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元大本営参謀が上層部を批判、「昔のままの戦をやろうと」…「昭和史の天皇」音声公開第2弾

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 読売新聞社は4日、読売新聞オンラインの「『昭和史の天皇』音声アーカイブズ」の第2弾として、杉田一次(いちじ)・元大本営参謀、鈴木貞一・元企画院総裁ら3人の証言を公開した。大島浩・元駐独大使については昨年8月に公開した証言の続編となる。

 3人の証言からは、今年で開戦80年を迎える太平洋戦争の勃発に、前年の日独伊三国同盟が大きな影響を及ぼしたことがうかがえる。

杉田一次・元大本営参謀
杉田一次・元大本営参謀

 杉田は米国と英国で駐在経験があり、陸軍有数の米国通として知られた。開戦翌年の1942年2月のシンガポール陥落で英軍との降伏交渉を進めた。45年9月には東京湾上の米戦艦ミズーリ号の甲板で行われた降伏文書調印式でも全権団の一員となっている。戦後は警察予備隊に入り、陸上自衛隊幕僚長を務めた。

 今回、公開した取材テープの中で、杉田は太平洋戦争を指揮した東条首相を始めとした指導者を振り返っている。「上の方は、認識しないで昔のままの戦をやろうという気持ちが残っているわけだ」と話している。

 実際、44年3月から始まり、多くの犠牲者を出したインパール作戦で、杉田は大本営から命じられてビルマ(現ミャンマー)戦線を視察した。しかし、戦況の悪化を会議で報告した上司の参謀次長を、東条首相は「悲観的に考えたらいかん」と叱りつけたという。インパール作戦の中止は同年7月にずれ込み、被害を拡大させた。

鈴木貞一・元企画院総裁
鈴木貞一・元企画院総裁

 また、鈴木は41年夏頃に、海軍大臣、外務大臣を務める海軍首脳2人が自宅を訪れ、「(経済を統制する)企画院総裁が『戦争は絶対にできません』と陛下に内奏してもらいたい」と打診してきたことを明かしている。2人は「海軍は戦はできない。やりたくない」と語ったという。当時、近衛内閣の中枢では「責任の押し付け合い」ともいえる状態だったことが分かる。

 一方、大島は、三国同盟の締結交渉に臨む松岡外相に、自らの考えを原案として鉛筆で書いて手渡していたことも明かしている。(https://www.yomiuri.co.jp/stream/88/16622/1/

◇「昭和史の天皇」

 読売新聞社が1967年1月1日から75年9月30日まで2795回連載し、この間の68年に菊池寛賞を受賞している。取材では、国策に関与した政治家や官僚、戦場に赴いた軍人に加え、一般国民など延べ1万人の協力を得た。読売新聞社は2018年、「昭和史の天皇」の取材テープや資料計約2200点を国立国会図書館に寄贈した。同館はCDにデジタル化するなどして一部公開を始めている。

 『昭和史の天皇』音声アーカイブズでは、第1弾として20年8月に、昭和天皇の側近だった木戸幸一・元内大臣、沖縄戦で本島防衛作戦にあたった八原(やはら)博通(ひろみち)・元第32軍高級参謀、大島浩・元駐独大使の証言を取材テープから抜粋して公開した。

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1885429 0 昭和史の天皇 2021/03/04 12:00:00 2021/03/05 06:38:49 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210225-OYT1I50049-T.jpg?type=thumbnail

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