中国・習副主席が金総書記と会談、6か国協議再開に弾みか【北京=佐伯聡士】北朝鮮を訪問している中国のポスト胡錦濤の最有力指導者、習近平・国家副主席(共産党政治局常務委員)は18日、平壌で、金正日総書記と会談し、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の推進を働きかけた。 北朝鮮による核計画の申告が大幅に遅れ、協議が停滞するなか、クリストファー・ヒル米国務次官補が19日に東京で日米韓3か国首席代表会合に臨み、20日に訪中して議長の武大偉外務次官と会談するなど調整は大詰めを迎えている。中国は習氏の説得で協議再開に弾みをつけ、議長国の存在感を誇示したい考えだ。 中央テレビなどによると、習氏が会談で「6か国協議は再び前進する機会に直面している。新たな段階に推し進めるため、北朝鮮と協力を強化したい」と進展を促したのに対し、金総書記も「ともに良好な協力を進めて行きたい」と応じた。 中国筋によると、中国は、今年最大の政治イベントである北京五輪(8月8日開幕)1か月前の7月上旬までに、最低限、申告の提出など核廃棄への道筋をつけたい考えだ。そこから逆算して、同協議首席代表会合を6月15日にも開く方向で調整を進めていたが、北朝鮮が難色を示し、失敗。6月中に協議を再開させ、申告問題に決着をつける上でまさに正念場を迎えている。 北京五輪の党の責任者でもある習氏は金総書記との会談で、平壌で行われた聖火リレーへの全面協力に謝意を表明した。北京五輪の成功に向けて、6か国協議の進展、中朝関係の安定は欠かせない。中国にとって最悪のシナリオは、2006年のように核問題をめぐる米朝の対立が先鋭化し、しびれを切らした北朝鮮がミサイル発射や核実験などの強硬策に出ることだ。 韓国の 習氏は党内序列6位だが、胡錦濤総書記の最有力後継候補。昨秋の第17回党大会で2期目に入った胡総書記にとっては、次世代指導者の習氏の初外遊先に北朝鮮を選び、金総書記と顔合わせさせることで、中朝関係の強化につなげる狙いがある。 中国は、北朝鮮の食糧危機が深刻化し、大量の北朝鮮住民が中朝国境地帯に流入する事態も防がなければならない。金総書記との会談で習氏が一定の食糧援助を表明した可能性もある。 (2008年6月18日23時13分 読売新聞)
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