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    「コスプレ」江戸時代にも

    国学院大学博物館で特集展

     今では秋の風物詩ふうぶつしとなった感のあるハロウィーン。仮装かそうり上がるこうした習慣しゅうかんは日本の祭りにもあったということを見直そうとする展示てんじが、国学院大学博物館こくがくいんだいがくはくぶつかん(東京都渋谷区しぶやく)で12月10日まで行われています。

    桃太郎や生き物 楽しんで地域結束

    • 江戸時代の資料で仮装の例を説明する大東さん
      江戸時代の資料で仮装の例を説明する大東さん

     特集とくしゅう展示「祭礼さいれいと仮装(コスプレ)」では、現代げんだいのコスプレと比較ひかくしながら、伝統でんとう的な仮装について知ることができます。はじめに、同大学研究開発推進機構准教授けんきゅうかいはつすいしんきこうじゅんきょうじゅ大東敬明だいとうたかあきさんが、今年のハロウィーンでの渋谷駅周辺しゅうへんの様子を写真で見せてくれました。

     ハロウィーンの時期、人々ひとびとはアニメなどのキャラクターをモチーフにした既製きせい品を量販りょうはん店などで買い、身に着ける傾向けいこうがあると言います。しかし、大東さんの目にとまったのは、北朝鮮きたちょうせんのミサイルなどを題材だいざいにした手作りのコスプレ。「人が何に関心かんしんを持っているかが出ていて興味きょうみ深い」と、時代が反映はんえいされた仮装について大東さんは話します。

     では、昔の仮装にはどういう特徴とくちょうがあるのでしょうか――。今の日本のハロウィーンが個人こじんや数人の仲間単位なかまたんい参加さんかする傾向が強いのに対し、昔の祭礼の仮装は地域ちいきが中心となって行われるものでした。

    • 「神田御祭礼附祭番附」(天保8年)にはサンゴやタコの仮装も(国学院大学図書館所蔵)
      「神田御祭礼附祭番附」(天保8年)にはサンゴやタコの仮装も(国学院大学図書館所蔵)

     展示された江戸えど時代の絵巻えまきでは、羽織はおりを着せたサルをれた「猿牽さるひき」や、人々が様々さまざまなお面をかぶって練り歩いている様子を見ることができます。また、義経千本桜よしつねせんぼんざくら桃太郎ももたろうなど、当時流行していた話などにそって仮装をすることもよく行われていたそうです。サンゴやキツネ、タコなどの生き物の仮装をする人などもいたようです。今とくらべても、変わらないようなにぎやかさで、何よりとても楽しそう。

     でも、「にぎやかにするには理由りゆうがあった」と、大東さんは言います。子どもから大人まではば広い世代の人が祭りに参加し、「地域の結束けっそく力を強めることがねらい」だったそう。伝統的な祭りには、あつ信仰しんこう心にささえられた、厳格げんかくなものというイメージがありますが、楽しみながら結束を強めるものという面もあったようです。

    • 単眼鏡を使って絵巻をじっくり鑑賞
      単眼鏡を使って絵巻をじっくり鑑賞

     祭りの様子がパネル写真で展示してある神奈川県鎌倉市かながわけんかまくらしにある御霊ごりょう神社の面掛めんかけ行列は、古くから受けがれてきた伝統的な仮装をしてまちを練り歩きます。このように、現在げんざいにもつづく祭りは少なくありません。「祭りはにぎやかにして、楽しいだけでなく、連帯れんたい感を生み出すことが出来るため、今日までのこってきたのです」と大東さんは言います。

     仮装が取り上げる題材だいざいちがいはあっても、祭りを楽しむために人々が工夫をらしたり、楽しむ様子は、今も昔も変わらないのだと感じました。

    (高1・中村宏香なかむらひろか、中2・杉本乃瑛すぎもとのえ、中1・田中優衣たなかゆい記者)

    2017年12月04日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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