連続4強 世界が衝撃
豪・ヒディンク監督 59歳
W杯へは、1998年フランス大会で母国オランダの、2002年の日韓大会は韓国の監督として出場、両大会でベスト4進出という快挙を成し遂げた。間違いなく、世界を代表する名将の一人だ。
PSV(オランダ)などでプレーした選手時代は目立った活躍はなかったが、指導者として才能を開花させた。コーチを経て87年、PSVの監督に就任。88年には欧州チャンピオンズカップ(当時)で欧州王者にも輝き、スペインではあのレアル・マドリードの指揮も執った。
98年大会は、今回も対戦するブラジルに準決勝でPK戦の末、惜敗した。前回大会では、2001年に韓国フル代表初の外国人監督として就任後、チームをフィジカル面から鍛え直し、組織的な戦術も導入。朴智星(パクチソン)ら若手を登用し、イタリア、スペインなど欧州の強豪を次々と破っての4強入りは、世界を驚かせた。
韓国側は契約延長を望んだが、結果的には大会後、PSVの監督に復帰。韓国では、歴史的な偉業を成し遂げたオランダ人監督をソウル名誉市民にしたり、大韓航空の航空機を無料で利用できるようにするなど、今でも国民的英雄だ。
そして、次なる舞台に選んだのが74年以降、W杯には縁のなかった豪州だった。昨年7月、オセアニア最終予選を前に、プレーオフに臨む豪州からオファーを受け監督に就任。課題の守備面を整備し、欧州で活躍するスター選手を一つにまとめ上げて、ウルグアイとのプレーオフを制し、32年ぶり2度目の本大会進出へと導いた。
遠く離れたPSVとの異例の兼任監督の上、与えられた時間もわずか。しかしその制約も、終わってみれば名声を高める要素でしかなくなった。豪州の顔とも言えるFWキューウェルも「彼は何をすれば大舞台で結果を出せるかを知っている」と全幅の信頼を寄せる。PSVでも見事に今季、2連覇を成し遂げた。
ヒディンクのW杯“第3幕”初戦の相手は日本。名将が今回はどんなサプライズを起こすのか。世界の注目を集める一戦になる。
〈本大会への歩み〉 オセアニア地区予選は4勝1分けで決勝に進み、ヒディンク監督が就任後の決勝では、ソロモン諸島に2連勝して、南米5位のウルグアイとの大陸間プレーオフに進出。アウエーで0―1で敗れたが、ホームで1―0で勝ち、PK戦を4―2で制した。
(2006年6月2日 読売新聞)