戦時作戦統制権の移管先送り…米韓首脳合意 【トロント(カナダ)=竹腰雅彦】世界20か国・地域(G20)首脳会議に出席中のオバマ米大統領と 両首脳は、今は在韓米軍が握る、朝鮮半島有事に韓国軍を指揮する戦時作戦統制権を韓国軍に移管する時期を、当初計画の2012年4月17日から3年7か月先送りし、15年12月1日とすることで合意した。米軍が朝鮮半島で揺るぎない抑止力を持ち続けることを示して、北朝鮮の軍事的脅威をけん制するのが狙いだ。 戦時作戦統制権は、「自主国防」を志向した韓国の 米韓両政府によると、今回、移管の延期は韓国側から要請した。李大統領は「現在の安保情勢と米韓同盟強化の観点から、米国は延期を受け入れてくれた」と謝意を示し、オバマ大統領は延期について、「様々な状況を勘案すると非常に適切だ」との認識を示した。 韓国では、北朝鮮が韓国哨戒艦沈没事件を引き起こしたことをきっかけに、保守派を中心に北朝鮮への抑止力が損なわれるとして早期移管の見直しを求める声が強まっていた。 当初予定の12年の移管はタイミングが悪いとの判断もあったようだ。この年は北朝鮮で 韓国軍は、延期で得た時間で、海軍哨戒艦沈没事件で弱点が露呈した体制の立て直しに取り組むことになる。韓国大統領府高官は26日、延期決定は、韓国軍が備えるべき能力の準備に「猶予期間が必要だったため」と述べた。韓国軍の戦時作戦統制権行使では、米軍に依存してきた監視・偵察能力や、主要な標的に対する精密爆撃能力、指揮統制・通信システムなど独自の作戦遂行能力の確保が必要とされてきた。北朝鮮の魚雷攻撃による哨戒艦沈没は、水中音波探知機(ソナー)や高性能映像監視システムの整備などで、韓国側の不備を改めて認識させた。 移管延期は、アジア太平洋地域で在日米軍を含む米軍の再編戦略に影響を与える可能性もある。韓国政府系安保研究機関の研究員は「アジアに展開する米軍の基地再編は沖縄の普天間飛行場など、2010年代半ばになる見込みで、必ずしも12年にこだわる必要がない」との見方を示した。 (2010年6月27日21時21分 読売新聞)
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