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    中高生(中学生、高校生)に読んでもらいたい本を決める文学賞の情報を発信します。

    君に贈る本大賞…国語教師編

     全国の中学・高校の先生の投票で選ぶ「君に贈る本(キミ本)大賞」。今回は「国語」を担当する先生が選んだ作品を発表します。

     総合ランキングでも1位の「こころ」をはじめ、「塩狩峠」「沈黙」「野菊の墓」「山月記」など日本文学史に残る作品がランクインしました。先生たちのメッセージは、名作への扉を開いてくれます。

     ※学校名はアンケート回答時の勤務校

    塩狩峠 三浦綾子

    【先生から】青春の戸惑いに光くれた

     「高校の時、図書室の先生に薦められた本。信仰と愛に貫かれた内容で『命とは?』『愛とは?』など様々なことを考えさせられた」(茨城県立下妻第一高校 湯本康二先生 48歳)

     「自己犠牲について考えさせられる作品。あとがきまで読むことを勧める。きっと強い衝撃を受けるはず」(日本大学三島高校 久郷哲明先生)

     「高校1年生の頃、実話を基にしたこの本を読み、人の心の優しさや本当の強さを感じ、青春のいろいろな戸惑いの日々に光をくれた気がした」(神奈川県横浜市立南瀬谷中学 佐塚保恵先生)

     「信夫という青年の生涯から、生きる本当の意味を考えてほしい」(千葉市立緑町中学 女性 48歳)

    【ストーリー】

     北海道の塩狩峠で汽車の連結器が故障。逆走した客車を止めるため、車内にいた鉄道職員が、線路に身を投げて乗客を救う……。1909年の実話をモデルにした作品。生きることの意味を問いかける。

    きみの友だち 重松清

    【先生から】思い出す「友だちって」

     「SNSなどで友人さがしに躍起になっている今の中学生に問いたい一冊。『あなたにとって友だちとはどんな存在ですか?』」(群馬県高崎市立第一中学 鈴木健司先生)

     「小中学生の頃を思い出して、ほほ笑んでしまう場面も。子供たちがおりなす人間模様は、忘れかけていた『友だちとは何か?』を思い出させてくれる」(日本大学三島高校 浅沼収平先生 27歳)

    【ストーリー】

     足の不自由な恵美ちゃんや、病気がちの由香ちゃん、恵美ちゃんの弟で人気者のブンちゃん……。それぞれが不安や悩みを抱えながら、「友だち」の意味を考えながら成長していく連作長編。


    君たちはどう生きるか 吉野源三郎

    【先生から】一緒に悩んで道探し

     「人間のすばらしさ、社会の心理に迫る。『この本は私の人生のバイブル』と言った子どももいる」(かえつ有明高校 中村純子先生 53歳)

     「コペル君とともに悩みながら、進むべき道を見つけてほしい」(茨城県立竹園高校 女性 52歳)

    【ストーリー】

     中学2年のコペル君には何でも相談できる叔父さんがいる。友だちとどう付き合うかなど、生活の色々な場面で生き方を問われるコペル君。叔父さんは科学的なモノの見方をしっかり教えてくれるのだ。


    ランキングから

    「野菊の墓」伊藤左千夫

     「今の中高生には物足りない恋愛話かもしれない。でも、中高生だからこそ、この小説に感動できるのだ」(日本大学三島高校 小川高明先生)

    「山月記」中島敦

     「高校時代、多くの教員が薦めていたので、論破するつもりで読み、衝撃を受けた。臆病(おくびょう)な自尊心と尊大な羞恥心(しゅうちしん)は10代の自分には(いまし)めとして、大人になった今では懐かしい傷痕(きずあと)として心の内に収めている」(桐蔭学園中等教育学校 西口安紀先生 40歳)


    2015年06月04日 08時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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