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4000人 講師難民

机やイスもない台所の前にビニール製シートを敷いて話し込むクライトンさん(左)とキーズさん。カナダの大学での就職セミナーで出会ったリクルーター(NOVAの外国人講師経験者)に誘われて入社し、現地で日本のビザを取得した後、大学卒業後の2006年9月にそろって来日。「破綻が公になって以来、すっかり生徒と切り離されてしまった。みんなどうしているかしら」と教え子を気遣った(東京・練馬区で)

「好きで来た日本だから…」

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街から取り残されるように看板の明かりが消え、ひっそりとした繁華街にある教室(大阪市北区で)

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ご飯に厚揚げをのせただけの質素な食事をとる米国人のニック・シェパードさん(右端)。ルームシェアをする仲間らと一緒にこれからのことを話し合う(大阪市生野区で)

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「NOVAうさぎは外国人講師と生徒の怒りの象徴です」。講師のクリスティン・ムーンさんは、日本外国特派員協会での記者会見に、皮肉を込めて着ぐるみで登場した。「いっぱい聞けるウサギの耳」と「いっぱい話せる鳥のくちばし」を持つこのキャラクターは猿橋前社長が考案した

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突然職を失った講師たちを励まそうと、3日夜、大阪市中央区では「sayoNOVAパーティー」が開かれた。1か月前に来日したばかりの米国人講師、リンドン・ヒューズさん(25)(左)は生徒らの励ましに「ルームメートは今月に帰るが、私は職探しをしたい」と語った

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講師のケビン・スネドカーさん(右)を自宅に招いて個人レッスンを始めた生徒の横山佳子さん。同じ教室で知り合ったが、先月26日以降連絡が取れなくなっていた。インターネット上で彼の名前を探し出した横山さんがレッスンを申し込んだ(川崎市で)

 午後8時、都内のアパート2Kの住居。破綻(はたん)した英会話学校最大手「NOVA」の外国人講師、ジェシカ・クライトンさん(23)とヒラリー・キーズさん(24)の親友同士は、床に座り込み、この日唯一の食事、インスタントめんを食べる。時折涙ぐみながら話した。「カナダの母親にはこんな生活ぶりは話せません。好きで来た日本ですから……」

 先月26日の会社更生法の適用申請で、全国で4000人のNOVA外国人講師たちが職を失った。クライトンさんらはそれよりも前の先月11日、会社が借り上げたアパートからの退去を言い渡され、同20日に今の部屋へ引っ越したところだ。全国一般労働組合東京南部では、「アパートを追われた多くの講師は、すでに難民状態」と心配する。

 講師たちは通常、NOVAが法人契約したアパートに2〜3人で共同生活を送る。大阪市内のマンションに3人で暮らす米国人のニック・シェパードさん(26)は、来日して1年半。住居費として毎月給料から一人一律5万3000円が引かれた。現在、会社からの家賃支払いは滞納しているが、クライトンさんとは対照的に、家主の厚意で住み続けることが出来ている。「外食はやめ一食200円の自炊に切り替えた」と話す。英会話の個人レッスンでのわずかな収入が頼りだ。

 東京・新宿公共職業安定所に講師専用相談窓口が設けられると、今月6日までに790件の相談が寄せられた。東京労働局では、「日本語が出来なければ再就職は極めて難しい。アルバイト感覚で来日した人も見かけられる。しかし夢を見て来日した人を責めるわけにはいかない」と頭を抱える。

 「サハシ(猿橋望前社長)には失望したけど、日本は好き」と、生徒からプレゼントされた雨月物語を読みふけるクライトンさん。「浮世絵などの日本文化をもっと学びたい」と希望を捨てないシェパードさん。営業譲渡先企業が決まったとはいえ、狭い部屋で肩を寄せ合う講師たちには、明日の暮らしさえ見えない。

 カメラとペン 守屋由子、尾崎孝、里見研、江口聡子(10月30日〜11月5日撮影)


2007年11月7日  読売新聞)


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