連勝 国内外500(2017年11月19日)

    • 今季W杯第2戦の女子500メートルで優勝した小平(18日、ノルウェー・スタバンゲルで)=若杉和希撮影
      今季W杯第2戦の女子500メートルで優勝した小平(18日、ノルウェー・スタバンゲルで)=若杉和希撮影

     スピードスケートのワールドカップ(W杯)第2戦の第2日は18日、ノルウェーのスタバンゲルで行われ、女子500メートルで小平奈緒(相沢病院)が37秒07で優勝した。国内外の500メートルはW杯12勝も含め昨季から20連勝。

    低地でのベスト更新

     前日より0秒01速く、500メートルを駆け抜けた小平は小さく、右拳に力を入れた。「後半の修正で昨日を少し上回れた」。100メートルの通過は10秒33と遅れながら、氷にうまく力を伝えられなかった第2カーブの問題点を修正し、低地リンクでの自己ベスト更新につなげた。五輪までの目標にあげる低地での36秒台はここでは達成できなかったが、「お預けですね」とさらり。

     12月の第3戦からは北米の高速リンクでの大会が始まる。「氷が変わるだけ。そこでしっかり自分の体が反応できるように、こつこつ自分の感覚づくりを大切にしたい」と言った。

    W杯1000初制覇(2017年11月14日)

     オランダ・ヘーレンフェインで行われたスピードスケートのワールドカップ(W杯)開幕戦は最終日の12日、女子1000メートルで小平奈緒(相沢病院)が1分13秒99で優勝し、この種目でのW杯初勝利を挙げた。0秒46差で高木美帆(日体大助手)が2位に入った。高木美は女子3000メートルで4分4秒91で4位。
     11日の女子マススタートは佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が個人種目で初優勝を飾った。女子1500メートルは高木美が1分54秒68で優勝。女子500メートルでは小平が37秒33で開幕2連勝を飾り、昨季からのW杯出場レースで10連勝とした。

    • W杯の表彰台に並んだ小平(中央)と高木美帆(左)=若杉和希撮影
      W杯の表彰台に並んだ小平(中央)と高木美帆(左)=若杉和希撮影

    高木美が準V 高め合って

     W杯初戦でこの光景が見られるとは。表彰台の中央に小平、隣に高木美。短距離と中長距離、日本が誇る2人のエースが1000メートルで世界のトップ2を占めた。

     2組目の小平。日本最速スプリンターらしく、600メートルをトップ通過し、低地リンクで自身初の1分13秒台に乗せた。最終組の高木美は「あのタイムをたたき出されて、いい刺激を受けて滑れた」。後半に強い自身の滑りで2位につけた。

     1000メートルは短距離を得意とする選手と、オールラウンダーの中でもスピードがある選手が同じ舞台で競う。高木美も「最初が速いだけでも、最後が強いだけでもダメ。面白さがある」と魅力を表現する。その舞台で、絶対的な強みを持つ両エースがハイレベルで互いを高め合っている。

     小平が「多くのレースをこなす中で自己ベストを出してきている、さすが」と8歳下をたたえれば、高木美は「奈緒さんは刺激を受けることができる存在」。五輪シーズン最初のW杯で見えたのは、この2人が世界の台風の目になるということだ。(ヘーレンフェイン 上田真央)

    小平、500、1000で2冠…冬季アジア大会(2017年2月22日)

    • スピードスケート女子500メートル 国内最高記録で優勝した小平奈緒のウィニングラン(2017年2月21日)=笠井智大撮影
      スピードスケート女子500メートル 国内最高記録で優勝した小平奈緒のウィニングラン(2017年2月21日)=笠井智大撮影

     冬季アジア札幌大会は第3日の21日、スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒(相沢病院)が国内最高記録の37秒39をマークして金メダルを獲得し、1000メートルと合わせて2冠に輝いた。高木美帆(日体大)も女子1500メートルを1分56秒07で制し、3000メートルとの2冠を達成。1500メートルでは押切(おしぎり)美沙紀(富士急)が2位、高木菜那(日本電産サンキョー)が3位、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が4位と、上位4人を日本勢が占めた。女子団体追い抜きは日本(押切、高木菜、佐藤)が優勝し、男子1000メートルは小田卓朗(水戸開発計画研究所)が制した。

    女子500メートル 李相花に逆転勝ち

    • スピードスケート女子500メートル 前日の1000メートルと合わせて2冠に輝いた小平奈緒(2017年2月21日)=笠井智大撮影
      スピードスケート女子500メートル 前日の1000メートルと合わせて2冠に輝いた小平奈緒(2017年2月21日)=笠井智大撮影

     ライバルの目の前で、強さを見せつけた。国内リンクで37秒39。国内では37秒台後半の記録にとどまってきた30歳の小平にとって、価値ある1勝。「一つ壁を打ち破ることができた」と素直に喜んだ。

     五輪2連覇中の李相花(イサンファ)と同組。最初の100メートルは先行された。だが、「コーナーの加速で挽回できる自信があったから、落ち着いていた」。最終カーブを出ると勢いはさらに増し、女王を置き去りに。0秒31差でのゴールに、小さく右拳を握った。

     2位となった李相花とは年齢も近く、私生活では仲も良いが、レースとなると先を越されてきた。だが今季は、李相花が右ふくらはぎ痛などで苦しんでいるとはいえ、今月の世界距離別選手権も含め、500メートルの全てのレースで小平が上回ってきた。

     次戦は25日開幕の世界スプリント選手権。異例の強行日程だが、カナダ・カルガリーの高速リンクで好タイムも期待できる。「36秒台は出ると思う。その先にどんな数字が見られるかを意識して、しっかり調整していけたら」と小平。女王が持つ世界記録の36秒36にどこまで近づけるのか。楽しみなのは本人も一緒だ。(上田真央)

    ソチ五輪 小平13位 女子1000(2014年2月14日)

     女子1000メートルで、小平奈緒(相沢病院)は13位に終わった。住吉都(ローソン)は22位、辻麻希(開西病院)は27位。500メートルで4位だった張虹(中国)が制した。

    がっくり肩落とす

    • ソチ五輪の女子1000メートルを滑り終えた小平選手(2014年2月)=菊政哲也撮影
      ソチ五輪の女子1000メートルを滑り終えた小平選手(2014年2月)=菊政哲也撮影

     小平はレース後、がっくりと肩を落とした。日本選手たちの前も下を向いたまま通り過ぎた。
     自分の滑りの感覚を独特の言葉で表現することが多い。500メートルや1500メートルと比べ、1000メートルの滑りは「ビー玉が転がっていくような感じ」と言う。いったん、スピードに乗ると自然に速さが持続する。そんなイメージだ。一つのミスが致命傷になる500メートルと比べて、「余裕がある」とも話していた。
     この「余裕」が小平にとっては大切だ。五輪に臨む心構えを「気持ち8割、体は全力」とも語る。今大会、自身最後のレースで、そんな気持ちの余裕を持てていただろうか――。
     ソチ入り後は、「リンクと仲良く出来ている」と舌も滑らかだった。だが、スタート直後から体が重そうだった。その後の加速もままならず、課題の後半はやや姿勢が浮いていた。最後は同走の米国選手に大きく引き離されてしまった。
     ただ、小平は「五輪は通過点」という。最大の目標は、「自分の体の限界、人間の体にはどんな可能性があるのかを知ること」。27歳で迎えたソチでもメダルには届かなかったが、これがスケート人生の終わりではない。目標へ向かって今後も走り続ける。(臼田雄一)
     小平奈緒「刃が氷にかんでブレーキになっていたが、気持ちが入っていたので、全力を出せた。次につながる」

    ソチ五輪 小平 粘り見せた(2014年2月12日)


     11日、スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒(相沢病院)は5位だった。

    バンクーバー五輪 スピードスケート 女子追い抜き「銀」(2010年3月1日)

    • バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した女子追い抜きのメンバー。左から田畑真紀、小平奈緒、穂積雅子の3選手=2010年2月、尾賀聡撮影
      バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した女子追い抜きのメンバー。左から田畑真紀、小平奈緒、穂積雅子の3選手=2010年2月、尾賀聡撮影

     バンクーバー冬季五輪は第16日の27日(日本時間28日)、前回トリノ大会から採用されたスピードスケート女子団体追い抜きで、日本が銀メダルを獲得した。穂積雅子、田畑真紀(ともにダイチ)、小平奈緒(相沢病院)の3人が出場した日本は、準決勝でポーランドに競り勝ったが、決勝でドイツにわずか0秒02差で逆転負けし、金メダルを逃した。スピードスケート日本女子勢の五輪銀メダル獲得は初めて。

    2018年02月06日 19時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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