
龍谷大学
多様な知と人をつなぎ、「共創」で新たな価値の創造へ
トップインタビュー
新キャンパスコンセプト「コレクティブ・インパクト・プラットフォーム」
龍谷大学 環境サステナビリティ学部長(就任予定) 岸本 直之 副学長
岸本 直之 副学長
社会のリアルとつながる大学 知と人が交わる拠点に
複雑化する社会課題は、もはや一つの組織だけで解決できる時代ではありません。行政、企業、大学、地域など様々なステークホルダーが目標を共有し、それぞれの強みを生かして社会に変化を生み出す「コレクティブ・インパクト」の考え方を、2039年の創立400周年に向けた「基本構想400」の中核に据えました。キャンパスを単なる教育の場ではなく、人や組織が出会い、協働を通じて新しい価値が生まれる場にしていきたいと考えています。これまで自治体や産業界と築いてきた連携を、大学全体の方向性としてさらに発展させる構想です。27年4月、特色をより明確に発信するため、3つのキャンパス名称を「深草キャンパス」から「京都深草キャンパス」へ、「大宮キャンパス」から「京都大宮キャンパス」へ、「瀬田キャンパス」から「びわ湖大津キャンパス」へと変更します。
京都駅前に新たな共創拠点 集い、挑み、価値を生み出す
「コレクティブ・インパクト」の象徴となるのが、28年に京都駅前で始動する「共創HUB京都(仮称)」です。大阪ガス都市開発(株)、京都信用金庫と連携して「学ぶ」「挑戦する」「住む」を一体化した空間として、学生や企業、地域の人々が自然につながり、外部との連携の成果を社会実装できる拠点としていきます。施設にはサテライトキャンパスやコワーキングスペース、起業支援機能、学生寮のほか、アートや食をテーマにした交流空間も整備します。大阪ガス都市開発(株)が提供する交流型賃貸マンションでは、ワークラウンジなど多彩な共用空間を確保し、入居者同士の交流を促すことで様々な創発を生むことを目指します。京都信用金庫は地域の起業家へのスタートアップ支援に特化した支店機能を設け、ここで活動する起業家の資金ニーズにスムーズに対応します。本学の学生だけでなく、企業や地域、他大学、社会人など経験や立場も異なる人々が交わり、新しい挑戦が生まれる環境をつくります。
文理の枠を超え次の時代を拓く 環境サステナビリティ学部
27年4月、びわ湖大津キャンパス※に開設する環境サステナビリティ学部は、複雑に絡み合う環境問題を、文系・理系を問わず様々なアプローチで解決する力を鍛えるとともに、双方の視点から持続可能な社会を考え、行動する力を身につけます。サステナビリティは自然科学のみならず、地域社会の人々の営みも含む大きな課題であり、自然科学的な知識だけでなく、社会や経済の理解も不可欠です。専門性という物事を見るための「ものさし」を磨きながら、多様な見方を持った人たちと協働する姿勢を育むことも、この学部の大きな目標です。5つの専門プログラムで自分の強みを伸ばし、異なる背景を持つ学生同士が議論や実践を重ねます。
地域や企業と連携するPBL型授業では、自分の「好き」や関心を出発点に課題へ挑み、解決策を探究します。そうした経験を重ねながら、一人では生み出せない答えを仲間と導き出し、社会をより良い方向へ動かせる人材を育成していきます。
その缶はごみじゃない! 「サステナビリティ」を自分ごとにする体験
高校時代は「サステナビリティ」や環境問題を、自分から遠い課題だと感じていました。しかし大学で地域づくりを学び、PBL型授業を通じて、持続可能な社会について考える機会が増えました。今回のフェスが地域の自然の価値を体験的に伝えるイベントだと知り、さらに学びを深めたいと参加しました。
当日は来場者アンケートのサポートやごみステーションの整備を担当。印象に残ったのは、来場者と一緒に使用済みの缶を潰し、資源として回収する取り組みです。缶がアルミ資源となって新たな製品へと生まれ変わる仕組みを知り、環境問題が日常とつながっていることを実感しました。来場者にはリサイクルタンブラーが配られ、飲み物の提供を受けられるなど、楽しみながら資源問題を体験できる工夫が施されていました。
今回の経験を龍谷祭実行委員としての活動にも生かし、リユース食器の利用など環境に配慮した大学祭にしたいです。座学も大切ですが、実際に現場で人や地域と関わる学びが龍谷大学らしさ。新しい場所に飛び込むことで思いがけない可能性が広がると思います。
「楽しさが社会を変える」 そう思えたサステナビューティーフェス
大学生活で得た財産は、同じ志を持つゼミの仲間との出会いです。前向きな一歩を「面白そう」と、互いに後押しできる環境が私の世界を広げてくれました。その一つに、今回参加したフェスが挙げられます。きっかけはゼミで経験した「祇園祭ごみゼロ大作戦」のボランティアです。ごみの分別活動を通して充実感を得て、さらに幅を広げたいと思っていたところ、「楽しいから、はじめよう」というフェスのコンセプトに出会いました。環境への取り組みを義務ではなく、楽しさを入り口とする姿勢に共感し、ボランティア参加を決めました。
以前は、環境問題は国や企業が取り組む大きな課題で、自分一人の行動では変えられないと感じていました。しかし実際フェスに参加すると、来場者の積極的なごみ分別を目の当たりにし、自分自身も以後ごみ捨て意識が激変。小さな行動の先を想像するようになりました。会場の導線やごみステーションの配置設計など、運営面の工夫を現場で体験できたことも収穫でした。将来は大学での学びを生かし、イベントを通じて人々が楽しみながら社会に貢献できる場づくりに携わりたいと考えています。
POINT 進研アド編集部の視点
龍谷大学のココに注目!
「環境」「情報」で社会課題に挑む
未来を創る2つの新学部がびわ湖大津キャンパス※に誕生
環境問題の深刻化やAI・デジタル技術の急速な進展――。社会が大きく変化するなか、龍谷大学は2027年4月、びわ湖大津キャンパス※に「環境サステナビリティ学部」と「情報学部」を新設します。環境サステナビリティ学部では、都市環境工学や生物多様性科学、経済学・経営学など、文系・理系の枠を超えた学びで、持続可能な社会を実現するための知識を習得。地域デザインや資源循環利用など5つの専門教育プログラムに加え、地域や企業と協働する体験・共創型PBL「クエスト科目群」を通して、課題を発見し解決へ導く実践力を養います。また、情報学部では、プログラミングやデータサイエンスを基礎に、AIやデータを活用して社会課題の解決を目指します。情報メディア、知能情報システム、実践データサイエンスの3専攻を設置。企業や自治体との連携を通じて、現場で活躍できる力を磨きます。共通するのは、「知識の詰め込み」ではなく、地域や社会と関わりながら未来を創る実践的な学び。入学定員は各130名で、これからの時代を切り拓く人材を養成します。
※2027年4月 瀬田キャンパスより名称変更
京都大宮キャンパス※
びわ湖大津キャンパス※