4000人 講師難民
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| 机やイスもない台所の前にビニール製シートを敷いて話し込むクライトンさん(左)とキーズさん。カナダの大学での就職セミナーで出会ったリクルーター(NOVAの外国人講師経験者)に誘われて入社し、現地で日本のビザを取得した後、大学卒業後の2006年9月にそろって来日。「破綻が公になって以来、すっかり生徒と切り離されてしまった。みんなどうしているかしら」と教え子を気遣った(東京・練馬区で) |
「好きで来た日本だから…」





午後8時、都内のアパート2Kの住居。破綻(はたん)した英会話学校最大手「NOVA」の外国人講師、ジェシカ・クライトンさん(23)とヒラリー・キーズさん(24)の親友同士は、床に座り込み、この日唯一の食事、インスタントめんを食べる。時折涙ぐみながら話した。「カナダの母親にはこんな生活ぶりは話せません。好きで来た日本ですから……」
先月26日の会社更生法の適用申請で、全国で4000人のNOVA外国人講師たちが職を失った。クライトンさんらはそれよりも前の先月11日、会社が借り上げたアパートからの退去を言い渡され、同20日に今の部屋へ引っ越したところだ。全国一般労働組合東京南部では、「アパートを追われた多くの講師は、すでに難民状態」と心配する。
講師たちは通常、NOVAが法人契約したアパートに2〜3人で共同生活を送る。大阪市内のマンションに3人で暮らす米国人のニック・シェパードさん(26)は、来日して1年半。住居費として毎月給料から一人一律5万3000円が引かれた。現在、会社からの家賃支払いは滞納しているが、クライトンさんとは対照的に、家主の厚意で住み続けることが出来ている。「外食はやめ一食200円の自炊に切り替えた」と話す。英会話の個人レッスンでのわずかな収入が頼りだ。
東京・新宿公共職業安定所に講師専用相談窓口が設けられると、今月6日までに790件の相談が寄せられた。東京労働局では、「日本語が出来なければ再就職は極めて難しい。アルバイト感覚で来日した人も見かけられる。しかし夢を見て来日した人を責めるわけにはいかない」と頭を抱える。
「サハシ(猿橋望前社長)には失望したけど、日本は好き」と、生徒からプレゼントされた雨月物語を読みふけるクライトンさん。「浮世絵などの日本文化をもっと学びたい」と希望を捨てないシェパードさん。営業譲渡先企業が決まったとはいえ、狭い部屋で肩を寄せ合う講師たちには、明日の暮らしさえ見えない。
カメラとペン 守屋由子、尾崎孝、里見研、江口聡子(10月30日〜11月5日撮影)

