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    講談社

    岐路に立つキュレーションメディアの運命…講談社

     著作権を無視、軽視したり、根拠のない記事を大量に生産して検索上位に表示されるようにしたりしているキュレーションサイトの存在が大きな社会問題となっています。問題があると思われるサイトは上場企業が運営しているものや、高い人気を誇るものも多数ありました。問題サイトが次々に閉鎖されていく中で、ネット空間のメディア環境は健全化していくのでしょうか。大手出版社の講談社でWeb広告の仕事に携わってこられた、講談社第一事業局の長崎亘宏局次長に、これからのネット世論のありかたなどを広くお聞きしました。

    株式会社講談社(東京都文京区)で

    聞き手・読売新聞メディア局編集部長 原田康久

    2016年末、キュレーションが転機を迎えた

    • 対談する長崎さん(右)と原田部長
      対談する長崎さん(右)と原田部長

    ――DeNAの運営するキュレーションサイトが問題視され、サイトが閉鎖されるという問題が起きました。その後、他サイトも閉鎖されたり、記事が削除されたりする状況が続いています。一連の問題をどのように見ていますか?

     デジタルメディア業界にとって、激動の2016年でしたが、この秋はとくに歴史的なタイミングというか、間違いなく大きなターニングポイントとして記憶されることになるでしょうね。キュレーションメディアの第一世代といいますか、グノシーやスマートニュースのようなニュースアプリから、DeNA系のメディアをはじめとした編集や制作の機能をもったものも含めて本当にたくさん出てきて、これまでは「キュレーション」という言葉が、プラスの意味のバズワード(※)でした。もしかしたら来年以降は、マイナスの意味のバズワードに転じるかもしれないですよ。

    ※バズワード=おもにIT業界で使用される言葉で、buzzは蜂の羽音のように「ブンブンいう」「ガヤガヤざわつく」といった意味の英単語。意味があいまいで、実際には何を定義しているのかはっきりわからないような新語や造語、流行の言葉のこと。

    際立つネットメディアの存在感

    • ウェルクの問題で謝罪会見を開いたDeNAの守安功社長(中央)ら(12月7日)
      ウェルクの問題で謝罪会見を開いたDeNAの守安功社長(中央)ら(12月7日)

    ――ただ、一連の問題を告発したのもネットメディアでした。負の意味でも正の意味でもネットの存在感を見せられた部分もあります。

     どうしても、デジタルメディア、マーケティング業界というのは、往々にして技術側が先行するんです。最初は技術先行でビジネスが立ち上がる。現状のデジタルメディアに関していうと、新聞社や出版社などのメディアやパブリッシャーに対して、ネットに関する技術力が高いプラットフォーマーが強い。メディア側の準備が整う前に、そちらのビジネスに乗るかどうかという選択を突きつけられる。シェークスピアではないが「生きるべきか、死すべきか」という選択肢の前で、「乗れば読者が増える」という想定の下で記事を提供することになっている。私たちのメディアも同様でした。

     そういう意味では、(現在のネットメディアをめぐる現状は)プラットフォーマーや技術を持っているIT企業が拓いてきたわけです。一方では、レガシー系メディアの不甲斐なさもあった。問題はこのあとですよね。来年以降、いったい何が起こるのか。

    ――想像もつきませんが。

     IT系以外のいくつかの企業がキュレーションサービスに参入しようとしているという噂があります。きっといろいろな業界から、来年、新しいキュレーションサイトがリリースされると思いますよ。その成立ちは先行するキュレーションとは異なる、第二世代的なものになると思いますが、12月の騒動があったので戦略の見直しを迫られているでしょうね。この混乱を潜り抜けて、さらに進化する既存のプレイヤーにも期待しています。

    2016年12月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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