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【龍谷大学】情報×睡眠で拓く未来

左からてぃ先生、龍谷大学 講師 高原まどか氏

龍谷大学は、2027年4月、びわ湖大津キャンパス(滋賀県大津市)※に「情報学部」を新設。育成するのは、文理の枠を超え「情報技術」を活用して課題解決に取り組む、実践力と応用力を備えた人材です。「情報」に様々な「テーマ」を掛け合わせ、社会課題の解決へ挑みます。今回は「情報×睡眠で拓(ひら)く未来」について、現役保育士で子育てや親子の関わりなどについて多方面で情報発信するてぃ先生と、情報学部着任予定の高原まどか氏が意見を交わしました。

情報学で睡眠をどのように育むのか

高原先生 日本は世界でもまれな「睡眠負債大国」です。睡眠時間が少ないことによる経済損失は年間15兆円に上るという試算も。この状況を改善すべく、私が開発を進めているのが「睡眠教育アプリ」です。睡眠時間に応じてアイテムがもらえ、それを使ってキャラクターを育てるという、ゲーム性を備えたこのアプリ。医療機関と連携することで、睡眠に関するデータを見ながら診察することも可能になります。

てぃ先生 睡眠の重要性は多くの人が知っているのに、自分の睡眠についてわかっている人は限られているように思います。それがアプリを使ってデータ化されるのは、すごくいいですね。子どもの睡眠不足も指摘されていますが、問題の根本は社会構造も関係しています。親が遅くまで働かざるを得ない状況で、帰宅してから子どもを早く寝かせるというのは難しいですよね。

高原先生 おっしゃるとおりです。私はこのアプリを、睡眠時間を犠牲にする今の日本の社会構造を変えるきっかけにしたいんです、睡眠リテラシーを高め、次世代の子どもたちが生きやすく、「寝ることはかっこいい」と思える世の中にしたいです。

てぃ先生 それ、すごくいい!今は逆で、遅くまで起きていることがすごいと思われる風潮がいまだに残っていますよね。子どもたちが、たくさん寝たことを自慢する社会にしたいですね。

「親子で学ぶ」が社会を変える

高原 アプリのポイントの一つは、自分たちの睡眠情報を使って親子で協力してゲームを進めていくことです。子どもの睡眠時間に加えて親の睡眠時間を入力することで、スペシャルなアイテムがもらえる仕組みを用意しました。これによって、睡眠について親子で一緒に話す機会を生み出します。

てぃ先生 親が睡眠に関して正しい知識をもっていることは大切ですよね。それに、親がやっていれば子どもも同じことをするものなんです。家事だってそうじゃないですか。親が協力して家事をしていれば、子どもはそれが普通だと思い、自分も家事をするようになるものです。

高原 アプリにはAIを搭載しているのですが、このAIは質問に何でも答えてくれるわけではありません。「おうちの人が知ってるかもしれないから聞いてみて」など、わざと知らないふりをするのです。そうすることで、親子の対話を促します。

てぃ先生 子どものAIの利用については、僕は否定派です。なぜなら、考える力が養われないから。「知らないふりをするAI」はすごくいいと思います。

高原 情報があふれていることが、睡眠不足の原因だと言われることもあります。具体的には、スマートフォンや動画配信サービスなどです。

てぃ先生 僕はそれは少し違うと思います。僕たちの子どもの頃も、程度の差はあったにしろ、子どもの睡眠不足は言われていたはずです。当時、原因と言われたのはテレビでした。それが今はスマホに変わっただけ。ツールが時代に応じて変化しただけなのです。大切なのは、特定のツールだけを問題視するのではなく、子どもの生活習慣や睡眠の状況に目を向けることではないでしょうか。

高原 保育現場の視点から睡眠教育アプリを見て、「こんな機能があったらいいな」というものはありますか?

てぃ先生 子どもが朝起きたとき、どんな声をかけてあげるかを提案してくれる機能はどうでしょう。というのも朝って、「早く起きて」「早く食べて」「早く着替えて」など、「早く」ばっかりですよね。保育所や幼稚園に着く頃には、子どもはもうヘトヘトです。子どもが前向きで楽しく家を出られるような起き方も睡眠の重要なポイントだと思います。

現代社会が求める「情報」の専門人材とは

てぃ先生 龍谷大学は情報学部を開設すると聞いています。どんな人材を育成するんですか?

高原 情報技術を理解し、社会や人の暮らしに役立てられる人材を育成します。例えば、現代社会において欠かせないAIもその一つです。ただ、誤った答えなのに信じてしまうなど、AI時代特有のリスクもあります。AIの仕組みや長所・短所をきちんと理解し、有効に使いこなせる人材を養います。

てぃ先生 AIを上手に使って仕事を効率化し、その分の時間で子どもと過ごせるようになったらいいですよね。

高原 「情報」って何か特別なもの、あるいは理系分野の人だけのものに思われがちです。でもそれは違います。人は情報で動く、人が動けば情報となる。情報は社会のあらゆるところにある、私たちの身近なものなのです。大切なのは、「そこに情報がある」と気づけることや、正しい倫理観と疑問を持つことができる思考力を備えているということです。新学部では、こうした力を養う教育を行います。文系・理系を問わず、さまざまな分野の人に学んでほしいと考えています。

てぃ先生 情報学部で学ぶ学生さんには、経営アドバイザーの菅原健一さんの「価値は相手の変化量」という言葉をお伝えしたいです。優れたアプリやシステムを作ったように思えても、相手に何の変化も促せないようでは、価値を生んだとは言えません。利用する人が行動を変えたり考え方を変えたりしたとき、初めて価値が生まれます。ぜひ学生さんには、変化を生み出していくような人になってもらいたいです。


高原まどか氏
2027年4月情報学部着任予定。同志社大学大学院理工学研究科 情報工学専攻博士前期・後期課程修了。修士・博士(工学)。2018年同志社大学 研究開発推進機構及び理工学部特別任用助手、19年米スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNLab)・客員研究員などを経て、22年より現職の龍谷大学先端理工学部助教。26年より龍谷大学農学部講師。


てぃ先生
現役保育士18年目。SNSの総フォロワー数が200万人を超え、保育士としては日本一の数である。現在はSNSだけでなく、報道番組からバラエティー番組まで幅広いジャンルのテレビにも出演し、「いま一番相談したい保育士」と紹介されることも。NewsPicks「EduPassion」新MCに就任決定。

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