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    中高生の部活にまつわる青春ストーリーをお届けします。

    驚きが隠し味(2)

    鎌ヶ谷高(千葉県) 料理研究部

    こんな話です

     「すごくおいしい」けど、「普通」じゃない。そんな究極の味を求め、日々レシピの開発に精を出す鎌ヶ谷高校・料理研究部。一年で最大のイベントは、半年以上かけて準備する文化祭の1日レストランだ。

    ▽過去の連載

     驚きが隠し味(1)

    文化祭 負けられない戦い

     料理研究部にとって、最大のイベントは文化祭で開く1日限りのレストランだ。前菜からデザートまでのセットで料金は500円。毎年、行列ができるほどの盛況ぶりで文化祭の名物にもなっている。

     120食を出した昨秋の文化祭も盛り上がった。肉VS魚――。お客さんが選ぶメインディッシュでガチンコバトルが繰り広げられたからだ。

     要はどちらが早く売れるか、ということなのだけど、肉チームも魚チームもこの日のために半年がかりで作ったレシピ。まさに、“絶対に負けられない”何とやらだったのだ。

     というわけで、ここからはチーム「コロッケ」とチーム「タラのムニエル」の当日の奮闘をサッカーの中継風に。

    「肉」VS「魚」

     ピィーィィィィ!! さぁ、料研のホーム・調理実習室で高らかに鳴ったホイッスル。両チーム、隣の被服室で待つお客さんを目指し、調理を始めました。

     まず仕掛けたのが、カノちゃん率いるチームコロッケ。いきなり大量のジャガイモを蒸していきます。ずらりと並ぶ蒸し器、迫力ありますねぇ。解説の松本さん。

     『思いが伝わってくるね。今日はきっとやってくれますよ』

     ジャガイモを電子レンジで加熱しすぎて爆発させた「レンジの悲劇」からは完全に立ち直ったようですね。

     『隕石(いんせき)が落ちたって、大騒ぎになったんでしょ? レッドカード3枚ぐらい必要な事件だったけどね』

     一方のユウたちチームタラのムニエル。国民的人気食コロッケに対し、戦前はやや分が悪いかと言われていましたが、いきなり「ドンドンドン」と大きな音を響かせています。何かを棒でつぶしているようです。

     これは千葉県の名産品「ピーナツ」!! ムニエルにどのように使ってくるのでしょうか。

     『重要な場面ですね。今は黙って見ましょう』

    互角の争い

     さて、今度はチームコロッケ。先ほどゆでたジャガイモをマッシャーでつぶしています。バターとベーコンも入れ、ジャーマンポテト風でいくようです。

     『そう。プレス、プレス。いいですよ。この調子だ』

     おっと、チームムニエルは早くもゴールに迫ります。タラに卵白を塗って、先ほどのピーナツをまぶし、フライパンにイン。香ばしい匂いが広がった!

     『ピーナツ、香る。PK!! PK!! PKだよ、これは』

     ……。コロッケ方面からもいい匂いがしてきましたよ。まん丸なコロッケがキレイにキツネ色に揚がっています。仕上げにかけるのはパプリカで作った真っ赤なソース。目が覚めるような鮮やかなゴールです!! 

     そして、チームムニエルは最後のカードを切ってきました。緑色のブロッコリーソース。生クリーム入りの優しい味で、こちらは技ありのフィニッシュ!! と、ここで調理終了です。

     赤のコロッケに緑のムニエル――。解説の松本さん、振り返っていかがでしたか?

     『魂と魂のぶつかり合いっていうのかな、もう、両方優勝でいいんじゃないかな』

     な~んて、お客さんが思ったかどうかは不明だけど、コロッケとムニエルの戦いは最後まで互角。60食対60食。両方ともあっという間に売り切れたのだった。(高校生の登場人物はすべて仮名です)

    2018年05月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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