取材現場に密着

10代の「知りたい」、答えを求めて現場へ

 読売中高生新聞の記事を書いているのは「読売中高生新聞編集室」の記者たち。これまで事件・事故や話題ものを取材してきた東京本社社会部の精鋭が集まって編集室が結成された。読者は中高生。どうすれば10代の心に届く記事が書けるのか。記者たちは自問自答しながら日夜取材を続けている。その答えを求め、現場で奮闘する姿を追った。


写真部員と打ち合わせをする川床記者(右)

女の子がドキドキする記事を 川床弥生記者@SHIBUYA109
 10月22日、明け方から降り続く雨の中、東京・渋谷のSHIBUYA109ビルに川床弥生記者が現れた。開店前なのにビルの入り口前には制服を着た高校生ぐらいの年代の男女が並んでいる。修学旅行で地方から東京にやってきた高校生のようだ。
広報担当の案内で売り場へ。目指すは中高生に大人気のブランド「セシルマクビー」だ。「女の子ならだれでも一度はあこがれるブランドで、私も服を持っていました」と語る川床記者は、ちょっと前まで警視庁担当のバリバリの事件記者だった。この日はスカートで登場。写真部員とさっと打ち合わせをしてさっそく取材を開始した。


写真部員と打ち合わせをする川床記者(右)

 川床記者が担当するのは、月1回のペースで掲載される「まるごとSHIBUYA109」のコーナー。今回は秋冬向けのコーデを提案する記事を書くのが目的だ。店員はみんな手足がすらりとしていてスタイル抜群なのは、やっぱり渋谷の店だからか。店員たちがおすすめの服を着て次々とカメラの前でポーズをとる。川床記者はそれぞれのコーデの特徴をメモしたり、写真を撮ったりするのに忙しい。

 今回のポイントは、カチッとしているけどリラックスできる「リラックス・マニッシュ」と、女性らしさにあふれた「リッチ・フェミニン」。中高生だけでなく大人の女性が着ても十分栄えそうだ。「私が買ったころと比べてちょっと雰囲気が変わりましたね」と川床記者。以前と比べて大人の年代にもアピールする商品を多くそろえているようだ。開店からしばらくすると、店内には女子高生の姿もちらほら。彼女たちにも手が届かない値段ではないようで、大きな袋を抱えて店を出ていく。

 続いて川床記者は、売り上げ成績抜群の人気店員から話を聞く。店内の商品について説明を受けているうちに、さりげなく「この服似合いますよ」と持ちかけられた。「いやもう私は……」と答えたものの、「そんなことないですよ」と勧められ、結局「じゃあ今度プライベートで」ということに。この店員、やっぱりスゴ腕だった。

 創刊準備号に「109厳選3ショップ」の記事をの記事を載せたところ、全国各地から大きな反響が寄せられている。SHIBUYA109の影響力を改めて感じた川床記者は「女の子がかわいいと思ったり、ドキドキしたりする紙面を作りたい」と思いながら、記事を書いている。


ポイントをすばやくメモ


人気店員に話を聞く


右手に大きな荷物を持った永瀬記者(右)

ムキムキ男子への道、映像でも紹介 永瀬章人記者@東京大学駒場キャンパス
 10月24日、何やら大きな荷物を抱えた永瀬章人記者が東京大学駒場キャンパスに到着した。研究室をノックすると、東大大学院総合文化研究科の石井直方教授が、にこやかな表情で迎えてくれた。今回は中高生新聞のファッション面に毎月1回掲載される「キンカツ」の取材だ。


右手に大きな荷物を持った永瀬記者(右)

 石井教授はベンチプレス200キロを挙げると聞いて取材陣はのけぞる。それもそのはず、1981年と83年の日本ボディビル選手権(ミスター日本)優勝という輝かしい経歴の持ち主だ。「キンカツ」は石井教授を監修者に、高校生が自分でできる効果的な筋肉の鍛え方を指南する。


石井教授(左)に取材

 「服を格好よく着るにはやっぱり筋肉だと思うんです。渋谷に行って若い人たちを観察したら、姿勢が悪く見える人が多かった。それでこの企画を思いつきました」と永瀬記者。最初の4回は上半身を鍛える。4か月続ければ、Tシャツを格好よく着こなすことができるかも。そして、そのころには周囲から「あれ、最近変わったんじゃない?」と言われ、来年夏には水着もバッチリのムキムキ男子に……なるかな?

 そんな夢を見る中高生を導いてくれるのが舟橋位於さん。カメラの前で実演を行った舟橋さんは、東大大学院生でボディービルダーでもある。ここで、永瀬記者の大きな荷物の正体が明らかになった。中身はくるくるっと巻かれた壁紙。「Yteen.TV」と「読売中高生新聞」のロゴが描かれており、この壁紙を背景に動画の撮影が行われた。そう、この企画は紙面だけでなく動画「キンカツTV」でも視聴できるようになるのだ。

「さあ思い切り笑って」。演技指導をする永瀬記者は記者と映像ディレクターの一人二役で大忙し。舟橋さんもニカッと満面の笑みでこたえている。「難しい理屈をこねるのではなく、これは将来使える情報だよというふうに中高生に寄り添った記事を書きたい」と考える永瀬記者は、現場でいろいろなことがひらめく。

「動画は毎回同じ決めのポーズ、決めのセリフで終わることにしよう」。どんなポーズ、どんなセリフかは見てのお楽しみ。中高生新聞は記事だけでなく動画も要チェックだ。


中高生新聞とYteen.TVのロゴが描かれた壁紙の前で動画撮影。永瀬記者は熱心に演技指導




読売新聞東京本社スタジオで行われた撮影


ヘアメイク担当・田村真弓さんが手早く作業するのを見守る川床記者。次のポーズを考える永瀬記者

かわいいモデルにトキメキ! 川床記者&永瀬記者@読売新聞東京本社
 10月28日、東京・大手町の読売新聞東京本社内のスタジオでモデルを使った撮影が行われた。モデルは現役高校1年生の初寧(はな)さん。スタジオに到着した時は学校の制服を着ていたが、メイクをして髪を整えるとモデルの顔に。周囲のスタッフから「かわいい」と声があがる。

 スタイリストは両手で抱えきれないほどの服、靴、バッグや帽子、アクセサリーを持ってきた。川床記者はスタイリストと相談しながら、どの服を撮影するか決めていく。今年はチェックの柄が注目されているらしい。


読売新聞東京本社スタジオで行われた撮影


ヘアメイク担当・田村真弓さんが手早く作業するのを見守る川床記者。次のポーズを考える永瀬記者

 秋らしい落ち着いた色の服、ちょっとかわいらしい感じの服。モデルが着替えるたびに雰囲気が大きく変わる。永瀬記者はここでも名ディレクターぶりを発揮した。「マリリン・モンローみたいに」「今度はマイケル・ジャクソン」とモデルにポーズの要求を次々と出す。「彼氏の男友達に紹介される時の顔で」といった時には「あっわかる」と言ってもらったが、バッグを右手にジャケットを左肩に羽織らせようとして、「寅さんのように」と指示を出したら「わかりませーん」。昭和が出てしまったのは失敗だったが、3時間近くに及んだ撮影は大盛り上がりのうちに終わった。この日撮影した写真は11月14日の紙面を飾る予定だ。
(写真と文/メディア局編集部・田口栄一)

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