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サムライ連覇

(5)米国内盛り上がらず

 「この日の敗者があす、米国と生き残りをかける。そこで負ければ終わり。わくわくする試合だ」。16日、2次ラウンド真っ最中のマイアミ。米大リーグ(MLB)国際ビジネス担当のポール・アーチー副会長は声を弾ませた。プエルトリコが接戦でベネズエラに敗れた2回戦。客席でも、中南米系移民ら約2万5600人の大声援があった。

 しかし、敗退か4強入りかが決まる翌日の米国―プエルトリコ戦の観衆は、約1万3200とほぼ半減。米国の劇的なサヨナラ勝ちを伝えた米紙USAトゥデーも、大リーグのオープン戦や移籍報道に比べ、扱いは小さい。代表選手の熱意とは裏腹に、米国内では盛り上がりを欠くWBC。そんな一面が顕著に表れた。

 同紙のポール・ホワイト記者は語る。「まだ多くがWBCを親善試合の延長と見ている。ペドロイアの故障は米代表ではなく、レッドソックスへの影響の方が関心事となる」。ニューズデー紙のケン・ダビドフ記者は冷めた見方だ。「大リーグ球団は開幕前の故障を恐れ、選手の派遣や起用に慎重だ。今のままなら、WBCより公式戦の一部を欧州やアジアなどで行う方が真の勝負を見せられる」。代表チームが地元球団を超えられない米国の現実だ。

 大会は数字上、成功に終わった。日本や韓国の熱狂にも支えられ、前回と比べて観客動員数、テレビ視聴率とも向上し、スポンサーも26社から56社に増えた。総収入は約5割増となる見通し。チームへの賞金も倍増となった。

 意を強くするMLB側は、次回2013年大会で、参加国・地域を24以上に拡大したうえ、本大会への出場権をかけた予選の実施も検討する。また今回、1次ラウンドを行った東京、カナダ、メキシコ、プエルトリコ以外にも、新しく開催地を探すという。「WBCの目的の一つは野球の国際化だ。大会の成功は米メディアによるものではなく、国際的な露出にある」。規模拡大に向けたアーチー副会長の鼻息は荒い。

 しかし、冷めた見方が米国内にある以上、国際化に対する温度差は払拭できない。「世界最高の野球大会」を目指すMLB。固執する3月開催の見直しを含め、足元を固める改善策も必要になってくる。(おわり)(この連載は千葉直樹、山脇幸二、萱津節、佐藤毅、小金沢智が担当しました)

2009年3月29日  読売新聞)
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