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    フィギュアスケート

    宇野昌磨(うの・しょうま)

    • アイスショーで華麗な滑りを披露する宇野昌磨(2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影
      アイスショーで華麗な滑りを披露する宇野昌磨(2017年12月25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=竹田津敦史撮影

    プロフィル
     トヨタ自動車所属。2018年平昌(ピョンチャン)オリンピック男子シングル日本代表。

     1997年12月17日生まれ。名古屋市出身。中京大中京高を経て、中京大スポーツ科学部2年。1メートル59。

     5歳の時、浅田真央が練習していたリンクへ遊びに行ったことをきっかけにスケートを始めた。2014年末の全日本選手権は、羽生結弦に次ぐ2位。シニアに移行した15年は、初出場のグランプリファイナルで3位に入った。全日本選手権は、前年と同じく2位。16年の全日本選手権ではショートプログラムで2位だったが、フリーで1位となり、逆転で初優勝を収めた。

     17年のグランプリ(GP)シリーズ、スケートカナダでGP通算3勝目を挙げた。17年12月のGPファイナルは2位。同月の全日本選手権で男子シングルを制し、五輪代表入りを決めた。

    宇野V2「通過点」 全日本フィギュア(2017年12月24日)

     フィギュアスケート・全日本選手権最終日(24日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――男子のフリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(トヨタ自動車)が186・47点でフリーも1位となり、合計283・30点で2連覇を飾った。SP2位の田中刑事(倉敷芸術科学大)は175・81点でフリー2位に入り、合計267・15点で2位。宇野、田中は、ともに初の五輪代表入りを決めた。無良崇人(洋菓子のヒロタ)は3位、友野一希(同大)は4位、村上大介(陽進堂)は5位。

    • 優勝した宇野昌磨のフリーの演技(24日)=竹田津敦史撮影
      優勝した宇野昌磨のフリーの演技(24日)=竹田津敦史撮影

    果敢に4回転

     「悔しいし、期待に応えられずに申し訳ない」。2連覇を達成し、五輪出場を決めたとは思えない感想が、宇野の正直な気持ちだった。

     羽生結弦(ANA)が欠場し、優勝間違いなしと目された今大会で、初めてのジャンプの構成に挑んだ。連続ジャンプの二つ目に4回転トウループを跳ぶという、世界的にも異例のコンビネーション。多くの選手が苦労する4回転を、助走のできない二つ目に跳ぶのは、当然、リスクを伴う。

     ただ、理由はある。今季の宇野は4回転トウループが「回りすぎて」着氷が乱れ、連続技につなげられないケースがあった。それならば、後ろで跳んでしまえ、という逆転の発想。午後の公式練習では、2回転半―4回転の練習を繰り返した。

     4回転トウループは、練習で「9割」の成功率という。しかし、100%の力で挑むほかの種類の4回転に比べ、余裕があるからこそ無駄な動きが入るなどし、試合でミスが多くなっていた。二つ目につければ、さすがにトウループも全力で跳ばざるをえない。

     結果は踏み切れずに大失敗。体力的にきつかったが、それでも挑んだのは「ここで逃げることに意味はない」と思ったから。五輪を迎える今季も「通過点であり、到達点ではない」という20歳。来年2月の本番で決めれば、意味のある失敗となる。(前田剛)

     宇野昌磨「(平昌五輪に向けて)いい演技ができる可能性が少しでも高くなるようにベストな練習を尽くし、期待に応えられる演技をしたい」

    宇野 0.5差2位 GPファイナル(2017年12月8日)

    • メダルを手にする(左から)2位の宇野昌磨、優勝したチェン、3位のミハイル・コリャダ=2017年12月8日、竹田津敦史撮影
      メダルを手にする(左から)2位の宇野昌磨、優勝したチェン、3位のミハイル・コリャダ=2017年12月8日、竹田津敦史撮影

     フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル第2日(8日・愛知日本ガイシホール)――男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)は184・50点でフリー1位となったが、合計286・01点で2位だった。SP首位のネーサン・チェン(米)がフリー2位で、合計286・51点で初優勝。2012年から続いていた日本男子の連覇が途切れた。

    高難度に挑戦 フリー首位

     地元・名古屋で開催されたGPファイナル。僅差で優勝を逃しながら、宇野は「満足している」と振り返った。理由は、今大会に向けて「これ以上、どうしようもないぐらい準備してきた。もっとできたとは思わない」と自負するからだ。

     フリーでは、4種類の4回転ジャンプ計5本を組み込んだ。9月の今季初戦で成功させて自己ベストをマークした高難度の構成だが、大崩れした10月のジャパンオープン後、GPシリーズは2試合とも調子などを考慮して4回転を3種類に抑えていた。

     最近の練習では、プログラムを通してミスなく滑れる回数が増えていたという。しかし、冒頭の4回転ループで転倒し、5本目の4回転トウループは大幅な回転不足。「頭も回らなく」なって計算が狂い、ルール違反になると勘違いして最後の連続技を単発にしてしまった。跳んでいれば、計算上は勝っていた。

     それでも、「きょうはそういう日だった」と0・50点差で逃したタイトルに未練はない。落ち着いて試合を振り返っても、少し不安のあったジャンプの確認を試合直前にしておけば、というわずかな後悔があるだけだ。「次にどうすればいいかは、分かっている」。この前向きな思考が、宇野らしさでもある。(前田剛)

    GPファイナル進出決定 フランス杯(2017年11月20日)

    • 2位になりGPファイナル出場を決めた宇野昌磨=武藤要撮影
      2位になりGPファイナル出場を決めた宇野昌磨=武藤要撮影

     フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦、フランス杯は18日、フランス・グルノーブルで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)はフリー1位と追い上げたが、合計273・32点の2位だった。宇野は優勝したスケートカナダに続く表彰台で12月のGPファイナル(名古屋)出場が決定。SP首位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が優勝した。

    粘って2位 ミス続出もフリー1位

     2度の転倒がありながら、集中力を切らさず滑りきった宇野は「本当にきつかった」。長い夜を締めくくる試合後の記者会見では、思わず大あくび。全力を尽くしたことが、ミスが続出しながらフリー1位を獲得できた理由だった。

     SP同様にジャンプが跳べる気はしなかった。「氷が足に吸い付かない。安定感がなく、ふらふらしている」という違和感を解消するため、午後の公式練習では40分間のうち20分はジャンプを跳ばず、スケーティングに専念。調整を工夫したが、感覚は取り戻せなかった。

     演技中も「まだ(ジャンプが)残っている」とうんざりしながら滑る状態。それでも、予定した4回転には全て挑んだ。「逃げることは良くない」という気持ちは、はっきりしていた。

     フランス入り前にインフルエンザを発症し、練習不足を否めないまま迎えた今大会。2位で表彰台に立っても、「達成感はないし、悔しいと思えるほどの状態でもない」。大好きなはずの試合で感じた味気なさに、「二度とこうならないように」と誓った。

     幸い、挽回する大舞台の切符をつかんだ。12月に地元・名古屋で開催されるGPファイナルに向け、「自分の演技をしたい」。準備にあてる時間は、たっぷりある。(グルノーブル 前田剛)

    宇野V 平昌へ弾み フィギュアGP3勝目(2017年10月30日)

    • スケートカナダでのフリー演技(2017年10月28日、竹田津敦史撮影)
      スケートカナダでのフリー演技(2017年10月28日、竹田津敦史撮影)

     フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは28日、カナダのレジャイナで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(トヨタ自動車)がフリーも197・48点で1位となり、合計301・10点で優勝した。

     2位に約40点の大差をつける快勝で昨年のスケートアメリカ以来となるGP3勝目を飾り、来年2月の韓国・平昌五輪へ向けて弾みをつけた。

    フリーも1位 崩れぬ強さ 300点超え

     宇野に強さが漂い始めた。絶好調だったSPから一転、「疲れなのか、全然、体が動かなかった」というフリーは、ジャンプで何度も着氷を乱しながら、崩れずに演技をまとめた。これで、今季は2戦連続の合計300点台。昨季後半の3月に国際スケート連合(ISU)非公認大会で初めてマークして以降、世界歴代で5人しか突破していない大台を当たり前にしつつある。

     宇野は得点を目標とはせず、「自分のやっていること、自分ができたことが、見やすい形になったもの」と語る。試合までに積み重ねてきた努力に対する通知表のようなとらえ方だ。

     例えば、今大会に向けては連続ジャンプに取り組んだ。4回転ジャンプに力を傾注するあまり、最近「甘く見ていた」というトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や3回転の連続技の確率を「どんな状態でも跳ぶ」レベルに高めるため、あえて演技の最終盤に配置。足の疲労がピークに迫る中、加点を受ける出来栄えでクリアした。

     「死ぬつもりで頑張って、耐えようと思った」と振り返った宇野。ゲーム好きの19歳は、スケーターとして自分の「レベル上げ」に熱中しているようにも見える。その姿が頼もしい。(カナダ・レジャイナ 前田剛)

    2017年12月28日 23時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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