(4)岡崎慎司(24 清水)…ゴールへ泥臭く
子どもの頃から侍にあこがれてきたという古風な24歳が、日本のエースストライカーだ。順当にワールドカップ(W杯)代表入りした10日の記者会見。気合をにじませた面持ちで、決意を語った。
「3ゴールは取らないと4強入りに届かない」
ニアサイドへのクロスに体ごと飛び込んで決めるダイビングヘッドは、もはや代名詞になった。相手DFラインの裏に抜け出すタイミングも絶妙。決して俊足ではなく、大抵はもつれ合う中でのシュートになるが、それを泥臭く押し込むたくましさがある。
得意の形をひたすら磨き、2008年北京五輪で国際大会デビュー、昨年は岡田ジャパンのレギュラーにまでのし上がった。フル代表通算16得点。日本のW杯出場が決まったアジア最終予選、ウズベキスタンとのアウェー戦でも決勝点を奪った。
エースが課題に直面したのは昨年9月、オランダとの強化試合だ。フル出場し、0―3の完敗。ゴール正面に持ち込みながら、相手DFをかわし損ねてシュートを外した前半の絶好機は、「しばらく夢に出てきた」という。その後も、南アフリカ、韓国、セルビアなど、手ごわい相手との国際試合となると得点がない。
世界レベルのDFは空中戦でスキがなく、背後をとるのも容易ではない。得点パターンを増やす必要を痛感した岡崎は、この半年間、トラップからフェイント、そしてシュートという流れを猛練習している。「自分から仕掛けてゴールを決められるようにならないと」。相手DFと向き合い、巧みなボールさばきからネットを揺らす場面を思い描く。
アジアで通用しても一流の相手にははね返される岡崎の現状は、日本代表の象徴でもある。本大会初戦までの残り1か月で、この男が自分の殻を破れるようなら、チームの希望も大きく膨らむ。(込山駿、5月15日掲載)
(2010年5月28日 読売新聞)
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