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    経済

    人気の『ふるさと納税』、自治体間格差最大70億円

    勝ち頭「都城」、負け頭「横浜」…過疎自治体も赤字に

     霜降り肉や地酒などの「返礼品」がもらえることで人気に火がついた寄付制度「ふるさと納税」により、自治体間で年間最大70億円もの「税収格差」が生まれたことが、地方自治ジャーナリスト・葉上太郎氏の調査で明らかになった。国指定の過疎自治体22市町村が「赤字」だったことも判明し、地方活性化という制度の趣旨との整合性が問われかねない実態が浮き彫りになっている。

     2月10日発売の月刊『中央公論』3月号に、全国1741市区町村の収支を算出した「損得勘定全リスト」とともに掲載された。

     調査によると、2015年度の「ふるさと納税」の収支(寄付の受け入れ額と税収の流出額の差)は、525の自治体で「赤字」になっていた。最大の赤字は横浜市で、額は28億798万円。続いて、名古屋市(17億8701万円)、東京都世田谷区(16億2855万円)と大都市が続いた。

     一方、最大の「黒字」は宮崎県都城市で、額は42億758万円の黒字だった。2位は静岡県焼津市(37億9255万円)、3位は山形県天童市(32億1876万円)と、肉や海産物、地酒などの品質が高いことで知られる地域が並んだ。

     過疎自治体で最も赤字が多かったのは北海道函館市の3065万円で、以下、群馬県東吾妻町(185万円)、福岡県川崎町(178万円)だった。

     同誌では、6億6939万円の「赤字」となった東京都杉並区の田中良区長が、「3年も経てば学校1校分の(建設費に相当する)財源が収奪される」と指摘。片山善博・元総務相も、「地方自治の本旨に照らして問題がある」として制度の見直しを訴えた。一方、石破茂・元地方創生担当相は、「東京の持つ潜在力を活用して、疲弊した地方の活力をよみがえらせる起爆剤」と制度の意義を強調した。

     「ふるさと納税」は、納税者が住民税の一定割合を、応援したい自治体に寄付できる制度。寄付先は生まれ育った「ふるさと」である必要はなく、複数の自治体に寄付をしてもいい。自己負担2000円を除いた寄付の全額が、翌年度の住民税などから控除されて手元に戻る。

     15年度の「納税」総額は1653億円で、08年度の制度開始時の20倍以上に達している。16年度は2600億円にのぼるとも予想されている。

    2017年02月10日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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