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仕事よ、いずこに

公園のベンチで縮こまって夜を過ごすホームレスの27歳の男性。寒さに耐えられない時は歩き回ってしのぐと言う

 「4日ぶりの飯だからメチャメチャうまいっす」。2月に家を失った27歳の男性は、支援者の炊き出しでやっと手に入れた食事をほお張りながら言った。昨年11月から千葉県柏市の会社で寮に入り、建設現場で働いていたが、1月後半から仕事がぱったりなくなった。「日給から寮の代金を払うので、仕事がなければ寮を出るしかなかった。何社か面接を受けたけど、住所がないという理由で全部だめ。職種は何でもいいから仕事と家が欲しい」と凍える手に息を吹きかけた。

 労働者派遣法で製造業への派遣が解禁されたのは2004年。当初1年だった派遣期間は、07年3月から3年に延長され、延長を見越して06年3月から製造業での派遣受け入れが急増した。この時期に働き出した派遣労働者が今月以降、続々と3年の期限を迎えるのが“2009年問題”だ。昨年来の不況が、大量失業に追い打ちをかける。派遣会社などの業界団体は、3月末までに契約が満了する非正規雇用の労働者は40万人に達すると予測する。

 東京・豊島区の「ハローワーク池袋」では、昨年の同時期に比べ求人件数が3割減った。1日当たりの来場者数は平均1500人から2500人に急増。時間を延長して対応しているという。

 派遣社員として貿易会社で働く石崎真樹子さん(32)は、4月末で会社との契約が終了する。「契約更新の心配がない正社員の仕事を探しているが、とにかく1日でも早く次の仕事を見つけたい」と不安げな表情を見せた。

 100年に1度とも言われる世界同時不況。長いトンネルの出口の光は見えない。

写真と文 立石紀和


財布の中身はわずか3円。当初10万円ほどだった所持金は、1か月半でホテル代や食費に消えた(東京・千代田区で)

急きょ開催された就職面接会。50社がブースを出し、10代から70代まで800人以上が参加して職を求めた(東京・港区で)

閉店後の商店街で寝床用の段ボールを集めるホームレス(東京・台東区で)

ハローワークのエントリー用紙に記入する若い女性。両親からは、帰って来ればと言われているが「東京の方が仕事があるから」と話す(東京・豊島区で)

隅田川べりの広場で行われている炊き出しには、700人を超えるホームレスが集まってくる。家を失ったばかりの若い人も増えている(東京・台東区で)

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※写真は全て立石紀和撮影

上野公園の炊き出しに集まった多くのホームレス(東京・台東区で)

隅田川沿いの炊き出しでうどんを受け取るホームレス(東京・台東区で)

閉店後の商店街で寝床用の段ボールを運ぶホームレス(東京・台東区で)

経団連前で行われた反貧困フェスタ(東京・千代田区で)

金融危機後の雇用情勢の悪化で800人以上が参加した就職面接会(23日、東京・港区で)

ホームレスが滞在できないようにパイプが設置された隅田川沿いの遊歩道(東京・墨田区で)

派遣契約の終了を前にハローワークで次の就職先を探す女性(東京・豊島区で)

地下鉄の改札前で寒さをしのぐホームレス(東京・台東区で)

閉店後のシャッター前に並ぶホームレスの寝床(東京・台東区で)

駅の通路で横たわるホームレス(東京都内で)

2009年3月30日  読売新聞)


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