クリントン氏会談、金総書記「健在」示す 平壌を電撃的に訪問したビル・クリントン元米大統領は4日、 北朝鮮公式メディアの朝鮮中央通信は、両者の間で「幅広い意見交換が行われた」と強調し、会談の内容が濃かったことをアピールした。金総書記が一定の体力と判断力を維持していることも証明され、北朝鮮は金総書記の指揮のもと、核問題をめぐって継続的な米朝直接対話を目指す外交攻勢にでると見られる。 金総書記は、国防委員会が主催した夕食会にも出席し、クリントン氏相手に、数時間の対話・接待を行ったと見られる。朝鮮中央テレビは両者のツーショットや会談の写真6枚を異例の早さで放映し、訪問を最大限に「宣伝」する意図を示した。 金総書記の健康をめぐっては、今年3月、激しくやせた写真が公開され、健康悪化説が飛び交っていたが、この日の写真では、全体的にふっくらとし、血色が良く、髪も黒々としていた。 「幅広い意見交換」に関しては、金総書記が朝鮮戦争の休戦体制を恒久的な平和体制に転換する必要性をはじめ、対米政策に関する基本的な立場を開陳した可能性が強い。 また、朝鮮中央通信によると、クリントン氏は金総書記に口頭で、オバマ米大統領のメッセージを伝えた。米ホワイトハウスのギブス報道官はこれを否定したが、オバマ政権は北朝鮮問題の「包括的解決」を模索しており、その意義を伝えた可能性はある。包括的解決は、北朝鮮が完全で後戻りできない非核化を実行した時点で、見返りを一括して決める構想だ。見返りには広範な経済支援に加え米朝国交正常化も含まれる。 オバマ政権は、金総書記がこの構想を受け入れれば米朝直接対話に乗り出す可能性を示しており、今回の会談でどんなやりとりが行われたか注目される。 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、クリントン氏は米アラスカ州アンカレジから民間チャーター機に乗り込み、平壌に入った。随行者はごく少数で、米政府当局者は含まれていないとされる。ギブス報道官は4日、クリントン氏訪朝について「私的な任務」として、突っ込んだ説明を避けたが、政府関係者によると、オバマ政権は先週には、元大統領の北朝鮮派遣を決めていた。 北朝鮮は今年3月に拘束された記者2人の解放をめぐり、米側に早くから高官派遣を打診。アル・ゴア元副大統領らの名が挙がったが、クリントン氏に白羽の矢が立ったのは、国家元首である大統領経験者であれば、金総書記にとって不足はなく、会談実現の確信があったからという。 国連安全保障理事会決議を通した制裁強化などによっても、北朝鮮は核問題をめぐる6か国協議に復帰する気配を見せず、オバマ政権内では、金総書記と直接話す必要性を指摘する意見が強まっていた。 カーター元米大統領の1994年の訪朝では、 ただ、米朝交渉が始まったとしても、核放棄の検証方法などをめぐる対立は深い。アラン・ロンバーグ元国務省政策企画局長代理は「北朝鮮が『核保有国』への道を捨てる可能性は低い」と分析している。(ワシントン 本間圭一、ソウル 森千春) (2009年8月5日03時03分 読売新聞)
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