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    忍者の実像 意外に地味

     忍者にんじゃと聞いて何を想像そうぞうしますか。手裏剣しゅりけんを投げ、様々さまざま忍術にんじゅつ駆使くしし、素早すばやい動きでてきをやっつける――。イメージ通りなのか、ちがうのか。「忍者学」の第一人者・三重みえ大学人文学部教授きょうじゅの山田雄司ゆうじさんに取材しゅざいしました。

    手裏剣ほとんど使わず/主に情報収集活動

    • 様々な道具を指し示しながら、忍者の「実像」について語る山田さん
      様々な道具を指し示しながら、忍者の「実像」について語る山田さん

     「実は……、忍者は手裏剣をほとんど使いません」。山田さんの一言に軽い衝撃しょうげきを受けました。「おどろいたでしょ」。にやりとわらった後、山田さんはつづけます。「忍者については、間違まちがった情報じょうほう映画えいが漫画まんがなどを通して、史実しじつのように受け止められていることが多いんです」。ほかにも、忍者は黒い服という印象いんしょうが強いですが、実際じっさいこんや茶色のものが多く、黒は暗闇くらやみでは目立つため使われなかったそうです。

     では、忍者の真の姿すがたとはどんなものだったのでしょうか。

     忍者がもっとも活躍かつやくした戦国時代せんごくじだい、忍者の役割やくわり敵側てきがわの情報を集めることでした。忍者が敵の戦略せんりゃくなどにかんする情報を取ってくることで、優位ゆういたたかいを展開てんかいすることができたのです。そのため、普段ふだんは商人やそう変装へんそうして生活し、地道に情報を集めていました。女性じょせいの忍者は、男性が入りめない調理場などで、情報を集めることもありました。

    • ほとんど使われなかったとはいえ、手裏剣も「もちろんありました」
      ほとんど使われなかったとはいえ、手裏剣も「もちろんありました」

     また、江戸えど時代のような平和な時代になると、忍者の役割も変化へんかし、しろ警備員けいびいんのような役目をしていた者もいたそうです。忍者の実態じったいは意外に地味だったのか……との思いがよぎりますが、いわゆる“忍者”らしさもありました。へいを乗りこえたり、相手をしばったりするため、忍者独自どくじの様々な道具を使いこなしていた、という面もあるそうです。

     「では今、忍者を学ぶことの意味は」との質問しつもんに、山田さんは「生きる上で大切なことを教えてくれるから」と言います。それは、忍者の「忍」という字にもあらわれているといいます。

     「忍」とは、「我慢がまんする」こと。忍術書には、塀が高くてのぼれないのならあなれ、木の塀をこえられないのなら(くさらせるために)毎日塩水しおみずをかけろと書いてあるそう。簡単かんたんに塀をこえるイメージがある忍者ですが、実際はコツコツと我慢強く活動していました。

     また、忍者はコミュニケーションにけていました。そうでないと、重要じゅうような情報を聞き出せないからです。山田さんは、忍者を学ぶことが「現代人げんだいじんの中でねむってしまった能力のうりょくを取りもどすことにつながるのでは」と話します。

     忍者は、「超人ちょうじん」ではないけれど運動能力が高く、臨機応変りんきおうへん最善さいぜん判断はんだんができ、どんな状況じょうきょうでも生きていける力が身についた人たちの集団しゅうだんなのだ、と思いました。私たちも、そんな「生きるすべ」を身につけたいです。

    (高2・青柳孝信あおやぎたかのぶ、高1・益子百花ますこももか、中3・斉田歩さいたあゆむ山口万由子やまぐちまゆこ、中2・西山寿奈にしやまじゅな、中1・柳田峰雄やなぎだねお記者)

    2018年02月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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