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    怒りと付き合う技術

    専門家に聞く

     いかりにまかせた「あおり運転」で死亡事故しぼうじこが起きるなど、感情かんじょうおさえられないことで起きるトラブルが目につきます。日本アンガーマネジメント協会きょうかい代表理事の安藤俊介あんどうしゅんすけさん(45)に、怒りの感情と上手にき合うための技術ぎじゅつを教えてもらいました。

    カッとしたら6秒待つ

    • 安藤さんからアンガーマネジメントについて学ぶ
      安藤さんからアンガーマネジメントについて学ぶ

     アンガーマネジメントは、1970年代に米国で開発された心理トレーニング。米国では犯罪者はんざいしゃに対する教育のほか、教育現場げんばやスポーツ選手せんしゅのメンタルトレーニング、企業研修きぎょうけんしゅうなど様々さまざまなところで活用されているそうです。

     安藤さんは、アンガーマネジメントは「『おこらない』のではなく、本当に怒るべきことと怒らなくてもよいこととの線引きをして、感情を上手につたえるためのもの」と話します。具体的ぐたいてきには、「衝動しょうどう」「思考」「行動」の三つをコントロールしていきます。

     衝動のコントロールは、カッとなったりイライラしたりしたとき、反射的はんしゃてきに怒りをぶつけるのではなく、「6秒待つ」のがコツ。大体の人は6秒待つことで理性的りせいてきになれるといいます。待つためには、頭の中に10段階だんかいの温度計を思いかべます。自分の怒りは0から10のどのレベルかと考えることで6秒待つことができ、同時に、「自分の怒りを客観的きゃっかんてきに見つめることができます」と安藤さんは言います。

    • こうある「べき」と考える境界を、「自分と同じ」(=許せる)を示す青を中心に、目に見える形で知ることができる三重丸
      こうある「べき」と考える境界を、「自分と同じ」(=許せる)を示す青を中心に、目に見える形で知ることができる三重丸

     思考のコントロールでは、人がどんなときに怒るのかに注目します。安藤さんによると、それは「こうある『べき』と自分が考えていることが裏切うらぎられたとき」。そこで、今度は頭の中に赤・黄・青の三重丸を思い浮かべます。真ん中の青は「ゆるせる」、次の黄色は「自分の『べき』とは少しちがうけれどまあ許せる」、一番外側そとがわの赤は「許せない」です。怒りがわいたとき、その都度この丸を思い浮かべることで、怒る必要ひつようがあることとないことの線引きができるようになります。

    NGワード

     さらに、行動のコントロールでは、具体的なNGワードを教えてもらいました。〈1〉「“ちゃんと”聞け」「“しっかり”やって」などの、程度ていどを表すあいまいな言葉〈2〉「“絶対ぜったいに”おかしい」といった強い表現〈3〉「“前から”言っているけど」などと過去かこを引き合いに出す言葉〈4〉「何で~なの」と相手をめるような言い方――はダメ。自分がどういう気持ちなのか、そして、本当は相手に「何をしてほしいのか」を、具体的に伝えるのがポイントだそうです。

     では、怒っている人に対しては、どうえばいいでしょうか。安藤さんによると、米国では以前から路上などで怒りにまかせて発砲はっぽうする銃犯罪じゅうはんざいが社会問題となっており、その対処法たいしょほうとして、「その場からはなれる」ことがすすめられていると言います。自分を守るためには、怒っている人から離れ、距離きょりくことも大切なのです。

     以前は自分自身も「怒りっぽかった」という安藤さんは、アンガーマネジメントが「練習すればだれでもできる技術」であるところに引かれたと言います。怒りの感情で衝動的な行動をとってしまうことは誰にでもあります。「誰でもできる」という言葉に、友人や家族にも教えたいと思いました。

    (高2・伊藤瑞穂いとうみずほ、高1・井上いのうえみつき、中3・福満愛可ふくみつあいか、中1・津田凜太郎つだりんたろう記者、撮影さつえい飯島啓太いいじまけいた

    2017年12月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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