文字サイズ
    いまの10代がこれからの未来を創造するアイディアを競う未来創造コンテスト。

    君の隣の「孤立」 本紙連載「孤絶」記者の出前授業から

     中高生未来創造コンテスト開催にあたり、編集室では各地の中学・高校で、本紙連載「孤絶 家族内事件」の担当記者による出前授業を開催してきました。同世代は「孤立」問題をどう捉えたのか。授業で出た意見を紹介します。

    仕事一筋の男性 定年後は――桜蔭中・高(東京)

     東京都文京区の桜蔭中学・高校で行われた出前授業には社会科部、ボランティア部、新聞部と中3の生徒有志計32人が参加した。

     授業では「孤絶」取材班の読売新聞東京本社社会部の小田克朗記者が講師となり、社会からの「孤立」が原因で起こった介護殺人、虐待事件の現状などについて解説。その後、生徒たちは4班に分かれ、グループディスカッションを行った。

     まず生徒たちが議論したのは、「身近にいる孤立する人」について。

     遠く離れて暮らす独り暮らしの親戚、近所の公園でいつも独りぼっちでいるおじいさん、学校でも家でも孤独を感じている子ども……。参加者の口からは様々な「孤立」が飛び出し、各グループはそれらの人たちが抱える課題を解決する方法を具体的に考えた。

     男性高齢者の孤立について議論したのは社会科部のメンバーたち。仕事一筋の生活を送り続けた人は地域との結びつきが薄くなりがちとの考えから、企業が、定年を間もなく迎える社員を地域活動に積極的に参加させるべきだと提案した。

     高2の生徒は、自身が住むマンションのサラリーマンの将来を想像して考えたといい、「自分の身近にあることをもとに、日本全体が抱える問題の解決策を考えることは、とても刺激的だった」と話した。

    認知症介護家族 笑顔のために――郁文館・郁文館グローバル高(東京)

     郁文館高校と郁文館グローバル高校(いずれも東京都文京区)の合同で行われた出前授業には、社会福祉や少子高齢化について学ぶゼミを選択する生徒など25人が参加した。

     グループディスカッションで、「認知症の家族がいる家庭のための付き添いサービス」というアイデアを提案したのは、グローバル高校1年の女子生徒らのグループ。認知症の家族を抱える人が「家族で出かけるにも付きっきりでなければならず、当たり前にできたことができなくなったのがつらい」と話していたことを思いだし、「旅行でも買い物でも、もう1人、付き添ってサポートしてくれる人がいれば、気軽に外出することができるのでは」(女子生徒)と考えた。

     郁文館高校2年の男子生徒らのグループは、遠く離れて暮らす家族との“心の距離”を縮めるための方策について話し合った。思いついたのが、家族の撮影した写真が自動的にアップされるフォトフレーム。デジタル機器に詳しくないお年寄りでも、これなら家族の存在を身近に感じることができる、というわけだ。

     男子生徒は「高齢者の孤立問題について真剣に考える貴重な機会になった」と語った。

    老老介護 いつか僕も?――同志社中(京都)

     京都市の同志社中学では3年生2クラスの社会の授業で出前授業を行った。同志社中では小田記者による約40分間の講義をビデオで撮影し、日程の都合で受講できなかった3年生の他の6クラスでも映像を通して孤立問題について考えてくれた。

     生徒会長は、日本の15歳が欧州各国の同世代と比べ、孤独感を感じている割合が多い、とのデータに驚いた。生徒会長は、「世の中だけではなく、学校内でも輪の中に入るのが苦手な子もいる。学校としても、こうした現状をどうしたら変えられるのかを考えることも必要だと思った」と話した。

     老老介護の問題の深刻さに気付いたという男子生徒は「自分たちの祖父母世代だけでなく、将来は親や僕らの世代にも降りかかってくる問題だとわかり、自分たちで解決策を考えなければ」と感想を語った。

    話し合ってみよう

    【1】身近な例を思い浮かべる

     自分の知り合いや自分が暮らす地域に「孤立」に悩む人はいないか思い浮かべ、どんな人の問題を解決するか決めよう。

     (例)子どもと離れて暮らしている妻を介護中の男性高齢者 など

    【2】孤立した人が抱えている問題は何か考える

     その人が抱えている悩みや問題は何か? その人たちの生活パターンや気持ち、置かれている状況を具体的に想像し、どのような悩みや問題を解決するか決めよう。

     (例)子どもは仕事が忙しく、めったに会いに来てくれない

    【3】アイデアを具体的に考える

     【2】で決めた悩みや問題を解決するためのアイデアを具体的に考えよう。

    ◆中高生未来創造コンテストの開催概要はこちら

    2017年10月13日 12時09分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP
    中高生新聞「練習手帳」に挑戦!