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豚全頭処分のエジプト、養豚の少数派キリスト教徒は猛反発

 【カイロ=加藤賢治】新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)対策として、エジプト政府が始めた豚の全頭処分に対し、豚を飼育する少数派のキリスト教一派コプト教徒が猛反発している。

 同教徒は、豚を不浄とみなすイスラム教徒による差別だと訴えるが、政府は「飼育環境が不衛生で、野放しにできない」と処分を進めている。

 「感染者が出ていないエジプトで、なぜ豚を処分するんだ」

 カイロ西部マンシーヤ・ナセル地区で、豚約100頭を飼育する男性(33)は、怒りをぶちまけた。住民の大半は廃品回収業のコプト教徒で、生ゴミで豚を飼育、副収入にする貧困層だ。3日には処分に反発する住民と治安部隊が衝突した。

 「新型」ウイルスは、人から人にうつる型に変異しており、感染拡大に豚はもはや無関係。それでもエジプト政府は、国内の推定30万〜40万頭の豚を処分する計画だ。

 新型インフルエンザの世界的な広がりは、日ごろから不衛生な豚飼育を駆逐する機会をうかがっていた政府に、絶好の口実を提供したとの見方が広がっている。

 ◆コプト教=キリスト単性論の立場をとる一派。信徒はエジプトの人口(約8300万人)の約9%を占める。ローマ帝国時代に異端とされ、19世紀の英国進出で信教の自由を獲得した。ブトロス・ガリ元国連事務総長も信徒。

2009年5月8日00時34分  読売新聞)
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