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    ダイヤモンド社

    アーカイブを生かすには…ダイヤモンド社(後編)

    中編から続く)

    10年前の記事に価値あり

    • 「週刊誌の記事は、10年たつと価値が上がる」
      「週刊誌の記事は、10年たつと価値が上がる」

    ――今は紙とWebの両方の編集長として、両方を見られるポジションになっていますよね。いいコンテンツを紙とWebの両方でうまく使っていくという話なのか、それぞれの違いを発揮できるように差別化をしようとしているのか、どちらの方向に向こうとしているんですか?

     去年1年間やろうとしてきたのは、最初に申し上げたように、週刊ダイヤモンドとの連携をオンラインとどう図っていくか、強めていくかという話でした。それ自体はもっと強力に進められる立場になったんですよね。なので、まだまだやり切れていなかったことをやろうかなと思っています。

     単なる会見起こしではないWebファーストというのを、もっとうまいやり方でいろいろ試しながら進めていきたい。過去にも良い記事がたくさんあるので、それを何とか活用したい。週刊誌は1週間たつといきなり価値が落ちるんですが、逆に10年たつとちょっと価値が上がるんです。

    ――たとえば、どういうケースですか?

     東芝の原発事業を推進した当時の西田厚聡社長のインタビューとか、今読み返すととても面白い。当時の原発ルネサンス時代にどれだけイケイケの発言をしていたかを、再び巡ってきた良いタイミングで出すと、価値が出るんですね。

    ――それは読みたいですね。当時はどういう思いだったか、どのように将来を見ていたのか、勉強になると思います。

     もっと時代をさかのぼると、ソニーの井深大さんに1960年代、うちの記者がインタビューしているんです。記者が「ソニーはもうアメリカの会社ですよね」と聞いています。トランジスターラジオをたくさんアメリカで売っていたので、そんな質問が出た。そうしたら井深さんが「ソニーはやっぱり日本の会社です。アメリカ人が社長になることは絶対にありません」と答えた。

    ――え? でもソニーは後にストリンガー社長(※)を迎えたはずですが。

    ※ハワード・ストリンガー=2005年に外国人として初めて、ソニーの会長兼グループ最高経営責任者(CEO)に就任。09年からは社長も兼務し、経営再建を急いだが、大ヒット商品は登場せず、業績悪化に歯止めをかけられなかった。12年にCEOを退任。

     そうです。ただ、彼はアメリカ人ではなくウェールズ人ですけれど。あと、井深さんは「アメリカでは最近、社外取締役という制度ができたが、あれは国土が広いアメリカの制度だ。それぞれの土地に有力者とつながっている人が必要だから、そういう立場の役職ができたんだ。ソニーには必要ありません」と言い切っています。

     ですが、外国人社長のもとでソニーが苦しんでいた時期に、そういう過去の記事を出すことができなかったんですね。当時、その記事を再掲載すればすごく面白く読まれたと思いますよ。それはソニーの人たちにとっても発見ですからね。


    2017年05月16日 05時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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