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    中高生の部活にまつわる青春ストーリーをお届けします。

    海に焦がれて(1)

    日南学園高 サーフィン部

    待つ。挑む。男女7人波物語。

     コバルトブルーの海と青い空をバックにほほ笑む一人のイケメンサーファー。昨年9月、宮崎県の日南学園高校が制作した生徒募集ポスターは、見る人のド肝を抜いた。

     日南学園と言えば、プロ野球選手を数多く輩出してきた甲子園常連校。なのに、なぜ野球じゃなくサーフィン? なぜ高校のPRでサーフィン? 疑問に思う人も多いだろう。

     答えは簡単。日南学園には存在するのだ。国内外で活躍するプロが3人もいる“世界標準”のサーフィン部が。

    店が「部室」

     キーンコーンカーンコーン。

     11月上旬の午後3時半。放課後を告げるチャイムが鳴ると、真っ黒に日焼けした男女7人が駐輪場に続々と集まった。

     「海行こう」

     異口同音。白い歯がきらりと輝く。

     市中心部にある学校から海までは、自転車を飛ばすこと20分。

     部員の拠点は、海沿いのサーフショップだ。日南で初めてサーフィンをしたという伝説のサーファー・川畑龍一(64)が経営するショップは、部員がサーフボードとウェットスーツを置く“部室”でもある。

     「うわっ、さみー」

     タオルを腰に巻いた部長の隼人が叫んだ。日南の11月にしては珍しく、この日の最高気温は10度ちょい。いつもは12月後半までは半袖長ズボンのウェット・シーガルでいけるけど、この日はみんな長袖長ズボンのフルスーツを選んだ。

     海では台風23号が残したうねりが続く。昨日は北東風が強すぎて入れなかったが、今日はそんなに波の状態は悪くない。7人は天気図や前日までの波と風を参考に、崖が北東風を防いでくれる「ショウジュエンポイント」に狙いを定めた。

    そろい踏み

     「みんなそろって入るの、超久しぶりじゃね」と広貴が笑い、波打ち際までダッシュする。

     部員はそれぞれのレベルに応じ、国内外の大会に遠征しているから、7人そろうことはめったにない。プロの広貴なんて、7月から10月まで海外を転戦していて、ほとんど見かけなかった。

     約100メートル離れた沖合までパドリングで進む。豪快な波音が響く海岸と違って、ここまで来ると海は驚くほど静かだ。

     9月にプロテストに合格した舞の前にぐわりと波が立つ。

     「ゴーゴーゴー!」

     周囲のあおる声に合わせ、舞がテイクオフ。波の下から駆け上がって空中に飛び出すエアリアル、トンネル状になった波の中を進むチューブライディング……。大技を次々と繰り出す姿に歓声が上がった。

     

     兄弟サーファーの俊平と裕次郎。特進クラスで部活と勉強の両立に励む祐太。宮崎市内から片道1時間かけて通学する舞。地元を離れ、川畑のロッジで下宿生活を送る隼人と広貴と壱哉。7人が日南学園を選んだのは、レジェンド・川畑が監督を務めるこのサーフィン部があるからだ。

     「サーフィンラブ! とにかく波に乗りたい!」

     海の魅力にとりつかれた彼らの口癖はシンプルだ。

     (高校生の登場人物はすべて仮名です。敬称略)

    2017年01月18日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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