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久しぶりの同窓会 同い年のはずなのに あの人だけ、なぜ若い?

夏は帰省や同窓会で、旧友と久しぶりに会う方もいるでしょう。そんな、同年代の人々が集まる場で「どうしてあの人は若々しいんだろう?」「あの人はけっこう老けた気がするな」と感じたことはありませんか?

実はいま「老化のスピードには個人差がある」ということが科学的にも明らかになりつつあります。この老化の進み方の違いは、見た目や体力はもちろん、臓器や細胞の機能にも影響しているのだとか。

そこで今回は、日本抗加齢医学会の理事長である山田秀和先生に、老化を緩やかにするために知っておきたい生活習慣や腸内環境との関係について伺いました。

老化のスピードには “個人差”がある

—— 「老化スピード」は人によって異なるのでしょうか?

はい。研究により、実年齢が同じでも「1年で0.4歳分しか老化しない人」もいれば、「2.44歳分老化が進む人」もいるということが明らかになっています。皆さん1年に1歳ずつ年を取るわけですが、老化の進行は1年で0.4〜2.44歳と、個人差があるということですね。ある調査では約9割の人が「老化スピードは人によって差があると感じる」と回答しています。

この老化スピードの差は、見た目だけでなく、細胞や臓器の機能などにも影響しています。近年の研究では、老化のスピードが速い人ほど、生活習慣病や動脈硬化といった加齢に伴う病気のリスクが高まることも明らかになっています。自分の老化の進み方を知れば、健康への対策をより適切な時期に始めることができるかもしれません。

「大腸劣化」対策委員会調べ
(調査期間:2025年2月8日(土)~2月9日(日)、調査方法:インターネット調査、調査対象:全国20代~70代 男女3,600名)

老化研究の常識を変えた「PoA」とは?

—— 最近は「PoA(ピーオーエー)」という考え方が注目されているそうですね。

PoAは「Pace of Aging(ペースオブエイジング:老化のスピード)」の略称で、「老化スピードには個人差がある」という考え方を指します。

従来は“年齢=生まれたときから数えた年数”でしたが、PoAによって“身体の実年齢”を科学的に把握する研究が進められています。

専門的な話になりますが、「DNAのメチル化」というものを指標として老化度を測定する技術などによって、老化の進行度合いを定量的に把握する試みも日進月歩で進められています。

老化のスピードは自分で「変えられる」

—— 老化スピードに影響を与える要因には、どのようなものがありますか?

これまでの研究から、老化のスピードを左右する主な要因は「運動」「栄養」「精神」「環境」の4つであると考えられています。これは国際的にも注目されている知見で、誰でも日常生活のなかで取り組むことができるのが大きな特長です。

運動でいえば、1日8,000歩を目安に体を動かすだけでも老化の進行を緩やかにできることが分かっています。ハードな運動である必要はなく、散歩やストレッチなどでも効果があります。

—— 運動に次いで、やはり栄養も大事なのですね。

「栄養」、つまり日々の食事はとても重要です。特定の食品で一気に若返る、というのは現実的ではありませんが、日々の小さな積み重ねが将来の自分を形作るのです。例えば、朝食を抜かず、栄養バランスを意識した食事を続けるだけでも、長期的には大きな差につながります。

そのほか、睡眠やストレスのコントロールといった「精神面」、そして住環境や社会とのつながりといった「環境面」も重要です。最近では、アートや緑に囲まれた暮らしがメンタルに良い影響を与えるという報告もあるほどです。

—— 逆に「老化を加速させてしまう」習慣にはどんなものがありますか?

最も影響が大きいのは、喫煙です。それから肥満、高血圧、糖尿病など、いわゆる“メタボリック症候群”に関わる要因もリスクが高いとされています。アルコールについても、最近は「一滴も飲まない方が寿命が延びる」という、お酒が好きな人には厳しいデータが出てきています。

「腸内環境」も老化スピードのカギに!?

—— 最近は「腸活」に取り組む人も増えていますが、腸内環境と老化にはどのような関係があるのでしょうか?

最近では「腸内環境の乱れ」が老化の進行に関わる重要な要因の一つと考えられるようになりました。実際に、腸内環境を整えている人は、そうでない人に比べて見た目も体も若い傾向があるという調査結果も出ています。

腸内細菌のバランスがとれていると、善玉菌が短鎖脂肪酸などの有用な物質をつくりだし、それが全身の炎症を抑えたり、免疫や代謝の働きをサポートしたりすることも分かってきています。

このようなメカニズムを通じて「腸内環境の良し悪しが老化にも影響しているのではないか」と注目されているのです。

—— 腸内環境を整えるには、どんなことを意識するとよいですか?

まず意識してほしいのは「食物繊維の摂取量を増やすこと」です。日本人の食生活では、野菜や海藻、豆類などに含まれる食物繊維が不足しがちです。

次に「さまざまな菌を取り入れること」も大切です。たとえば、発酵食品の納豆や漬物、味噌、そしてヨーグルトなどを食事に取り入れるのがおすすめです。とくに一部のヨーグルトに含まれる「ビフィズス菌」は善玉菌の代表格ですが、ビフィズス菌は加齢に伴って減少することがわかっており、取り入れたい菌として注目されています。

大切なのは「3か月くらい続けて、自分に合うかを確かめてみる」こと。腸内環境には個人差があるので、焦らずじっくり続けてみてください。

理想のエイジングで豊かな人生を

—— 最後に「いつまでも若々しくいたい」と願う皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

大切なのは「生きがい」や「楽しみ」を持つことです。ただ長く生きるのではなく、自分らしく、前向きに、豊かに年齢を重ねていく。そんなエイジングの在り方が、これからの時代の理想なのではないでしょうか。
老化は避けられない現象ですが、そのスピードには大きな個人差があり、自分の意識や行動によって緩やかにすることが可能です。最近では、老化そのものを“戻す”、いわゆる「若返り」への研究も進んでおり、将来への期待も高まっています。

とはいえ、いまの生活の中で取り組めることもたくさんあります。たとえば、日常的な運動、栄養バランスのとれた食事、質の良い睡眠やストレスケア、そして良好な生活環境。これらを少しずつ整えていくことが、健康的なエイジングにつながります。腸内環境を意識して、より早いうちから良い食習慣を積み重ねていくことで、将来の自分に貢献することが出来ると思うと、積極的に取り組めるようになれるのではないでしょうか。

日本抗加齢医学会理事長
山田 秀和先生
やまだ・ひでかず 1981年近畿大学医学部卒業。専門は皮膚科学(免疫・アレルギー疾患)、抗加齢医学。オーストリア政府給費生としてウイーン大学や米国国立衛生研究所で学ぶ。2007年に近畿大学アンチエイジングセンターを創設し、医学、薬学、農学、運動に関する共同研究を行っている。現在は「見た目」の研究から、遺伝子の働きを制御するエピジェネティクスの仕組みの究明に取り組み、日本人のEpigenetic Clockの開発もしている。2025年大阪・関西万博の大阪パビリオン推進委員会委員・ヘルスケア先端予防医療ディレクターも務める。

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