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肩書不足の正恩氏、葬儀後は権力闘争か

 北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の死去は、健康不安を抱えていたとはいえ、最近、精力的に現地指導を繰り返していただけに、突然の印象をぬぐえない。

 国際社会の関心は、三男の金正恩(キムジョンウン)氏(28)への権力継承が未完成の現状で、北朝鮮の体制が崩壊へと進むのか、それとも安定に向かうのかにある。

 朝鮮中央通信が19日に金総書記死去を伝えた「訃告」は、正恩氏について、「革命の偉大な継承者で、党と軍隊の卓越した領導者」と表現し、金正恩体制への移行を強く打ち出した。

 北朝鮮の動静が安全保障に直結する韓国では、金総書記死去が伝えられると、全軍は直ちに非常警戒態勢に入り、情勢の急変に備えた。李明博(イミョンバク)大統領は緊急の国家安全保障会議を招集し、北朝鮮内の情勢分析と対策の検討に入った。

 韓国政府内では、「正恩氏への権力継承以外に北朝鮮の選択肢はない」との見方が支配的だ。それでも、権力空白期に起きる不測の事態の可能性を注視する。

 韓国外交安保研究院の尹徳敏(ユンドクミン)教授は、「葬儀委員会の顔ぶれをみても、当面、正恩氏中心の体制で動くだろうが、葬儀後に権力闘争が起きる可能性がある」と不安定さを指摘する。

 尹教授によると、金正恩体制は、〈1〉金総書記の妹の金敬姫(キムギョンヒ)氏(政治局員)と、夫の張成沢(チャンソンテク)氏(同候補)を中心とするロイヤルファミリー〈2〉金日成(キムイルソン)時代の抗日遊撃隊員の子孫〈3〉李英ホ(リヨンホ)人民軍総参謀長ら軍部側近――の相乗り体制で、「運命共同体」として結束は固いとみられる。しかし、正恩氏が後継体制を固める過程で排除された軍人などに不満が高まっているとみられ、クーデターや内部抗争の可能性など「今後を予測するのは難しい」という。(ホは金ヘンに高)

 1994年7月に金日成主席が死去した時は、金総書記がすでに朝鮮人民軍最高司令官、国防委員会委員長、党書記として権力を固めていたのに比べ、正恩氏はいまだに党中央軍事委員会副委員長(委員長は金総書記)の肩書を持つだけで、権力継承作業の途上にあったことも不安定要因だ。

2011年12月20日09時00分  読売新聞)
【写真特集】金正日総書記死去 

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