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    コートジボワール戦、柿谷を切り札に…李国秀

     日本時間の15日午前10時、ブラジルW杯の日本-コートジボワール戦がキックオフされる。

     日本の先発布陣に関し、様々な意見が飛び交っている。しかし私は、サプライズはないと思う。

     GK川島、DFは右から内田、吉田、今野、長友。守備的MFが長谷部と遠藤で、攻撃的MFは右から岡崎、本田、香川。いずれも「ザックジャパン」のレギュラー選手だ。

     故障明けの長谷部、内田より、生きの良い若手の山口、酒井宏を起用すべきだという声がある。しかし、それは違う。長谷部や内田が故障を克服したのであれば、先発の座は彼らに与えるべきだ。W杯本番に向け、必死に調整して来たレギュラー選手のプライドを尊重する――。ザッケローニ監督は、そう考えているだろう。

     前回の南アW杯で、岡田武史監督は、開幕直前になって、GK楢崎、MF中村俊輔らを先発から外した。彼らのプライドは傷ついただろう。私には出来ない采配だ。

     どちらが監督として優れているか一概には言えないが、私やザッケローニ監督とは異なり、岡田前監督が特別な指揮官だったことは確かだ。

     今回のメンバーの中で、ワントップだけは、レギュラーがいない。私だったら、大迫を先発させる。大迫が最も優れているからではない。技術が高く、シュートが巧みな柿谷を、後半途中に投入する切り札として残しておきたいからだ。大迫には、積極的なプレーで、相手守備陣を消耗させてほしい。

     大会前の強化試合とは違い、コンディションを整え集中力も高まるW杯本番は、多くの得点を奪い合う展開にはならないだろう。

     それでも、コートジボワールを相手に日本が90分間を無失点で乗り切るのは難しい。引き分け以上に持ち込むためには、少なくとも1ゴールは必要だ。そのための切り札・柿谷ではあるが、先発メンバーの中では、本田に期待したい。

     本田は、特別な選手だ。育成された選手ではなく、持って生まれた才能がある。創造性があって、何かやってくれそうな気がする。緊迫した展開の中で、相手の意表を突くプレーや豪快なフリーキックで、状況を打開してほしい。

     グループリーグは3試合あり、初戦がすべてではないが、大一番であることは間違いない。選手たちに、良い精神状態で臨んでほしい。私だったら、こう言ってイレブンをピッチに送り出す。

     「4年間、良い準備をしてくれてありがとう。その成果を、私と日本の国民に見せてほしい」

     ザッケローニ監督も、同じような言葉をかけるのではないだろうか。

     (元ヴェルディ総監督)

    2014年06月15日 05時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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