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    メディア環境研究所

    若者のスマホ利用を観察…メディア環境研究所(前編)

     博報堂DYメディアパートナーズの研究機関「メディア環境研究所」が興味深い発表をしたと聞き、所長の吉川昌孝さんに話を聞きに行きました。新聞やテレビ、雑誌、ラジオの4媒体は、スマートフォンの普及とともに若者を中心に消費者の支持を失いつつあるといわれ続けています。しかし、同研究所の調査で、その傾向に大きな変化が表れ始めているというのです。ネット環境に変化が起き始めているのか、くわしく話をうかがいました。

    赤坂Bizタワー(東京都港区)で
    聞き手 読売新聞メディア局次長 原田康久

    メディア環境をウォッチ

    • 「メディアの底流で何が起こっているかを探りたかった」
      「メディアの底流で何が起こっているかを探りたかった」

    ――所長をされているメディア環境研究所(※)で面白い研究結果を発表されたと聞いています。そのことをお聞きする前に、メディア環境研究所とはどんな組織なのかをお聞かせください。

     そもそも、博報堂DYメディアパートナーズという会社ができたとき、当時はネット時代の黎明(れいめい)期だったと思います。これからメディアビジネスは大きく変わるので、メディア環境がどうなるかをウォッチしていく必要があるという目的からできた研究所です。

     ※メディア環境研究所=広告会社の博報堂DYメディアパートナーズが2004年に設立した研究機関。デジタルなども含めたメディア環境の変化が「広告」というサービスにどのような影響を与えるのかについて、観察、研究し、メディアの新たな使い方などを広く提案している。

    ――吉川さんはどういう経緯でこの組織に来られたのですか?

     もともとはマーケティングの仕事をしていたのですが、そこから博報堂生活総合研究所(※)に移りました。2005年から14年までいたんですよ。そこで様々な発表をしてきました。「多世帯社会」とか「総子化」とか、そういうことを打ち出してきたんですね。

     そして、メディア環境研究所へ異動になりました。ここでは、「メディア定点調査」という、生活総研でいう「生活定点調査」のような調査があり、僕が着任したときにそれが10年分たまっていたので、時系列分析してみようという話になったんです。

    ――なるほど。社内に良い資源があったわけですね。

     今までも単年度で「今年こうなった」という動きに注目していたので、ネットが生活に浸透してから20年以上たつ機会に、人々の意識が長期間でどう変化しているのかというのを見たいと思ったんですよ。そうしないと、大きな底流というか、地殻変動みたいなのはわからないと思いました。メディアの世界の表層ではいろいろなことが起こるので、それはキャッチしなければいけないけれど、底流では何が起こっているのかを探りたかったんです。

    めまぐるしいネットの世界を見る「3つの視点」

    • 「ネットの世界はめまぐるしい」
      「ネットの世界はめまぐるしい」

    ――確かにネットの世界はめまぐるしく変化して、その日その日の動きに追いたてられている感じです。

     先日もアマゾン・エコー・ショー(※)というのが発表されましたよね。エコーを使っているアメリカの家庭に取材で行った際に、これは将来的にカレンダーとも連動すればいいなと考えた瞬間、すぐにそれが現実になっていた。こちらが思いついた瞬間、誰かがどこかで実現している。(アイデアの)賞味期限が短いですね。

     ※アマゾン・エコー・ショー=Web物流大手のアマゾンが発売している音声認識ユーザーインターフェース「エコー」シリーズの新機種。音声でのやり取りで、家電のオンオフ、天気や交通情報の問い合わせ、スケジュール管理、ネット上の情報入手などができ、大ヒットしたエコーシリーズに、新たにタッチスクリーンがついた。音楽の再生ができたエコーに加え、動画、映像を見ることもできるようになった。

    ――そもそも、生活総研は世の中の動きや生活者の意識の変化だとかを、ずっと対象にされていたと思うんですよ。それに比べて、昨今のメディアの動きは激しいですよね。

     その通りですね。そういう意味では、メディア環境研究所に来て僕が考えているのが、3つの視点でものごとを見ないとダメかなということです。1つが「生活者がどう変化しているか」という視点。それに加えて、アマゾンの話にもあったように「技術がどう変わるか」ということ。そして、「メディアビジネスのキープレーヤーがどのように変化していくか」ということです。この3点から見ていかないと、メディア環境の今後はわからないと思っています。

    ――確かに、今指摘された3つの要素をちゃんと全部バランスよく研究しないと、先を見通せない時代ですね。

    2017年06月06日 16時55分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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