広告 企画・制作 読売新聞社ビジネス局

ポーランド・日本投資フォーラム開催 大阪・関西万博を機に、経済連携の新たな一歩踏み出す

(Susumu Miyazu/PAIH)
 
 大阪・関西万博を通じた経済交流の集大成となる「ポーランド・日本投資フォーラム」が9月30日、大阪市北区の「ヒルトン大阪」で開催された。グリーン技術や半導体、ウクライナ復興など、ポーランドと日本が戦略的パートナーシップを構築するうえで重要なテーマについて意見が交わされ、企業同士の連携も深まるなど活発な交流が行われた。

開会挨拶 ヤツェク・トムチャク 2025年日本国際博覧会ポーランド政府代表 距離を超えて、価値をともに生み出す

(Susumu Miyazu/PAIH)
 
 日本とは地理的に離れていますが、ともに勤勉で起業家精神にあふれた国民性をもち、創意工夫によって成長を築いてきたという共通点を持ちます。この価値観の共有こそが両国を強く結びつけ、大きな成果をもたらすと信じています。ポーランドパビリオンは来場者が100万人を突破するなど大きな成功を収めています。本日の議論がより良い投資環境を創り出し、両国の可能性を最大限に引き出すための新たな一歩となり、企業間の直接交流につながることを心より願っています。

プレゼンテーション1 なぜポーランドなのか?中央ヨーロッパと東欧への戦略的な扉―安全性、安定性、将来性  パヴェウ・プドゥオフスキ ポーランド投資・貿易庁副長官

(Wiktor Blazynski/PAIH)

 投資の新たな中核へ ポーランドが拓く日本企業の可能性

 ポーランド投資・貿易庁は、日本企業の投資を支援するワンストップ窓口として、土地情報データベースを整備し、法規制や環境条件を踏まえた最適な候補地を提案している。税制優遇や助成金などの財政支援についても専門チームが伴走。これまでに1000件超のプロジェクトを成功に導き、累計投資額は300億ドルを突破した。
EUの中心に位置するポーランドは、高い教育水準と安定した経済を誇り、毎年多くのエンジニアやIT人材を輩出。宇宙、自動車、電子機器など多様な分野で投資機会が広がっている。ビジネスサービス分野は世界第2位の規模に成長し、海外企業の研究開発拠点としても評価が高い。
現在、約390社の日本企業が進出し、5万人以上の雇用を創出。LNG(液化天然ガス)供給などエネルギー分野でも連携が進む。生活環境にも恵まれたポーランドは、日本企業にとって新たな成長拠点として期待が高まっている。

プレゼンテーション2 欧州の成長拠点ポーランド--日本企業にとってのビジネス 石賀 康之、ジェトロ・ワルシャワ事務所長

(Susumu Miyazu/PAIH)

 中欧のハブへ存在感拡大 三つの強みでポーランドが躍進
 
 ポーランドが日本企業の新たな投資先として注目を集めている。魅力は大きく3つある。第一に、欧州の重心が中欧へと移る中、ポーランドはドイツに隣接し、EU全体を視野に入れた地域ハブとしての存在感を発揮。人口3740万人を抱え、中欧最大の市場規模を誇っている。
第二に、投資・消費市場としての成長力だ。GDPはEU加盟以降4倍に拡大し、失業率は2%台で推移。IT人材が豊富で、スタートアップ分野も活発だ。日系企業調査でも「欧州で最も有望な販売先」として6年連続で1位を獲得している。
第三に、ウクライナ復興の拠点としての期待が高まっている点だ。避難民受け入れや企業進出が進み、将来的にはあわせて7000万人規模の市場形成も視野に入る。再生可能エネルギーや原子力、水素、自動車、航空宇宙、デジタルなど幅広い分野でチャンスが拡大。日本の強みを生かせる分野は多く、ポーランドは欧州の成長をリードする舞台になりつつある。

パネルディスカッション1 21世紀の日本とポーランド:グローバルな課題における戦略的パートナーシップ

(Filip Tarasiuk/PAIH)

 次の100年へ 経済と人材の新たな連携を議論

 日本とポーランドの国交樹立から106年、戦略的パートナーシップ締結から10年を迎え、両国関係の今後を多角的に議論した。経済面では、大企業に加え中小企業の連携強化や再生可能エネルギー、水素技術、AI(人工知能)など新分野での協業に期待が寄せられた。ポーランドはEUの中心に位置し、物流や生産の拠点として高い潜在力を持つ。EU資金を活用したインフラ整備や、ウクライナ復興を見据えた東欧での経済連携が今後の成長のカギとされた。
また、学術・人材交流の拡大も重要なテーマとなった。日本式経営を学ぶ大学の設立や学生交換の拡充、ワーキングホリデー制度の導入など、双方向の人材交流が進みつつある。人材は単なる労働力ではなく、両国をつなぐ架け橋であり、働きやすく暮らしやすい環境整備が課題として挙げられた。
経済的利益だけでなく、信頼と価値観の共有が両国関係の基盤であることが再確認され、パネリストたちからは「両国は今、価値と人を軸に未来を共創する戦略的パートナーとして新たな段階へと歩みを進めていく必要がある」という意見が相次いだ。

パネルディスカッション2 ポーランドはウクライナへのそしてその地域への扉 : 中央ヨーロッパと東欧の安定と発展のための日本の投資

(Filip Tarasiuk/PAIH)

 ウクライナ復興へ国際協力加速 日本企業の参画に期待高まる

 ウクライナ復興に向けた国際協力の枠組みと、日本企業の参画の可能性について活発な意見が交わされた。ポーランド開発基金(PFR)は、復興を経済成長の新たな契機と位置づけ、自国企業の海外展開と日本企業との連携を支援する「チーム・ポーランド・イニシアティブ」を始動。共同投資やジョイントベンチャーを通じて国際的な再建支援を促す方針を示した。
日本側からは、国際協力銀行(JBIC)が難民支援や脱炭素関連のクレジットライン整備など、資金面での支援実績を紹介。再生可能エネルギーや水素、原子力、デジタル分野など幅広い事業で日本企業のビジネス展開を後押しする意向が示された。
また、ポーランド政策投資銀行(BGK)はEU資金を活用した融資・保証制度を説明し、ウクライナの自治体や中小企業を対象とした復興基金を創設。キーウに事務所を設立し、積極的な融資体制を整えていることが報告された。ポーランド輸出信用機関(KUKE)もリスク保証を拡充し、外国企業を「チーム・ポーランド」の一員として支援する姿勢を強調した。
ウクライナ国境に近いジェシュフ市は、航空宇宙やITなど先端産業の拠点として投資環境の優位性をアピール。議論では、復興支援を単なる経済活動ではなく、地域の安定と共創の象徴として進める重要性が共有された。

セッション 先端技術やGXで連携強化へ 半導体・人材育成など6セッションで議論

(Susumu Miyazu/PAIH)

 日本とポーランドの経済連携を一段と深めることを目的に、両国の産官学を代表するリーダーらが参加する6つのセッションが開かれた。
GX(グリーントランスフォーメーション)をテーマにした討議では、再生可能エネルギーや水素技術を活用した持続可能な都市づくりについて活発な意見交換が行われた。「日本のテクノロジーはポーランドの産業・エネルギー転換に不可欠であり、共同開発による海外展開が成長の鍵となる」といった提言も出された。
ITやゲーム産業を支えるポーランドの人材育成力に焦点を当てたセッションでは、「最大の競争力は労働力の質と創造性にある」との指摘があり、両国企業の発展には「人・価値・技術」の連携強化が欠かせないとの認識で一致した。
さらに、半導体やAIなど先端技術分野の協力を議論したセッションでは、これらの技術が両国の経済と安全保障を支える基盤であることを再確認。ポーランド側は日本や台湾との連携による供給網の強化を目指す方針を示し、日本側もポーランドが欧州のサプライチェーンの要となることに期待を表明した。双方は「今こそ協力を深める好機」と位置づけ、エンジニア育成など人材交流の拡充を進める考えを共有した。

インタビュー ミロスワフ・チェカイ、ポーランド政策投資銀行(BGK)総裁  ウクライナ復興に日本企業の力を 防衛・エネルギー・医療など幅広い参画に期待

(Wiktor Blazynski/PAIH)

 ポーランド政策投資銀行(BGK)のミロスワフ・チェカイ総裁はインタビューで、ウクライナ復興支援における日本企業の積極的な参画に大きな期待を寄せた。
ミロスワフ総裁は、BGKがエネルギー、医療、インフラなどの長期プロジェクトに対し、EU資金を活用した融資を行っていることを説明。また、ウクライナの自治体に資金を供与し、現地銀行の保証と組み合わせることで投資リスクを軽減する仕組みを整えていると述べた。さらに、中小企業向けの融資支援では欧州各国の開発銀行と連携し、金融リスクを抑えながら企業への直接支援も進めているという。
 すでにBGKはウクライナ国立銀行の承認を得て現地拠点を開設し、自治体や企業、金融機関の連携を後押ししている。2026年にはポーランドで「ウクライナ支援フォーラム」を開催し、政治や経済、自治体、民間の代表が集まり、具体的な協力策を議論する予定だ。
 ミロスワフ総裁は、「防衛産業、エネルギー安全保障、物流、医療、生活基盤整備など、日本企業が活躍できる分野は幅広い。日本との実務的な協議を進めていきたい」と語り、今後の連携に強い意欲を示した。

アストー社と川崎重工が覚書

(Wiktor Blazynski/PAIH)

 次世代技術者育成へ 低コスト教育用ロボット「Astorino」を日本展開

 フォーラム会場では、ポーランドのテクノロジー企業「アストー社(ASTOR)」と川崎重工業ロボットディビジョン」が、教育用ロボット事業での協力に向けた覚書を締結した。
 調印式にはアストー社のヤロスワフ・グラツェル社長およびアンジェイ・ガルバツキ副社長と川崎重工業の坂東賢二・執行役員が出席し、産業の自動化と人材育成の両輪で協力を深め、持続可能な社会の実現に向けた長期的なパートナーシップを構築していく方針を示した。
 中心プロジェクトはアストー社開発の教育用ロボット「Astorino」。産業用ロボットに近い構造を持ちながらも、安全で導入しやすい点が特徴で、学生たちが実践的な操作やプログラミングを体験できる。ポーランドでは既に150以上の教育ラボに導入され、今後は日本の教育現場でも展開を予定している。
 坂東執行役員は「ヨーロッパと日本は共に少子高齢化という課題を抱えており、次世代のロボット技術者の育成が成長のカギになる」と強調。「教育用ロボットの普及を通じ、若い技術者が自由に挑戦し、失敗を恐れずに学べる環境をつくりたい」と語った。

ポーランド企業の最先端技術やサービスに熱視線

(Susumu Miyazu/PAIH)

 フォーラム会場に設けられたポーランド企業の出展ブースでは、日本企業の参加者との間で商談や情報交換が活発に行われた。特に注目を集めたのは、再生医療とグリーン技術の分野だ。
 培養肉(細胞培養由来の生体材料)と3Dプリンター技術を用いて膵臓を製造する研究開発を行う「ポルビオニカ(Polbionica)」の担当者は、膵臓疾患や糖尿病の根治治療で世界的に注目が集まっていると強調。「日本の研究機関や製薬会社との協力を目指したい」と意欲を見せた。
(Wiktor Blazynski/PAIH)

 また、富裕層向けに環境負荷の低いラグジュアリーヨットを世界展開する「サンリーフ(Sunreef Yachts)」の担当者は、ソーラーパネルやバッテリーなどの最新技術を搭載し、環境性能と高級感の両立をアピール。「アジア、特に日本市場に大きな可能性を感じている」と述べ、市場開拓への期待を語った。