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    ジュニア記者が、様々なニュースを取材して記事を掲載します。

    くらやみで写真づくり

    • 暗室でのプリント作業。撮影、現像し、焼き付けた画像が浮かび上がってきて感激
      暗室でのプリント作業。撮影、現像し、焼き付けた画像が浮かび上がってきて感激

     デジタルカメラが普及ふきゅうし、フィルムカメラはあまり使われなくなっています。そんな中、国内でもめずらしいレンタル暗室「THE DARKROOM(ザ・ダークルーム)」(横浜市中区よこはましなかく)で、モノクロフィルムの現像げんぞうとプリントを体験して写真の奥深おくぶかさにれてきました。

     このレンタル暗室は、NPO法人「ザ・ダークルーム・インターナショナル」が運営うんえいしています。始めたのは、写真家の斎藤久夫さいとうひさおさん(50)。同法人理事長どうほうじんりじちょうつとめています。

     1990年代、写真専門せんもん学校に通っていた斎藤さんは、個人こじんで暗室を作り、現像えきなどを準備じゅんびする大変たいへんさを感じていました。米国には薬液が用意されていて、撮影みフィルムを持ちめば手軽に現像やプリントができるレンタル暗室があると聞き、渡米とべいしました。

     米国で、電話ボックスのような個室型こしつがたと、数人が一緒いっしょ作業さぎょうする大部屋型の両方の暗室を見て歩いた斎藤さん。写真を通じ「様々さまざまな年代の人同士どうしが交流できる空間にひかれ」、帰国後の1999年、大部屋型のレンタル暗室を開きました。

    • 斎藤さんの指導で、現像タンクを振って混ぜる練習をするジュニア記者
      斎藤さんの指導で、現像タンクを振って混ぜる練習をするジュニア記者

     私たちは、事前にレンズきのモノクロフィルムを使って身の回りのものを撮影し、この暗室で現像とプリントを教わりました。

     フィルムは光が当たると真っ黒になってしまうため、現像は真っ暗な暗室で行います。手探てさぐりでリールにフィルムをき付け、タンク容器ようきの中に入れてふたをめたら、明かりをつけても大丈夫だいじょうぶ。その後、現像液、停止ていし液、定着ていちゃく液を順番じゅんばんにタンク容器に入れて、その都度つど一定の時間ってぜます。薬液を水で流し、乾燥かんそうすればネガのできあがりです。

     次は、プリントです。感光紙が反応はんのうしない赤い波長はちょうの明かりをつけた暗室で、ネガに光を当てて画像を拡大して感光紙にき付ける機械きかいにネガをセット。まずは、光を当てる時間を何度かえて、一番きれいに焼き付けられる時間を見極みきわめます。

     その後、いよいよ本番。何枚なんまいかプリントしてれたら、目立たせたいところに光を当てる時間を変えてみるなど工夫くふうすると、個性こせいのある写真がプリントできました。簡単かんたんに撮影できて、その場で画像がぞう確認かくにんできるデジカメもいいですが、じっくり時間をかけてできるフィルムの写真は、作業が大変な分、一枚一枚に愛着あいちゃくがわきました。

     横浜は、幕末ばくまつ商業しょうぎょう写真家として活躍かつやくした下岡蓮杖しもおかれんじょうが写真館を開くなど、日本の写真発祥はっしょうの地の一つと言われています。斎藤さんは、そんな横浜で「写真技術ぎじゅつのこしていかなくては」と、小学生けのワークショップなどを通じて写真文化を広める活動にも取り組んでいます。「ピンぼけやぶれは、写真ならではの表現ひょうげん。デジタルではあじわえない感覚を味わって」と斎藤さん。レンタル暗室店長の神谷龍樹かみやたつきさん(33)も「偶然ぐうぜんを楽しんでほしい」と話していました。

     レンタル暗室では、初心者しょしんしゃにはスタッフが付きって講習こうしゅうもしてくれます(045・261・7654)。

    (高2・西沢桃佳にしざわももか、中2・橋本玄太郎はしもとげんたろう、中1・大森陸おおもりりく水谷卓郎みずたにたくろう記者、撮影さつえい菅野靖かんのやすし

    2018年04月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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