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総書記訪中で一定の成果、中国依存は強まる

 【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記は7日、4年4か月ぶりとなる訪中を終えた。

 金総書記は4泊5日、行程2400キロに及んだ今訪中で、外交、経済、国内政治への効果などで、一定の成果を上げたとの見方が強い。ただ、中国への依存度をますます高めた北朝鮮は、今後、これまで以上に影響力を強めた中国に動きを縛られる可能性もある。

 健康問題を考慮すれば、総書記の訪中機会は限られている。その貴重な訪中の最大目標は、安定した後継体制構築と体制維持に不可欠な中国の支援取り付けにあった。

 新華社電によると、中朝首脳会談で金総書記は、中朝の伝統的友好は「時間の推移や世代の交代により変化することはない」と述べた。これに対し、胡錦濤国家主席は「両国の友好を子々孫々継承するのは共通の歴史的責任だ」と応じた。総書記の後継候補とされる三男、金ジョンウン氏の同行は確認されていないが、今訪中を通じ、中国の「暗黙の了解」を取り付けたとの見方がある。

 デノミネーション(通貨単位の切り下げ)の失敗で、急激な民心離反の危機にさらされる総書記は自ら、今年の最優先課題に国民の衣食住改善を掲げており、節目となる10月の党創建65周年までに一定の成果を示さねばならない。合意したとみられる中国の経済支援は命綱だ。「中国が後ろ盾におり、この体制は滅びないとの信頼を住民に与える」(政府系機関研究者)効果も生むとみられる。

 総書記はまた、6か国協議に関して、「各国と再開のため有利な条件を作り出したい」と表明した。中国が提案する協議予備会合への参加条件としてきた米朝協議などに言及しなかったことについて、韓国国防研究院の白承周(ペクスンジュ)安保戦略研究センター長は「協議復帰について、中国に委任する形を取った。綿密な計画に基づくものだ」と指摘する。

 3月に起きた韓国海軍哨戒艦沈没を巡り、韓国では、今訪中には、国際社会の対北包囲網を事前に断ち切る狙いがあったとの分析が多い。今後、中国が協議再開の動きを本格化させれば、哨戒艦と6か国協議のどちらを優先するかで米韓の足並みの乱れを誘える。

 一方、中国が強く求めているのは、朝鮮半島情勢の安定だ。金総書記が対米交渉の材料としてきた核実験や黄海の北方限界線(NLL)海域での軍事挑発は困難となる。

 また、援助を切望したということは、弱みを見せたことでもある。今回、中国の経済支援が金正日体制の命運を握っていることがよりはっきりした。

 すでに7割を超える対中貿易依存度がさらに高まれば、経済の生殺与奪を握られかねない。従来以上の対外開放を迫られる可能性もある。

2010年5月8日00時20分  読売新聞)

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