スペイン…中盤輝く「無敵艦隊」
「無敵艦隊」の異名のごとく、2007年から快進撃を続けている。翌年には欧州選手権を44年ぶりに制し、世界ランクでも王国ブラジルと首位を争ってきた。
世界クラスの選手がそろう中、とりわけ中盤の輝きが際立つ。多彩なパスを繰り出すシャビやセスク、シャビアロンソに、ドリブル突破で局面を打開できるイニエスタ、シルバらが絡む。その調和は美しく、宝石箱のようなきらめきを放つ。
GKカシリャス、DFプジョル、ビリャとフェルナンドトレスの両FWと、センターに軸があるのも強みだ。けが人が多かったこともあり、様々なシステムや選手を試してきたことで、チームの奥行きも備わった。
ただ、パスをつないで試合を支配するスタイルは、逆襲の餌食にもなりやすい。シャビやイニエスタらが支えるバルセロナは昨季の欧州チャンピオンズリーグで栄冠に輝く一方、今季はインテル・ミラノの堅守速攻に足をすくわれた。07年以降の47試合で唯一の黒星は、1年前のコンフェデレーションズ杯で堅守速攻型の米国に喫したものだ。
大舞台に弱いという歴史もある。W杯の最高成績は1950年の4位。この時は決勝リーグ最下位で、ノックアウト方式では8強の壁すら突破したことがない。
だが、あしき伝統は、欧州選手権優勝で一掃されたとの見方が一般的だ。デルボスケ監督は「欧州選手権と同じ勝負強さをW杯でも発揮したい。魅力的なサッカーができれば、優勝も見えてくるだろう」と語る。
今季終盤に負傷したセスク、フェルナンドトレスらも間に合い、MFナバス、FWペドロら新戦力も台頭。悲願への機は熟したようにみえる。ブラジルでさえ堅守速攻型に変化する中、サッカーの美しさを示しつつ欧州を制した無敵艦隊は、世界の覇権を手に入れられるだろうか。(大塚貴司、6月8日掲載)(おわり)
〈1〉4位(1950年)
〈2〉欧州予選5組10戦全勝で1位
〈3〉6月3日 ○1―0韓国
5月29日 ○3―2サウジアラビア
3月3日 ○2―0フランス
11月18日 ○5―1オーストリア
11月14日 ○2―1アルゼンチン
※〈1〉過去の最高成績〈2〉今大会の予選成績と順位〈3〉直近5試合の成績
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