文字サイズ
    フィギュアスケート

    宮原知子(みやはら・さとこ)

    • 2017年11月、復活の優勝を飾ったスケートアメリカでのSP演技
      2017年11月、復活の優勝を飾ったスケートアメリカでのSP演技

    <プロフィル>

     関西大学在学。2018年平昌(ピョンチャン)オリンピック日本代表に選ばれた。
     1998年3月26日、京都府生まれ。2015年世界選手権2位、グランプリ(GP)ファイナルは2015、2016年に連続2位。2016年は四大陸選手権で優勝、同年まで全日本選手権を3連覇した。練習熱心で、1メートル51の小柄な体に、演技後半のジャンプも難なくこなすスタミナを備える。ミスの少ない正確な演技と表現力にも定評がある。
     2017年2月、左股関節を疲労骨折。四大陸選手権(韓国)、冬季アジア札幌大会、世界選手権を欠場した。復帰した今季は、出場2戦目のGPシリーズ・スケートアメリカで優勝。繰り上げ出場した同年12月のGPファイナルは5位に終わった。
     2017年12月、全日本選手権で4連覇を果たし、平昌五輪日本代表入りを決めた。今季のSPは映画「SAYURI」のテーマ曲で、フリーは歌劇「蝶々(ちょうちょう)夫人」。
     4歳の頃、両親と住んでいた米国でスケートを始めた。ショッピングモール内のアイスリンクでたまたま滑ったことがきっかけ。ジュニア時代から高難度のジャンプを跳んで「天才少女」と呼ばれ、2011年から全日本ジュニア選手権を2連覇した。
     米国から帰国後、関西大学中等部に入学。2016年4月、関西大学文学部に進学した。趣味は料理で、お弁当や酢豚を作る。読書も好き。

    逆転で全日本4連覇 五輪代表決定(2017年12月23日)

    • フリー演技を終え、浜田美栄コーチと抱き合う宮原(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=武藤要撮影
      フリー演技を終え、浜田美栄コーチと抱き合う宮原(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=武藤要撮影

     フィギュアスケート・全日本選手権第3日(23日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――来年2月の平昌五輪の最終代表選考会を兼ねて行われ、代表2枠を争う女子はショートプログラム(SP)2位の宮原知子(関大)がフリーで1位となり、合計220・39点で逆転での4連覇を果たした。宮原は日本スケート連盟の選考基準を満たし、初の五輪代表入りを決めた。SP首位の坂本花織(シスメックス)はフリー4位で、213・51点の2位。紀平(きひら)梨花(関大ク)は3位、樋口新葉(わかば)(東京・日本橋女学館高)は4位。残る1枠は坂本と樋口の争いとなり、24日に代表が発表される。

    • 女子フリーで演技する宮原(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=武藤要撮影
      女子フリーで演技する宮原(2017年12月23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで)=武藤要撮影

    繊細な滑り 完成度で圧倒

     演技を終え、両手を力強く突き上げた。「全てのジャンプをしっかり踏みきり、しっかり降りられた」。今年1月に判明した左股関節の疲労骨折。秋には周囲が平昌を諦めようと思うほど状態は悪かった。闘い続けた再発の不安を、最高の演技で吹っ飛ばした。

     フリーの「蝶々夫人」は多くの選手が演じてきた悲恋の物語で、自分らしさを出すのが「難しい」と語っていた。ただ、かつて「初恋」をテーマにした際は「スケートが好き」との思いを表現した。けがで一時はリンクから離れた今季、スケートに恋い焦がれる気持ちをぶつけるには格好の曲だった。

     繊細に音を拾う演技の土台は、豊富な練習で築いたスケート技術だ。その背景には、「いかに日本人の魅力を引き出すか」を考えてきた浜田美栄コーチの教えがある。世界を席巻するロシア勢は手足が長く、バレエの基礎を身につけて姿勢も美しい。対抗策としての一つの結論が、「スケートの質」。演技を通してのスピード感であり、ステップなどのレベルアップだった。

     ジャンプに比べれば地味な分野。しかし、宮原は辛抱強く取り組んだ。表現力などを評価するプログラム構成点は、全5項目で10点満点中の9点台。完成度の高い一つひとつの技が集まり、精巧な寄せ木細工のような美しさを生み出した。平昌五輪へ「優勝しかない」と執念を燃やして挑んだ4分間。宮原にしかなし得ない演技で、夢をつかんだ。(前田剛)

    宮原 0.36差の2位(2017年12月21日)

    • 2位発進となった宮原(2017年12月21日)
      2位発進となった宮原(2017年12月21日)

     フィギュアスケート・全日本選手権第1日(21日・東京武蔵野の森総合スポーツプラザ)――来年2月の平昌五輪の最終代表選考会を兼ねて開幕し、代表2枠を争う女子のショートプログラム(SP)は17歳の坂本花織(シスメックス)が73・59点で首位に立った。3連覇中の宮原知子(関大)は73・23点で2位につけた。本郷理華(邦和スポーツランド)が3位、樋口新葉(東京・日本橋女学館高)が4位。本田真凜(大阪・関大高)は6位だった。

    完璧遠く、宮原5位(2017年12月9日)

     フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル最終日(9日・愛知日本ガイシホール)――女子はショートプログラム(SP)3位の宮原知子(関大)が138・88点でフリー4位となり、合計213・49点で5位だった。樋口新葉(東京・日本橋女学館高)はフリーで最下位の6位で、合計202・11点の6位。日本女子は3大会ぶりにメダルを逃した。SP2位のアリーナ・ザギトワ(ロシア)がフリー1位で初優勝した。

    • GPファイナルでの宮原知子のフリー演技(2017年12月9日)=竹田津敦史撮影
      GPファイナルでの宮原知子のフリー演技(2017年12月9日)=竹田津敦史撮影

    新振り付け 収穫も

     「もうちょっと思い切っていけば良かったかな」と宮原が後悔した。序盤の三つのジャンプを回転不足と判定されて得点は伸び悩み、3年連続の表彰台を逃した。

     ただ、宮原にとっての今大会は「試す場」だった。2年ぶりのGPシリーズ優勝を飾った11月下旬のスケートアメリカ後、米国とカナダの振付師のもとを訪れ、SPとフリーを磨き直した。4日に帰国したばかりで、浜田美栄コーチが「調整はしなかった」と言う通り、万全の状態ではなかった。

     特にフリーはステップの振り付けなどを変更し、試合で披露するのは初めて。「(ジャッジに)どう評価されるか確認したい」との思いが強かった。そのステップは最高難度のレベル4を獲得と収穫もあった。

     世界女王エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)の欠場で、急きょ巡ってきた舞台。自身もけが明けであることを考えれば、約1か月で3試合をこなす日程は体への負担が心配される。ただ、今は本人の中で試合を楽しみたい気持ちが勝っているという。「まず疲れを取って体を元気に戻し、また練習していきたい」と宮原。次戦は平昌五輪代表がかかる全日本選手権(21~24日・東京)。気力はみなぎっている。(前田剛)

    GPファイナル 宮原繰り上げ出場(2017年12月1日)

    • インタビューに答え、ほほ笑む宮原=2017年10月8日、若杉和希撮影
      インタビューに答え、ほほ笑む宮原=2017年10月8日、若杉和希撮影

     国際スケート連合(ISU)は1日、フィギュアスケート女子のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が、グランプリ(GP)ファイナル(7日開幕・名古屋)を欠場し、補欠1番手だった宮原知子(関大)が出場すると発表した。ファイナル2連覇中のメドベージェワは今季ロシア杯とNHK杯を連勝したが、11月下旬に右中足骨の骨折を明らかにしていた。

    復活V スケートアメリカ(2017年11月26日)

     フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦、スケートアメリカ最終日は26日、米ニューヨーク州レークプラシッドで行われ、女子はショートプログラム(SP)首位の宮原知子(関大)がフリーも1位となり、合計214・03点で優勝した。宮原のGPシリーズ優勝は2年ぶりで、通算2勝目。

    けが克服 終盤までキレ

    • 2017年11月26日、スケートアメリカで優勝した宮原のフリー演技=米レークプラシッドで、武藤要撮影
      2017年11月26日、スケートアメリカで優勝した宮原のフリー演技=米レークプラシッドで、武藤要撮影

     「思いもよらない結果。すごく、うれしい」と宮原が声を弾ませた。SPの首位を守り、2015年11月のNHK杯以来となるGPシリーズ2勝目。昨季中に左股関節の疲労骨折が判明し、苦しんできたエースが、復活ののろしを上げた。

     最後のスピンが終わるのを待たずに湧き起こったスタンディングオベーションが、フリー「蝶々夫人」の出来栄えを象徴した。前戦のNHK杯では練習量の少なさからジャンプにミスが出たが、今大会は七つのジャンプ要素を全て成功し、「今、できることは全て出せた」。終盤まで動きの切れは失われず、体力面も順調な回復をうかがわせた。

     滑り終えると、試合のイメージトレーニングを繰り返したリハビリ期間中のことが頭をよぎった。「実際にプログラムを滑れるようになるまで時間がかかったけど、つらい時期を乗り越えてきて良かった」。4連覇と平昌五輪切符をかけた全日本選手権(12月21日開幕・東京)へ、最高の形で弾みをつけた。(レークプラシッド 前田剛)

    伸びず5位 NHK杯(2017年11月11日)

     フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯第2日(11日・大阪市中央体育館)――女子はショートプログラム(SP)6位の宮原知子(関大)がフリーで126・75点の6位となり、合計191・80点で日本勢最高の5位に入った。SP4位の本郷理華(邦和スポーツランド)はフリーで7位にとどまり、合計187・83点の7位、白岩優奈(関大ク)は8位だった。SP1位のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)がフリーも1位となり、合計224・39点で優勝した。

    世界選手権欠場(2017年3月20日)


     日本スケート連盟は20日、左股関節を疲労骨折していたフィギュアスケート女子の宮原知子(関大)について、29日に開幕する世界選手権(ヘルシンキ)を欠場すると発表した。
     同連盟関係者によると、3月に入ってジャンプを含めた練習を再開したが、ベストの演技ができないと判断した。宮原は「痛みが継続するため棄権を決断しました。来シーズンに完全復帰が出来るよう頑張ります」とのコメントを発表した。

    宮原骨折、欠場へ 四大陸とアジア大会(2017年2月7日)

     日本スケート連盟は7日、フィギュアスケート女子の宮原知子(関大)が左股関節疲労骨折のため、今月に開かれる四大陸選手権(韓国・江陵(カンヌン))と冬季アジア札幌大会を欠場すると発表した。同連盟の伊東秀仁フィギュア部長によると、6日夜に宮原側から連盟に届け出があった。診断は全治約4週間で、手術の必要はないという。

    大差V3 全日本フィギュア(2016年12月25日)

    • 全日本選手権の表彰式を終え、メダルを掲げる宮原知子。ショートプログラム、フリーともに1位となり、合計214.87点で3連覇を果たした(2016年12月25日、大阪東和薬品RACTABドームで。武藤要撮影)
      全日本選手権の表彰式を終え、メダルを掲げる宮原知子。ショートプログラム、フリーともに1位となり、合計214.87点で3連覇を果たした(2016年12月25日、大阪東和薬品RACTABドームで。武藤要撮影)

     フィギュアスケート・全日本選手権最終日(25日・大阪東和薬品RACTABドーム)――女子はショートプログラム(SP)1位の宮原知子(関大)がフリーも1位となり、合計214・87点で3連覇を果たした。SP8位の浅田真央(中京大)はフリー12位で、2002年の初出場以来、最低の12位だった。SP3位の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)はフリー4位で、2年連続の2位。SP5位の三原舞依(神戸ポートアイランドク)がフリー2位と巻き返し、3位に入った。SP4位の本田真凜(大阪・関大中)は4位、SP2位の本郷理華(邦和スポーツランド)は5位だった。

    ミスに不満 エースの自覚

     浜田美栄コーチは宮原に「狙って勝ちなさい」と声をかけた。この指示が、滑りを硬くさせたのか。連続3回転ジャンプの二つ目が回転不足となり、着氷も乱れた。「全体的に思い切りが足りなかった」と本人が振り返るように満足できる内容ではなく、3連覇の喜びは少し控えめだった。

     浜田コーチが、あえて指示を出したのは「強さ」を身につけてほしいからだ。サッカーで、ノーマークなら誰でも点は取れる。メッシ(スペイン・バルセロナ)がすごいのは、3人にマークされても決めるから――。そんな例え話を、普段から聞かせているという。

     来春の世界選手権は平昌五輪の国・地域別の代表枠がかかる。ライバルたちの雰囲気は、昨季までと違ってくるだろう。「(日本の)中心となる自覚を持ってほしい」と浜田コーチ。背負う重圧を、今大会で疑似体験させた。

     勝利という結果は出したが、自分の力は出し切れなかった。宮原は世界選手権に向け、SPとフリーの「両方とも自分らしい、いい演技をしたい」と誓った。それは五輪本番を見据えても必要だ。エースだからこそ課された難しい宿題だが、挑みがいはある。(前田剛)

    GPファイナル 2年連続2位(2016年12月10日)

    • 2016年12月10日、2位に入ったGPファイナルでフリー演技を終え、ガッツポーズする宮原=フランス・マルセイユで、若杉和希撮影
      2016年12月10日、2位に入ったGPファイナルでフリー演技を終え、ガッツポーズする宮原=フランス・マルセイユで、若杉和希撮影

     フランスのマルセイユで10日に行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで、女子フリーではSP3位の宮原知子(関大)がフリー2位となり、自己ベストの合計218・33点で昨年に続く2位。エフゲニア・メドベジェワ(ロシア)がフリーも1位で2連覇を飾った。

    伸び盛り 合計218点 浅田超え

     滑り終えた宮原は、ギュッと両拳を握りしめた。珍しいガッツポーズが、「自分の中ではベストを尽くせた」という演技への満足感を雄弁に物語った。

     スピードに乗った滑りから、流れるようにジャンプを決めた。一つだけ回転不足の判定を受けたものの、「ほかは練習通りに跳べた」。時に勇壮で、時に繊細な曲に合わせ、強さや優しさなど女性の持つ多面的な魅力を表現した。

     土台となったのが、3年間、毎日1時間かけて磨いたスケーティング技術だ。身長1メートル50の宮原が、スラリとした海外勢と見栄えで競い合うには「倍、動き回るしかない」と浜田美栄コーチ。時間をかけて整えた準備が実を結びつつある。

     今大会は4人のロシア選手が出場。その強敵も好演技を見せた中での2位は、昨年以上の価値がある。更新した合計得点の自己記録は、ついに浅田真央(中京大)を抜いた。「きょうの演技を自信に、もっと練習していきたい」。18歳の今後が、楽しみだ。

    世界選手権 宮原5位 女子日本勢メダル逃す(2016年4月2日)

     フィギュアスケートの世界選手権は2日、米マサチューセッツ州ボストンで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)6位の宮原知子(関大)は、フリー3位で合計210・61点の5位となり、昨年の銀に続くメダル獲得はならなかった。

    世界フィギュア 宮原 会心の「銀」(2015年3月28日)

     中国の上海で28日に行われたフィギュアスケートの世界選手権で、女子はSP3位の宮原知子(大阪・関大高)が、フリーは4位となったが、合計193・60点で2位に入った。

    スタミナ強み 後半に見せ場

    • 2015年3月28日、中国・上海での世界選手権で2位に入った宮原のフリー演技=林陽一撮影
      2015年3月28日、中国・上海での世界選手権で2位に入った宮原のフリー演技=林陽一撮影

     全日本女王が、強豪のロシア勢に割って入った。開幕前、日本スケート連盟の小林芳子・フィギュア強化部長が「この壁を崩すのは厳しい」と話していたほど。宮原も「表彰台は厳しいと思っていたのでびっくり」と振り返った。

     身長1メートル47の小さな体には、「一番の強み」と自負するスタミナが詰まっている。幼い頃から「学校で長距離走は、ずっとトップだった」。フリーは、その持久力を存分に生かした構成だ。ジャンプの基礎点が1・1倍となる後半に、2回転半―3回転の連続ジャンプを2度も跳ぶ。いずれも出来栄え点を引き出し、この二つの連続ジャンプだけで18点以上を稼いだ。

     ミスはあったが、SP、フリー、合計の全てで自己ベストを更新した。「自信にはなったが、ここからが長い道のり。本当のスタート」。世代交代が進む日本女子を、17歳の新エースが引っ張る覚悟だ。

    フォトギャラリー

    • 2017年11月26日、スケートアメリカを制し、メダルを手に笑顔を見せる宮原=米レークプラシッドで、武藤要撮影
      2017年11月26日、スケートアメリカを制し、メダルを手に笑顔を見せる宮原=米レークプラシッドで、武藤要撮影
    • 2015年3月、世界選手権で2位に入り、歓声にこたえる宮原(中国・上海で)=林陽一撮影
      2015年3月、世界選手権で2位に入り、歓声にこたえる宮原(中国・上海で)=林陽一撮影

    • クラシックバレエのレッスンを受ける宮原知子(大阪府高槻市で)
      クラシックバレエのレッスンを受ける宮原知子(大阪府高槻市で)
    • 平昌五輪の日本代表メンバーとともに、氷上から観衆に手を振る宮原(右端)=2017年12月24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで撮影
      平昌五輪の日本代表メンバーとともに、氷上から観衆に手を振る宮原(右端)=2017年12月24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで撮影

    2017年12月27日 18時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP
    ハウステンボス旅行など当たる!夏休み特集
    アーカイブ