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    日本サッカー、改革へ協会は哲学示せ…李国秀

     2敗1引き分けでグループリーグ最下位に終わったブラジルW杯の日本代表について、元ヴェルディ総監督の李国秀氏が総括し、今後の再建策なども語った。(聞き手は、塩見要次郎・読売新聞サッカー推進事務局長)

     ――日本人にとって、残念なW杯になってしまった。

     「サッカーがうまくなりたい子どもたちにとって、見習いたい選手が、自国の選手ではなく、他国の人たちだったことが、悔しいね」

     ――うーん。きついですね。

     「誰が見たって、日本よりコロンビアの選手たちの方が、うまくて賢かったではないですか。テレビは恐ろしい。誰にも、それが明確にわかってしまう」

     ――日本サッカーは、どうすれば良いか。

     「賢くて、かみ合ったプレーをするには、技術が必要。手で扱うように、足でボールを操作できるようにしないと。その技術が基盤にあってこそ、いつスピードを上げるかなどの賢さを発揮できる」

     ――少年たちへの指導が重要だ。

     「その通り。幸い、日本の競技人口は大きい。指導者たちが、子どもたちが自由にボールを扱えるよう、技を磨かせないと。うまさと賢さを追求せず、『勝った、負けた』にこだわるのは、ばかげている」

     ――賢い選手を育てるには何が重要か。

     「いつ、どこに、なぜ、そこにボールを運ぶかなどを、子どもたち自身に考えさせる習慣をつけさせることだ」

     ――具体的な改革論も、お聞きしたい。日本サッカー協会は、どうすべきか。

     「まず、日本サッカーの色(特長、スタイル)は何かを示してほしい。私は、『素早く考え素早く動き、ゴール前での豊富なアイデアを生かすサッカー』だと思っているが、協会からは明確な指針が出されていない」

     ――そのうえで、次期監督を選ぶ。

     「その通り。これまで、オランダ、ブラジル、フランス、ブラジル、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イタリアから外国人監督を招いてきたが、全く一貫性がなかった。それは日本協会に哲学がないからだ。日本サッカーの色を決めた上で、指導者を選んでほしい」

     ――李さんなら、どの国の指導者を選ぶ。

     「中南米の監督だ。ただし王者のサッカーを目指すブラジル人は向かない。それ以外の国、例えばアルゼンチンやメキシコだ。彼らは、きっちり守り、俊敏性を生かして速く攻めるサッカーを目指している。中南米の選手は、体格的にも日本人に近い。できれば代表監督の経験があり、野心に満ちた人物が望ましい」

     ――今回の代表選手たちに、どんな言葉をかけたいか。

     「逆転負け、相手の思惑通りのドロー、そして惨敗。前評判が高かっただけに、この結果と内容への国民の失望は大きい。その責任は、選手たち自身にある。しかし、選手なら、いくらでも取り返せる。欧州リーグや、Jリーグでの舞台が待っている。4年後だって目指すことができる」

     ――ありがとうございました。次回は、日本時間の7月14日朝、決勝戦直後に大会全体の総括をお聞きします。

     「了解です」

    2014年06月26日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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