文字サイズ
    ダイヤモンド社

    雑誌とWeb、二刀流の編集長…ダイヤモンド社(前編)

     「週刊ダイヤモンド」の編集長に、ダイヤモンド・オンラインの深澤献編集長が就任したと聞いたときは、少なからず驚きました。紙とWebの二つの編集長を兼任すると聞いたからです。ただ、媒体特性のまったく違うメディアの両方をひとりの人間が監督するという試みは、面白いとも感じました。その狙いや、さまざまな苦労話をお聞きすることができました。

    株式会社ダイヤモンド社(東京都渋谷区)で

    聞き手・読売新聞メディア局編集部長 原田康久

    雑誌とWebの編集長を兼務

    • 媒体特性のまったく違うメディアをひとりで切り盛り
      媒体特性のまったく違うメディアをひとりで切り盛り

    ――深澤さんはこの1年ほど「ダイヤモンド・オンライン」の編集長を務められていましたが、今春から紙の「週刊ダイヤモンド」編集長を兼務されています。紙とWebの両方の編集長を担当するのは珍しいのではありませんか?

     僕は入社以来20年以上、ほぼ週刊ダイヤモンドの編集部にいまして、昨年の4月の組織改編でダイヤモンド・オンライン事業の戦略を明確化するという局面で、編集長として異動することになりました。週刊誌時代は電機業界やIT・ネット業界の担当記者を長く務めてきたこともあって、編集部のWeb戦略を考える役回りをすることが多かったのですが、以前から、そういう形が理想だという話は社内ではありました。紙とWebの両方を、ひとりの編集長が見た方が良いのではないかということです。僕も、自分がやることになるとは考えもせず、“他人事”として主張していたこともあります。それこそ前編集長に、「オンラインの編集長もやったら?」なんて軽口を叩いていました。

    ――ダイヤモンド・オンラインと週刊ダイヤモンドは別組織なんですね。

     そもそも、この二つは出自が違うメディアで、紙の方はダイヤモンド社の創業以来の媒体で、看板雑誌です。オンラインはこの10年で出てきた新しい媒体で、これは週刊ダイヤモンドから派生したメディアではないんですね。もともとは、ダイヤモンド社全体のコンテンツのポータルサイトという位置づけで始まったものであり、無料メディアであって、広告収入しかないわけですよ。なので、この10年間にも、サイト運営をどこが主導するか、社内でもいろいろ揺れ動いた経緯があります。

    問われる自社サイトのあり方

    • 「全社のポータルサイトである、という位置づけをはっきりさせようとした」
      「全社のポータルサイトである、という位置づけをはっきりさせようとした」

    ――ポータルサイトにするのか、Webメディアにして広告で稼ぐのか、という選択ですね。

     広告局は、自分たちが広告を入れるメディアなので、自分たちで運営したい気持ちもあるでしょうし、そうはいっても「新しいジャーナリズムの本丸にしたい」と考えるグループもありました。ということで、広告の一部門でやっていた時代もあれば、雑誌局に移された時代もあり、いろいろな変遷がありました。直近までは雑誌局の一部門で、週刊ダイヤモンドの隣に(部署が)あったんですよ。

     ただ、オンラインと週刊誌がうまく連携していたかというと、決してそうは言えませんでしたね。オンライン側が雑誌には遠慮してしまうんですよ。「記事がほしい」といった要求をなかなか強い立場で言えない。

    ――よく分かります。新聞社にもそんなところがあります。

     そこで、雑誌局からオンラインに人が行かないといけないと、会社も判断したんですね。それには、多少は年を食った、雑誌側の部員に強く言えるような立場の者が必要だと考えたわけです。当時、年齢で言えば僕が編集長の次だった。社歴としても20数年を週刊ダイヤモンドで仕事していた古株ですので、編集部に対しても強い立場でコンテンツをごそっと持ってくるくらいの芸当はできるだろうということでしょうね。

    ――今は、オンラインは何局に属するんですか?

     ダイヤモンド・オンライン事業室ということで、独立しています。社長直轄ですね。去年の4月から、そのようになりました。僕が編集長になったときからです。

    ――オンラインのあり方を変えようとしたんですか?

     そうですね。全社のポータルサイトである、という位置づけをはっきりさせようとしたんです。どこかの部署にくっついているのではなくて、社長直轄のデジタル事業部門にして、全社からコンテンツを持ってくるような部署にしたいという構想です。よく世間から「週刊ダイヤモンドのWeb版でしょ」と誤解されるんですが、それは違います。

    ――でも、そういうイメージはありますよ。週刊ダイヤモンドの記事も載っているわけだから。

     ええ。でも、オンラインに1日あたり20本近い新着記事を出していますが、そのうち週刊ダイヤモンドからの記事は2、3本なんですよ。あとはオリジナルの記事と、書籍の編集部からの記事ですね。実は書籍からのコンテンツが多いのが特徴で、4、5本あります。オリジナル記事も毎日10本程度は必ずある感じですね。

    2017年05月02日 10時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR情報
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP

    目力アップ♪

    疲れをほぐして、イキイキと!