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    eスポーツ

    アジア大会eスポーツ日本代表が決定~日の丸背負うゲーマーたち

     8月に行われるアジア大会(ジャカルタ)に向けた「eスポーツ」の日本代表選考会が27日、LFS池袋(東京都豊島区)で開かれ、計12人の日本代表メンバーが決定した。eスポーツは、スポーツ感覚でコンピューターゲームの腕前を競う競技。2022年に中国・杭州で開催されるアジア大会の正式競技になることが決まっており、24年のパリ五輪の採用も検討されている。日本でもeスポーツの国内統一団体「日本eスポーツ連合」(JeSU)が発足。選手のプロ化を目指す動きが出るなど、普及に向けた動きが加速している。(メディア局編集部・原啓一郎)

    日本代表の座をかけた最後の戦い

    • スタークラフトの対戦。左がサイアーク選手
      スタークラフトの対戦。左がサイアーク選手

     会場では、サッカーゲーム「ウイニングイレブン2018」(ウイイレ)と、敵の拠点を攻めるゲーム「StarCraft2」(スタークラフト)の対戦が行われた。会場からはインターネットで同時配信されたほか、多くの報道陣が訪れるなど、注目度の高さがうかがえた。

     まずは、スタークラフト。対戦相手の拠点を先に制圧したプレーヤーが勝つゲームだ。攻めるための兵隊やロボットなどを生産しつつ、対戦相手を偵察したり、戦力を生産するための資源を採集するなど、一度に複数の動作を同時に行わなければならない。戦術や計画性はもちろん、情報収集力や判断力なども問われる。

     PSiArc(サイアーク)選手とVaisravana(ヴァイシュラヴァナ)選手が顔を合わせた代表決定戦は、先に3勝した方が勝者となる方式で争われた。第1試合は序盤にサイアーク選手が一気に攻め込み、そのまま勝利。第2試合は一進一退の攻防が続いたが、サイアーク選手がぎりぎり勝ち切ると、第3試合もその勢いは止まらず、3-0で日本代表の座をつかんだ。

    • 目にもとまらぬ指さばきを見せた
      目にもとまらぬ指さばきを見せた

     続くウイイレでは、オンライン予選を勝ち抜いた8人とプロライセンスを保有する12人が前日に行われた選考会で4人に絞られており、会場に登場した。ルールは通常のサッカーと同じだが、試合時間が10分と短い。チームはFCバルセロナやインテルといった実在する10チームから選び、フォーメーションはプレーヤーが自由に設定できる。そのため、通常のサッカーでもよくある「4-3-3」といったものから、「7バック」「GKと1人以外全員攻撃」といった、ありえない戦術も可能だ。

     第1試合はレバ選手(17)とかつぴーや選手(26)の対戦。レバ選手は4人の中で最年少の17歳で、オンライン対戦歴は3年とキャリアは短いが、オンライン予選を勝ち抜き、選考会でも多くのプロ選手を退けるなど、実力は確かだ。キックオフからそのままパスをつなげて先制点を奪うと、前半を終えて3-0と一方的なゲームに。後半は3-2まで追い上げられたが、かつぴーや選手の薄くなった守備の隙をつき追加点を連取。5-2で勝利し、鮮烈な代表デビューとなった。

     第2試合はあると選手(23)とSOFIA(ソフィア)選手(21)の対戦。ソフィア選手は、今年のPESリーグ(ウイイレ公式の世界選手権)でアジア大会4位、ヨーロッパ大会で優勝しているトッププレイヤーだ。試合は1点を争う緊張感のある試合展開となったが、ソフィア選手が前半に1点を先制。その後は堅牢な守備力であると選手を完封。ダメ押しの1点を決め、2-0で勝利した。

    ゲーマーが日の丸を背負う日

    • ウイイレの日本代表となったレバ選手(左)とSOFIA選手(右)
      ウイイレの日本代表となったレバ選手(左)とSOFIA選手(右)

     試合後のセレモニーでは、スタークラフトとウイイレに加え、既に決まっていた「クラッシュ・ロワイヤル」「リーグ・オブ・レジェンド」の2タイトルの日本代表選手計11人が登場。ここに「ハースストーン」を加えた5タイトル12人の選手は、6月10日からの東アジア予選に出場し、アジア大会本戦の出場枠をかけて戦う。日の丸と「JAPAN」の文字が左胸にプリントされたユニホームに袖を通した選手たちは、緊張した面持ちで報道陣に囲まれていた。

     ソフィア選手は「(日本代表として出場するのは)普段の大会と違った緊張感があるので、動揺せずに頑張りたい」と話し、世界を舞台に戦っている選手でも日の丸の重みを感じている様子だ。レバ選手は、「日本代表になった自覚が必要だ。しっかりと結果を残したい」と何度も繰り返しつつも、「17歳の若さでも勝てると大会で見せつけて、笑顔で日本に帰ってくる。予選で戦った選手たちの分も頑張りたい」と意気込んでいた。

    業界も熱視線。eスポーツのこれからは?

    • 会場には多くの報道陣や関係者が訪れた
      会場には多くの報道陣や関係者が訪れた

     今年2月にJeSUが発足して以降、日本でも盛り上がりつつあるeスポーツ。プレーヤーだけではなく、ゲーム業界や企業もeスポーツに熱視線を注いでいる。

     日本のゲーム会社の中で唯一アジア大会の種目になった「ウイニングイレブン」を開発するコナミデジタルエンタテインメントの車田貴之プロモーション企画本部副本部長によると、ウイイレのオンラインプレー人口は国内で約35万、海外を含めると約500万。年々競技性が増していることを受け、1つのチームを3人で操作するモードを追加したり、eスポーツ専用のモードを楽しめるソフトを無料で配信するなど、メーカーとしてeスポーツの盛り上がりを後押ししている。車田さんは「世界的なスポーツの祭典の競技種目に、日本のメーカーから唯一選ばれたことはうれしい。世界中のウイイレ・ファンからお祝いの声をもらった」と声を弾ませる。

     JeSUの浜村弘一副会長は、「アジア大会の競技種目にeスポーツが選ばれたことで、注目される。今まで興味を持たなかった人にも、『ゲームはスポーツなんだ』と思ってもらえるよう、ゲームは格好いいということを(代表選手は)証明してほしい」と語る。

    動画はこちら

    タイトル紹介

    ウイニングイレブン2018

     1995年に発売されたサッカーゲーム「ウイニングイレブン」の最新作。世界累計販売本数は1億本(2018年1月末時点)を超え、世界中でプレーされている。公式の世界選手権「PESリーグ」も開催されている。

    クラッシュ・ロワイヤル

     キャラクターのカードを最大8枚まで使い、3分間の対戦中に、自分のタワーを守りつつ敵のタワーを攻めるゲーム。ドラッグやタップで簡単に操作できるゲームでありながら、カードを出すためのコストの管理や、カードの組み合わせなど、頭脳戦の側面も強い。18年3月に公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」が発足した。

    StarCraft2:Legacy of the Void

     プレイヤーは軍の指揮官となり、対戦相手の拠点の制圧を目指すゲーム。リアルタイムストラテジー(RTS)というジャンルのゲームで、実際に進行する時間に対応しつつ、戦略を立てながら相手と戦う。

    ハースストーン

     全世界で7000万人がプレーするオンラインカードゲーム。プレイヤーは30枚のカードを組み合わせた「デッキ」を作り、その内容を基に戦う。デッキの組み方やカードをプレーする順番はもちろん、判断力や直感、運も試される。

    リーグ・オブ・レジェンド

     マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)と呼ばれる、5人対5人を基本とした対戦型PCゲーム。プレーヤーが操作する「チャンピオン」と呼ばれるキャラクターを操作し、相手の本拠地の制圧を目指す。eスポーツの代名詞として、世界中でプロリーグが行われている。

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    2018年05月30日 16時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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