タカマツ、オグシオ…実は異色!バドミントンの愛称
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ナショナルチームの愛称の先駆けとされるのが、1972年札幌五輪のジャンプ70メートル級で、日本勢が表彰台を独占した時に命名された「日の丸飛行隊」だ。2004年からはサッカー女子日本代表が「なでしこジャパン」と呼ばれるようになり、「なでしこ」がW杯を制するなど活躍を見せると、日本代表に愛称をつけることがブームになった。
「スマイルジャパン=アイスホッケー女子日本代表」「さくらジャパン=ホッケー女子日本代表」「おりひめジャパン=ハンドボール女子日本代表」「龍神NIPPON=バレーボール全日本男子」…。
ほかにもいっぱいある。競技を想像できない名称もあれば、失礼ながら、名前負けしている競技も少なからずある。
バドミントン界はどうなのだろう。
リオ五輪では、女子ダブルスで金、女子シングルスで銅を獲得した。9月25日に終了した国際大会のヨネックスオープンでは、6日間で2万9030人の動員を記録した。これは前年より4010人も多い。半年ほど前に起きた男子選手の違法賭博騒動を乗り越え、いまや、最も勢いがある競技のひとつといえるだろう。
さて、正解は、愛称なし。
最大の理由は五輪に団体戦がないことだろうが、活躍が目立ったダブルスの選手にニックネームがすでにあったことも、要因のひとつとして考えられる。2008年北京五輪の「オグシオ=小椋久美子、潮田玲子」「スエマエ=末綱聡子、前田美順」、2012年ロンドン五輪の「フジカキ=藤井瑞希、垣岩令佳」、そして、リオ五輪の「タカマツ=高橋礼華、松友美佐紀」。他競技で愛称をつけるのが盛んなころ、バドミントン界は、実力を伴った個々のニックネームをすでに備えていたのだ。
日本バドミントン協会に確認すると、「愛称を作ろうという議論が出てこない。今後もつける予定はない」とのことだった。バドミントン界が「ジャパン」としての団結力がないわけではなく、たとえば、リオ五輪前には代表選手7人をそろえたポスターを作っている。ただ、メインの文言は「バドミントン・ジャパン」で味も素っ気もない。ロンドン五輪の時も同じようなものだったそうで、「今後も基本的には『バドミントン』をそのまま使う方針」だそうだ。姿勢がぶれていない。足が地についている。
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