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日本のキーマン

“地元”大会たぎる闘志

高原直泰 26歳(ハンブルガーSV=ドイツ)
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5月30日のドイツ戦で先制ゴールを決めて喜ぶ高原。本大会でもこんな笑顔が見られるか=吉岡毅撮影

 日本を代表するストライカーが壁にぶつかったシーズンだった。出番は少なく、わずか1得点。ドイツで5シーズン目の来季はフランクフルトに移籍する。

 「すべての人に自分を分かってもらおうとは思わない。ただ自分を理解してくれる所に行くだけだ」。言葉の中に複雑な思いが見え隠れする。高原の力量を十分には認めようとしない国、ドイツで開催されるワールドカップ(W杯)。自然と闘志がほとばしり出る。

 世界の一流を目指す。その思いは静岡・東海大一中の3年間に培われた。小学校時代から「巨人」と呼ばれ、中学入学時で身長は1メートル70を超えていた。技術は未熟だが、生来の負けん気の強さとずばぬけた身体能力でゴールは取れた。「お前はファンバステン(元オランダ代表、現代表監督)になれ」。当時の恩師、桜井和好教諭は具体的な一流のイメージを抱かせ、徹底的に技術を教え込んだ。

 胸でのトラップは必要以上に大きくボールを弾ませてしまう。ほかの子供が2〜3日あれば覚えてしまう技術を習得するのに、1週間は必要だった。ただ、技術を実戦で生かそうとする意識は優れていた。桜井教諭は、「ほかの子は覚えたら満足してしまう。しかし、高原は必ず試合で試していた」と振り返る。

 1999年のワールドユース選手権で小野(浦和)、稲本(ウェストブロミッジ=イングランド)らと準優勝を果たした黄金世代。日本が世界の頂点に最も近づいた時のメンバーだ。

 4年前のW杯日韓大会、オーバーエージ枠での出場が濃厚だった2004年アテネ五輪は、肺動脈血栓塞栓(そくせん)症のために断念に追い込まれた。今大会はその雪辱の舞台のはずだが、高原は「日本のサッカーを世界に見せるチャンス。病気の不安を感じていたらサッカーはできないし、前回のことを引きずっていると口にしたことは一度もない」と、過去との決別を強調する。

 先月30日のドイツ戦で2ゴールを挙げてから、ブンデスリーガでプレーしている高原への注目は急激に高まっている。9日開幕のW杯。世界にその実力を認知させる絶好の機会だ。(おわり)

 (この連載は、助川武弘、杉元雅彦が担当しました)

2006年6月3日  読売新聞)
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