国際進学クラス新設、6年一貫の国際教育が可能性を広げる…大妻多摩

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 大妻多摩中学高等学校(東京都多摩市)は、今年度から「国際進学クラス」の募集を開始した。英語力のある生徒をさらに鍛えて、海外で実践的に通用する力を身に付けさせることを目標としているという。同校はこのほかにも海外ターム留学や6年一貫の国際教育プログラムなどを充実させており、大学進学にも好影響が出ているという。英語科主任で国際教育部部長の伊藤正彦先生に、国際教育の全体像を聞いた。

英語への熱意を持つ生徒のための「国際進学クラス」

「生徒の英語力向上には目を見張るものがある」と話す伊藤先生
「生徒の英語力向上には目を見張るものがある」と話す伊藤先生

 同校は今春、英語学習や国際社会での活躍に向けて高い意識を持つ子供たちのために、「国際進学クラス」の募集を行った。

 英語科主任で国際教育部部長の伊藤正彦先生は、国際進学クラス設置の意図について次のように説明する。「海外の提携校でターム留学を経験したことや、校内で英語プレゼンテーションを行う上級生の姿に接して『自分もあのようになりたい』と感じることで、英語に対する強い熱意を持つ生徒が増えてきました。全日本中学校英語弁論大会で入賞したり、『アメリカで宇宙工学を学びたい』と留学する生徒が出てきており、そういった生徒たちの目標をさらにかなえやすくするために設置しました」

 このクラスは元々英語力のある生徒を対象とし、そのスキルを鍛え、海外で実践的に通用する能力を身に付けさせるのが狙いだ。定員は40人程度(帰国生を含む)で、受験者は国語、算数の筆記試験のほか、英語リスニング試験を受けるか、実用英語技能検定3級以上の合格書類を提出することになる。高い英語力を持つ帰国生も対象となる。

 この試験の合格者は中1では習熟度別の英語授業の上位クラスで授業を受け、中2から実際に「国際進学クラス」に進級する。週6時間の英語授業のうち3時間はネイティブの教師が担当し、少人数でリーディング、ライティング、プレゼンテーションなどの学習を行うという。

3か月のターム留学を経験して自信を得る

 同校が「国際進学クラス」に象徴されるような国際教育に力を入れるようになったきっかけは、伊藤先生が2010年に、視察を兼ねてオーストラリアの大学院に留学したことだ。「中国や韓国から来ていた留学生と共に学び、彼らの勉学にかける熱意に打たれました。『このままでは日本はアジアの中で出遅れてしまう。競争力を備えた国際人になるための教育を、大妻多摩から始めたい』と思うようになったのです」

「ブリジディーンカレッジ」でのターム留学
「ブリジディーンカレッジ」でのターム留学

 2011年に国際教育委員会(昨年から「国際教育部」)が設立され、オーストラリアの女子校「ブリジディーンカレッジ」と姉妹校提携を結んで高1生を対象とする3か月の「ターム留学」を始めた。「それまでも夏休みの2週間でイギリスセミナーを実施していましたが、2週間では短い、より長い期間で現地の生活を経験させなければ、と考えました」

 ターム留学では、現地の学校のクラスに入り、現地の生徒や他国からの留学生とともに英語で授業を受ける。日本の学校で育ってきた生徒たちにとっては大きな試練となるが、この試練を経て生徒は大きな自信を付ける。東京外語大、ICU、早大国際教養学部など、高い英語力と国際的な教養が必要とされる大学への進学者も出るようになったという。

 提携校も「ブリジディーンカレッジ」1校から始まり、現在はイギリス、ドイツ、ニュージーランドにも増えて、計8校を数えるようになった。現在年間15人のターム留学生を送り出しているが、将来的には50人にまで増やす予定だという。

6年一貫の国際教育で、英語でのプレゼンも可能に

海外からの留学生を招いて実施するエンパワメントプログラム
海外からの留学生を招いて実施するエンパワメントプログラム

 ターム留学以外にも、同校は現在、中高6年間の一貫した国際教育を行っている。中1、中2では、海外からの留学生を招いてディスカッションやスピーチを行う「エンパワメントプログラム」を実施。日本の紹介、将来の夢などについて、身振り手振りを交えながら英語でコミュニケーションする。中2ではオーストラリアへの修学旅行である「グローバル・キャリア・フィールドワーク」に参加し、現地の人へのインタビューや調査などを経験して、海外を視野に入れたキャリアデザインにもつなげるという。

 中3、高1では夏休みのイギリスセミナーがあり、そのほかにもイスラム圏の文化を学ぶためトルコやドバイでのセミナーを実施している。さらに大妻多摩の生徒だけでなく他校の生徒も参加するアメリカへの短期留学の機会を用意しており、協働と切磋琢磨(せっさたくま)の大切さを学ぶという。高1の3学期になると、希望者を選抜した「ターム留学」が始まる。さらに高2、高3ではシンガポールでSDGsに関するプレゼンテーションの機会があり、海外大学進学を視野に入れた進学説明会も行われる。

 「校内にはパソコンや大画面モニターを完備したCALL(Computer Assisted Language Learning=コンピューター支援語学学習)教室が三つあり、普段の英語授業の中でのディスカッションやプレゼンテーションに利用しています。その成果は文化祭で発表されます。放課後は、ネイティブの教師による英語検定試験対策や英会話講座、海外とのオンライン英会話が常時開催されています。入学当初はあいさつ程度しかできなかった生徒たちが、高2、高3では自分でテーマを見つけて英語で発表するまでになります。その成長ぶりには目を見張るものがあります」と、伊藤先生は話す。

 現在は通常クラスでも、まったく海外生活の経験がない生徒たちが、「女性の社会進出と直面する問題」といったテーマで調査を行い、資料を作成し、英語でプレゼンテーションを行うまでになってきたという。「こういった力は、1年や2年の学びで身に付くものではありません。まさに大妻多摩の6年一貫した英語・国際教育プログラムの成果だと言えます。国際進学クラスで、さらに生徒たちの可能性を広げていきたいと考えています」と、伊藤先生は抱負を語った。

 (文:足立恵子 写真提供:大妻多摩中学高等学校)

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1334101 0 大妻多摩中学高等学校 2020/07/14 05:21:00 2020/07/14 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/07/20200710-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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